お父様到着
学園長室でエリカ嬢の退学を知らされた翌日、リリウム様は早々に王宮へ一時避難することになりました。
今日からジェリク様と一緒に登下校をすることになってます。
リリウム様は全てが片付くまで王宮で過ごすことになり、一緒に過ごす時間が大幅に増えたジェリク様は朝からウキウキMAXです。
今までは学園にいる間と、王宮での催しで婚約者として出席するとき位しか一緒にいられなかったのだから仕方がないのかもしれませんね。
ただ、事情を知らないクラスメイトたちがドン引きしてますけどね(笑)
ちなみにリリウム様はそんな状態のジェリク様を見て見ぬフリをしています。
全力でスルーしてます(笑)
「あの・・・リリウム様?ジェリク様のこと放っておいてよろしいのですか?」
「大丈夫ですよ、マリア様。クラスの方々にはご迷惑をおかけして申し訳ないのですが・・・」
そっとリリウム様が瞼を伏せると、ジェリク様がいつもの状態に戻りました。
それを見ていたクラスメイトたちも一安心(笑)
「ね?大丈夫でしたでしょう?」
なんということでしょう!リリウム様は13歳にてすでに異性を手のひらの上で転がしてます!
ジェリク様ゴロゴロ転がされてますよ(笑)
まぁ、本人たちがいいなら周りがとやかく言う事ではないかな。
リリウム様が一時避難している間は、サフィール侯爵家に行くことはありません。
その間はラジェル様とお会いすることが出来ないかと思っていましたが、学園がお休みの日になんとラジェル様の方から屋敷に会いにくれました。
「マリア嬢、久しぶりだね」
「お久しぶりです。ラジェル様」
お互いに挨拶を済ませると、サロンへと移動します。
さり気なくエスコートされてドキドキしてしまいます(照)
なんとなく恥ずかしくて婚約の話しは、お互いにしないようにしてます。
ラジェル様は、私がお父様にどのように返事をしたのか、気になっているけど怖くて聞けないといった雰囲気です。
他愛ない話しをしていると、お兄様がサロンへと入ってきました。
「ラジェル殿。お久しぶりです。本日はお越しいただきありがとうございます」
「サリエル殿。お久しぶりです。今日はお招きありがとう」
んん?お兄様がラジェル様をお招きしたの?
なんで?
一人状況がよく分かっていない私を置き去りにして二人は当たり障りのない話しをしています。
そんな中、急に屋敷の玄関付近が騒がしくなってきました。
ラジェル様以外にお客様の予定なんて無かったよね?
若干混乱気味になってしまいました。
バタバタと足音がしたと思ったら、サロンの扉が勢いよく開かれました。
扉の方を見るとそこには、お父様の姿がありました。
「まぁ!お父様!そんなに急いでどうされたのですか?」
「マリア!サリエルからの手紙を読んだ。本当に良いんだね?後悔しないね?」
ちょっ・・・お父様!?切羽詰りすぎでしょう?
お兄様からの手紙ってことは、婚約のお返事についてでしょう?
今、ここに当事者が揃ってるのわかってるのかしら?
・・・・・・イヤ。恐らくお兄様もラジェル様もお父様の視界には入っていませんね。
お父様のあまりの勢いに返事が出来ず、ワタワタしてしまった私は悪くないはず。
お父様の後をゆっくりと追いかけてきたお母様がマリエルと一緒にサロンに入ってきました。
「あなた。それくらいにしたらいかがです?お客様の目の前で失礼ですわよ?」
「客?」
そこでやっとラジェル様がいらっしゃる事に気づいたお父様。
固まってますね(笑)
そしてお兄様はお父様が登場してからのやり取りを見て、ちょっとニヤニヤしてます。今日、お父様たちが王都に到着することを黙ってたんですね。
「お久しぶりです、フローライト辺境伯。新年祝賀会以来ですね」
「ラジェル殿。久しぶりだな。新年祝賀会ではマリアが世話になった」
「お気になさらず。私も、マリア嬢がパートナーになって下さったおかげで、大変助かりましたから」
「そうでしたか」
「父上、母上。今、到着したばかりです。お疲れでしょうから、まずは旅塵を落としてから、ゆっくりとみんなでお話ししませんか?」
「そうね。そうしましょう。あなた、マリエル行きましょう」
お母様に連行されるお父様・・・大丈夫だよね?
ちょっぴり心配です。
「ラジェル殿。驚かせてしまって申し訳ない」
「まさかフローライト辺境伯が王都へ来るとは思わなかったよ」
「そうですわ。お父様たちが今日、王都へ到着することをなぜ教えて下さらなかったのですか?」
「近々、父上が陛下に報告すると思うって、決闘後に陛下にお伝えしたのを聞いていなかった?それに先日、学園長室でも父上たちが王都に来る予定だって言ったよ?」
・・・・・・あっ!確かに言ってた!
でも、いつ来るのかは言ってなかったよね?
ジトッとお兄様を見つめていると、ラジェル様から
「ということは、フローライト辺境伯から直接お返事を聞かせてもらえるということかな?」
「はい。流石に婚約についての返事は当主である父上からサフィール侯爵と陛下へご報告しなければなりませんから。学園がお休みの日以外でラジェル殿を屋敷にお呼び立てするのは難しいですし、返事を持たせた早馬が父上からの返事を持ってきたのですが、そこには今日マリエルたちを連れて王都に到着する予定で領地を出発すると書いてありました。私は直接父上と会ったときのラジェル殿の反応を見てみたかったのです。ですからマリアにもラジェル殿にも父上たちが王都に到着する日を伝えなかったのです」
反応が見たかったからって・・・それは失礼すぎやしないかい?
そして、父上と私のやり取りを笑って見ているだけって・・・
これは、お兄様にも婚約者候補を探して欲しいとお母様・・・にお願いしないといけませんね?




