決闘当日 その1
そして、気づけば決闘当日です。
学園では、今日までざわつきました。先生方・・・申し訳ない(汗)
お兄様は、私に応援に来て欲しいって言ってたけど、正直私は行きたくない。
騎士科の生徒たちは、まぁ許容範囲内なだけど、現役騎士様にまで面割れするのは・・・
それに、騎士団長が挨拶したいとか言ってたみたいだし。
お兄様にそれとなく行きたくないと伝えたら、めっちゃ悲しそうな顔されました。
騎士団長が私に挨拶したいと言っていることを伝えても悲しそうな顔のままでした。
・・・・・・お兄様が負けてしまうと、自動的にライアン様の婚約者にされてしまう可能性が高いので、絶対に勝ってもらわなければならないのです。
「・・・・・・わかりましたわ。お兄様の応援に行きます」
「っ!!ありがとうマリア。今日は絶対に勝つからね!!」
めっちゃ良い笑顔ですね・・・
そんなやり取りをしていると、私とお兄様のお迎えにリリウム様とラジェル様が来ました。
何でラジェル様まで?
顔に出ていたのでしょう。クスクスと笑いながら説明して下さいました。
「サリエル殿からお手紙を頂いていたのですよ。マリア嬢が当日王宮へ行くのを嫌がる可能性が高いので、リリウムと一緒に迎えに来て欲しいと」
あぁ・・・元々応援に行かないという選択肢が無かったのか・・・(涙)
そして、リリウム様とだけなら問題ないのに、ラジェル様が一緒に行くということは私のエスコートはラジェル様になる・・・と。
随分とラジェル様に協力的だけど・・・お兄様はラジェル様に何か弱みでも握られているの?
今日、屋敷に帰ってきたら聞いてみよう。
王宮までリリウム様のエスコートをお兄様が。
私のエスコートをラジェル様が。
王宮に馬車が到着すると、リリウム様のエスコートは到着を待っていたジェリク様へ。
お兄様は準備があるということで、王宮の侍従に案内されて別行動です。
私たちは何故か陛下と王妃様それにロベリア様とアラン様がいる応接室へと通されました。
・・・陛下たちがもんの凄い良い笑顔です。
「マリア嬢。ラジェル殿。二人とも新年祝賀会以来だな」
「陛下。王妃様。お久しぶりでございます。本日は騎士団訓練場の利用を許可してくださりありがとうございます」
「とりあえず、立ったままというのもな。皆座りなさい」
何故か、ラジェル様と並んでソファに座ることになってる・・・
仕方がないのかな?1組の夫婦と2組の婚約者じゃ・・・
「まずは、マリア嬢。ロベリアの我侭に付き合わせてしまって申し訳なかったな」
「いえ・・・学園での開催では先生方の負担がとても大きいようでしたので・・・それに学園中の生徒たちの注目をこれ以上集めるのも・・・」
そう・・・そうなんだよ!!これ以上注目の的になりたくないんだよ!
静かな学園生活を送りたいんだよ!!私は!
「ふむ・・・ジェリクとアランから聞いてはいたが、それほどまでに注目されていたのか?」
「はい・・・休み時間のたびに、普通科の他クラスの生徒や先輩方がクラスに来ます・・・先生方は各クラスに戻るように言ってはいたのですが、やはり普通科生徒は今日の見学が出来ないので、何とか関係者として一緒に行けないか?と」
「?普通科の生徒はジェリクとアランそれにリリウム嬢とマリア嬢だけということか?」
「はい。後は騎士科の生徒のみのはずですが・・・」
「・・・おかしいな。先ほど訓練場を警備している騎士より、学園の制服を着た女生徒が一人観覧席にいると報告を受けたが?」
「「「「えっ!?」」」」
あれ?何でリリウム様、ジェリク様、アラン様全員驚くのです?
え?え?ちょっと待って!誰がその女生徒を入れさせたの!?
何だかイヤな予感というか、嵐の前の静けさのような・・・
皆、同じ様に感じたらしく重~い空気になってしまった・・・
その時、応接室の扉がノックされました。
まだ、誰かくるの?と思ったら、陛下が入室の許可を出します。
「マリア嬢は初めて会うな?騎士団長のファルコ・ボーナイトだ」
「お初にお目にかかる。騎士団長を拝命しているファルコ・ボーナイトと申す」
「初めまして。フローライト辺境伯ギルフォードが長女、マリアと申します。以後お見知りおきください」
新年祝賀会でラジェル様と踊っていた時にめっちゃ見られてたの、ラジェル様言ってない?
今日、王宮に行きたくない理由ナンバー1が目の前にいる(泣)
もう既に帰りたくなって来ちゃったよ・・・




