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転生したら乙ゲーのモブでした  作者: おかる
婚約編
56/80

閑話:その頃庭園では

庭園に避難した兄弟と双子令嬢のやりとり。(会話が中心です)

イ→イリス シ→シンディ サ→サリエル マ→マリエル


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フローライト辺境伯の王都にある屋敷の庭園にてサリエル、マリエルのフローライト辺境伯家の兄弟はサフィール侯爵家の双子令嬢と共に、東屋でゆったりとお茶をしながら会話を楽しんでいた。

・・・・・・傍から見たらだが。

実際は、辺境伯夫人の黒オーラに耐性がなく怯えていた双子令嬢を庭園に避難させた兄弟は、先ほどまでの怯えっぷりはどこ吹く風な双子令嬢のマシンガントークに付き合っていた。

ちょっと引き気味だったのはマリアたちには秘密だ。


イ「サリエル様。お兄様とマリアお義姉様は婚約されるのでしょうか?」


サ「ふふ。どうでしょう?それは晩餐の時には分かると思いますよ?」


シ「お父様もお母様もお兄様も今日は、朝からソワソワしていましたの」


イ「そうですわ。もっともお兄様はマリアお義姉様にお会いする約束がある日は、前日の夜からソワソワしていますけれど」


マ「そうなのですか?今日初めてお会いしましたが、とても落ち着いた雰囲気の方だなと思ったのですが・・・」


シ「うふふ。それはマリアお義姉様に情けないところを見せたくないからですわ」


サ「マリエルも、もう少し大きくなったら分かるよ」


マ「兄上は分かるのですか?」


サ「さぁ?どうだろうね?」


イ・シ「「まぁ!サリエル様には意中のご令嬢がいらっしゃるのですか?」」


サ「ふふ。どうでしょう?」


マ「兄上は気になるご令嬢はいらっしゃらないのですか?父上も母上も心配しています。兄上は結婚する気がないんじゃないかって」


サ「そんなことはないよ。ただ辺境伯夫人にふさわしいと思える令嬢がいないだけ」


イ「サリエル様のお考えになる辺境伯夫人の基準はどのようなものなのですか?」


サ「うーん・・・基準ですか。分かりやすく例えるなら、母上のような令嬢ですね」


シ「フェリス夫人ですか?」


イ「・・・それはかなりハードルが高いと思いますわ」


サ「そうですか?」


マ「兄上は母上のような令嬢がお好みなのですか?」


サ「好みというか、将来父上の跡を継いで、辺境伯となった時のことを考えるとね。基本的に領地にいなければならないから、王都での社交は二の次になってくる。それを苦痛に感じないことが第一条件かな」


イ・シ「「・・・それは普通のご令嬢には難しい条件だと思いますわ」」


サ「まぁ。父上と母上は学園在学中に色々とあったようですから。王都にはなるべく滞在したくないようですね。ジェリク殿下の婚約者選定のお茶会にも参加したくなかったようですよ?」


イ「そうなのですか?」


サ「えぇ。陛下からの王命がなければ参加しなかったでしょう。それに、お茶会の最中にマリアが倒れたのですが、父上は母上とマリアを連れて屋敷に戻って、早々に候補者からの辞退をする旨の書状を王宮に送っていました」


シ「そのお茶会でジェリク殿下はリリウムお姉様に一目惚れされたのですね」


マ「ジェリク殿下はリリウム様のことが本当にお好きなのですね」


イ「そうれはもう!王宮での催しにお姉様がジェリク殿下の婚約者として参加する際は、毎回ドレスと装飾品を贈られてますし、当日は早めに我が家までお姉様を迎えにきていますわ」


シ「先日の一件でお姉様のことを心配されて王宮に一時的に避難させているくらいですもの」


サ「色々と問題のある令嬢から守るためですよ。逆怨みされてリリウム嬢に何かあったらジェリク殿下が暴走しそうですし」


イ・シ「「・・・それは言えてますわね」」


マ「問題のある令嬢って、姉上が王宮の夜会に招待されるきっかけになった騒ぎをおこした令嬢ですよね?」


サ「そうだよ。もっともその前後にも色々と問題行動をおこしていてね。先生方や男爵夫妻に注意されても反省しないどころか、陛下の御前でウソの発言をしたからね」


シ「まぁ。そのご令嬢はなぜそのようなことをしたのでしょう?」


サ「さぁ?私にもわかりません。陛下や騎士団員、それに騎士科の先輩・後輩の前でさも自分が私の婚約者であるかのごとき振る舞いをしていましたよ」


イ「そのご令嬢は婚約者候補とかではありませんの?」


サ「いいえ。違います。私もマリア同様、父上に縁談の申し入れはお断りいただくようお願いしています。相手は自分で見つけます」


シ「あら?でもマリアお義姉様については、お父様からフローライト辺境伯様へ縁談の申し入れをされていませんでしたか?」


マ「そうですよ兄上。サフィール侯爵様からラジェル殿と姉上の縁談の申し入れがあったではないですか」


サ「確かにサフィール侯爵から縁談の申し入れはあったよ。一度は断っているんだよ。でも、王宮の夜会でサフィール侯爵が直接、父上とマリアにラジェル殿とのことをお話しされたそうだよ」


イ・シ「「まぁ!!そうなのですね!それでマリアお義姉様はなんとお返事されたのですか?」」


サ「お互いを知るためにまずはお友達からとお返事したようです」


マ「兄上・・・それはていのいいお断りの文句ではないのですか?」


サ「マリアがどう考えてそういったのかは私にもわからないよ。でも、その日を境にラジェル殿と交流を深めて、今日に至ったわけだからね」


イ・シ・マ「「「確かに・・・」」」


サ「さて、そろそろ父上たちの話しも終わった頃だね。サロンに戻りましょうか?」


イ・シ・マ「「「はい」」」



ラジェルとの出会い(?)を兄から暴露されているとは露知らず、サロンではマリアは晩餐早く始まらないかなと互いの両親たちの話し合いから現実逃避していた。


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