サプライズ?それともドッキリ?
お父様の乱入と取り乱しっぷり、それとお兄様の腹黒さに若干引いてしまった・・・
王都の屋敷に来たのがお父様だけじゃなくって良かったよ。
お母様がいなかったらどうなっていたことか・・・
こういう時にアスター伯父様の妹だよなぁって感じる。
お兄様とラジェル様とお茶をしていると、また玄関付近が騒がしくなってきました。
今度はなんだ?と不思議に思っていると、サロンの扉の向こう側から来客を告げる使用人頭の声がします。
「サリエル様。お客様がお越しです。ただ今、旦那様と奥様がご対応されております。サロンにご案内でよろしいでしょうか?」
「あぁ。お客人をこのサロンにご案内してくれ。それと、晩餐の用意は大丈夫か?」
「はい。晩餐につきましては旦那様からもご指示を受けておりますのでご心配なく。それではこちらにお客様をご案内いたします」
そう言ってお客様とお父様たちをサロンに案内すべく、使用人頭は玄関へと向かいました。
お客様?って誰が来たの?
ラジェル様の方を見ると、私と同じように困惑気味です。
そんな私とラジェル様の様子を見て、お兄様はクスクスと笑っています。
「今、お越しになったお客様はサフィール侯爵夫妻と双子の妹君ですよ。ラジェル殿」
「父上と母上と妹たちですか?」
「はい。両親が揃いましたので、先日のお返事についてお話しさせていただくのです」
えっ?そうなの!?晩餐の用意をさせているってことは私とラジェル様も同席するの!?
「あの・・・お兄様?では本日の晩餐にサフィール侯爵夫妻とラジェル様それに双子の妹君をご招待されたということでしょうか?」
「そうだよ」
くっ・・・そんなキラキラしい笑顔で言わなくてもいいじゃないか!
色々といきなりすぎですよ!というかラジェル様は何でご両親たちがウチにくること知らなかったの?
顔に出てしまっていたのでしょう・・・お兄様が爆弾を投下しました。
「マリア。父上からの返事が届いてすぐにサフィール侯爵宛に今日の晩餐の招待状を送ったんだよ。その時にラジェル殿とリリウム嬢には秘密にしていただくようお願いしたんだ。まぁ、マリアとラジェル殿へのサプライズってところかな?」
サプライズじゃなくてドッキリだよ!そんなことして・・・だれ得だよ!?
お兄様・・・そんな所だけアスター伯父様に似なくても良いのですが!?
こんな性格だって学園のご令嬢方が知ったら少しはお兄様に関する質問攻めが軽くなるのかなぁ~
学園でのお兄様は入学してからしか知らないけど、普通科のご令嬢方からの人気は絶大なんだよなぁ。
お母様曰く、お兄様はお父様に、私はお母様にそっくりなのですって。
ちなみにマリエルはお母様似です。女の子と見間違えるほどの美少年ですよ(←姉馬鹿)
「サプライズですか・・・確かに、今日の両親はどこか朝からソワソワしていましたね・・・それはフローライト辺境伯家の晩餐に招待されていたからなのですね。納得しました」
サフィール侯爵夫妻は、朝からソワソワしていたのですね・・・
まあ、自分たちが招待された家に息子が出かけていくのだから仕方がないのかな?
しかし、リリウム様にまで内緒にされてたのかぁ。
だからジェリク様と一緒に私の婚約について聞きに来てたのか。
王宮に一時避難してなかったらリリウム様も同席してたってことか。
うわ~・・・それはちょっと恥ずかしい・・・
そしてラジェル様は落ち着きすぎじゃない?
これはアレか?ルピリア様に振り回された経験からくる落ち着きなのか?
お兄様の黒オーラをスルーできるほどにラジェル様はルピリア様の仰天行動に付き合わされていたってこと?
ラジェル様とサフィール侯爵はルピリア様が嫁がれるまで大変だったんだろうなぁ・・・
正直いって、ルピリア様が開催する女子会(?)には二度と参加したくない。
でもお二人は問答無用で巻き込まれていたんだなぁ・・・
ちょっと現実逃避した私は普通だよね?・・・ね?




