表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら乙ゲーのモブでした  作者: おかる
入学編
2/80

ストーリーが始まる

前世での私の名前はサトウマリアという。

大学卒業後に就職した会社で営業部に所属していて、営業成績もまぁまぁ。

10歳年の離れた妹がいた。年が離れているからか私は妹を溺愛していた。

高校生になった私はバイト代のほとんどを妹が欲しがるゲームや本に貢いでしまうくらいに。

妹も私にとても懐いてくれていて、お休みの日には一緒に出かけたり、妹が嵌っていたゲームに付き合ったりと充実していた。

彼氏がいた時もあったけど、妹最優先の私に彼らは呆れてしまったのか、

「他に好きな子ができた」

と振られるか

「俺と妹とどっちが大事なんだよ?」

という愚問に自分から別れを切り出すことも。

私が事故で亡くなった時は彼氏という存在はいなくって両親を心配させてたっけ。


事故にあう前日の夜も、妹が乙女ゲームをしていた。

たまたま、妹が学校から帰る途中友人たちと話していたのを聞いてしまった

『私のお姉ちゃんは世界一のお姉ちゃんだよ!!だって、私の事をとっても大事にしてくれるんだから』

という言葉に私は嬉しすぎて妹に声をかけられなかった。

妹が欲しがっていたゲームをプレゼントしようと、営業先近くのゲーム取扱店をはしごして同僚に呆れられてしまったのは良い思い出。

豪華な声優陣と綺麗なグラフィックで人気の高かったそのゲームは中々見つからなかったけれど、ようやく見つけた時は嬉しかった。

そのゲームをプレゼントした時の妹の笑顔は世界一!いや宇宙一可愛かった。

ゲームの人気から、小説にもなったから、もちろんそれもプレゼントした。

感想を聞かれるから、その小説を読む私の横で妹はゲームをしている。

私の一番の幸せな時間。

それが奪われてしまったのがとても残念だった。


前世を思い出すと落ち込んでしまうけど、今世の家族も大事。

辺境伯である父と、忙しい父を支える母。

優しい兄弟と、使用人と領民たち。

幸せだった。

本当に前世を思い出すまでは・・・



辺境伯家の令嬢である私は王子妃にもなれるが、家族はそんな事を望んでいない事を知っている。

王宮でのドロドロとした人間関係をイヤと言うほど知っている両親は王妃主催のお茶会に参加するのを渋っていたが、断りきれずに参加する羽目になってしまってその日が近づく毎に鬱々としたオーラを撒き散らしていた。それも両親揃って。

私が、お茶会で倒れたのを口実に、第2王子妃候補を辞退したと聞いたのは熱が下がってから。

領地で家族を過ごして一ヶ月ほどしてから、第2王子の婚約者が決まったと王家が公布した。

その令嬢の名前を聞いて、私は前世で妹がプレイしていた乙ゲー世界に転生したと気づいた。

ありがたい事に私はモブ令嬢。

ただし、困った事が一つだけある。

ヒロインが逆ハーエンドを迎えると開放される隠し攻略キャラ。

それが次期辺境伯ある私の兄。

2歳しか年が離れていないので、学園の在籍期間が数年とはいえ被るのだ。

ヒロインが逆ハー形成後、第2王子の婚約者である侯爵令嬢を断罪すると登場するキャラだったはず。

正直いって、兄には可愛いお嫁さんを貰って欲しいのでヒロインにはぜひとも逆ハーを形成しないで頂きたい!!切実に!!

だから私は前世を思い出したあの日から、事あるごとに両親や兄に学園では普通科ではなく騎士科に進んで欲しいとお願いした。

令嬢は普通科オンリーなので、少しでもヒロインとの接点を少なくしたかったからだ。

辺境伯という家柄からか、両親も兄も私のお願いを聞いてくれて兄の騎士科進学が決まった時は滂沱の涙を流して心配させてしまったのも今となっては良い思い出。


兄が入学してから2年後に私も、学園に入学した。

これから乙女ゲームのストーリーが始まる。

兄が巻き込まれないようにヒロインをひっそりと監視しないとね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ