アノ人は今?
これ以上、私の婚約者についてを話題にされるのはゴメンですので、ジェリク様にずっと気になっていたことを質問してみましょう。
もちろんニッコリ笑顔付で(もちろん目は笑っていませんよ)
「ところでジェリク様。質問がございますが、お答えいただけますか?」
「あ・・・あぁ。私で答えられる内容なら・・・」
ちょっとビクッてしましたね?(笑)
ジェリク様ビビリすぎでしょう~リリウム様がちょっぴり笑いを堪えているみたいですよ?
「まぁ。ありがとうございます。私がお伺いしたいのは、決闘当日にボーナイト騎士団長様と陛下を怒らせた令嬢の処遇についてなのですが・・・」
「あぁ。その件については今日の放課後、サリエル殿とマリア嬢に説明しようと思っていたんだ。サリエル殿には学園長から連絡が行く予定だよ」
「本日の放課後ですか?では、お兄様と学園長室にお伺いすればよろしいのでしょうか?」
「そうだね。その席には私とリリウム、あとアランとライアン殿も同席予定だよ」
「・・・ある意味関係者のみ。ということですわね」
「まぁ、そうなるかな。例の発言が学園内ではなく王宮で発せられたから、問答無用で処罰対象だね。父上が学園長を呼び出して処罰内容を話し合ってたし」
「確かに、そのようなことを仰っていましたわね。・・・お兄様の決闘騒ぎに続き、学園長と先生方にはご迷惑をおかけしてしまって申し訳ないですわ・・・」
ジェリク様とリリウム様の同情するような眼差しが辛い・・・(泣)
クラスメイトたちは一体何のことなのか?と不思議そうにしていましたが、1・2学期通してエリカ嬢が騒動を起こしていたことに思い至ったのか『あぁ・・・もしかしてアノ令嬢のこと?』といった感じです。
どうにか今日一日の授業をこなして、お兄様がクラスへ来るのを待ちます。
リリウム様と一緒におしゃべりをして待っていると、廊下がざわついています。
そのざわめきが段々とクラスへと近づいてきます。
お兄様がお迎えに来るときはいつもこんな感じです。
「マリア様。そろそろサリエル様がお越しになるようですね」
「そのようですね。廊下が騒がしくなるのですぐに分かりますね」
リリウム様ったら、そんな天使の笑顔をしたらジェリク様がジェラッってしまいますよ?(笑)
現に、すぐ隣でアラン様と話していたジェリク様が、リリウム様の笑顔に見惚れているクラスメイト男子を視線で威嚇していますからね(笑)
しかし、今日の騒々しさはいつもの数倍は騒がしいな。何でだ?
お兄様がクラスに到着したら、その原因がわかりました。
ライアン様が一緒だからです。
・・・学園長室前で合流するくらいなら、騎士科の後輩であるライアン様と一緒にくるのもわかりますが、お二人はつい先日決闘したばかりですよ?
しかも、今日の学園内はその話題で持ちきりだったというのに・・・
「ジェリク様、アラン殿、リリウム嬢。お待たせいたしました。学園長室へ参りましょう」
「サリエル殿、ライアン殿。わざわざ普通科まで来てもらって申し訳ない」
「ジェリク様お気になさらず。私はいつもマリアを迎えに来ていますから、これくらい何てことないのですよ」
「そう言ってもらえるとありがたい。では、学園長室へ行こうか」
「「「はい」」」
ゾロゾロと学園長室へと向かいます。
私はなぜ、この時に気づかなかったのか・・・
自分の鈍感さ加減に凹みます・・・orz
そう。同席するのは『私、お兄様、リリウム様、ジェリク様、アラン様、ライアン様』のみで、エリカ嬢の名前が出ていなかったのですよ。
なぜ、朝ジェリク様とのお話しで気づかなかったのか・・・
あまりにも残念すぎる自分に泣きそうになりました。




