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転生したら乙ゲーのモブでした  作者: おかる
休暇編
17/80

夜会にて その2

サフィール侯爵の爆弾発言からどうにか立ち直りました。

正直、もう帰りたくなりました・・・お父様もかなりお疲れの様子。

でも夜会は始まったばかり。しかも国王一家はまだ会場に現れていませんから帰れません。

陛下たち早く登場してくれないかなぁ~ダンスを一曲踊ったら帰れるのになぁ~

なんてぼんやりしていたら、陛下たちの来場を告げるラッパが鳴りました。

あと少しで屋敷に帰れる!!

陛下と王妃に続いて、王太子を始めとする王子や王女がパートナーと共に入場しました。

ジェリク様にエスコートされるリリウム様マジで綺麗だわ~


国王の夜会開催の挨拶をそっちのけでうっとりとリリウム様を見ていると、隣からクスクスと笑う声がしてきます・・・

リリウム様のお兄様のラジェル様ですね。


「マリア嬢は夜会は初めてですよね?」


「はい。私は学園に入学したばかりですし、今回の夜会もジェリク様からの招待がなければ参加はできませんでした」


「では、マリア嬢。私に貴女のファーストダンスのパートナーを務める栄誉を下さいませんか?」


えっ!?ダンスしなきゃダメ?ダンスが始まったらリリウム様の所に避難するか、両親のダンスが終わるまで壁の花になろうと思ってたのに・・・


「えっと・・・よろしくお願いします・・・?」


「・・・疑問系なのがちょっとひっかかりますが・・・ではマリア嬢。ダンスに参りましょうか?」


「はい・・・」


渋々ですが、ラジェル様にエスコートされてダンスの輪に加わります。

うぅ~夫人たちは生暖かい目で見てるし、令嬢たちはキッツイ目で睨んでくるし・・・

ヤダナ~帰りたいな~令嬢たちはこっち見てないでさっさとパートナー見つければ良いのに(涙)

あれ?リリウム様とジェリク様が驚いた顔でこっち見てる・・・

あっ!陛下と王妃様もだ!

そりゃそうだよなぁ~今までラジェル様とは面識なかったのにダンスしてるんだもんなぁ~



ようやくダンスを終えて、輪から外れると早速リリウム様とジェリク様、それにアラン様が第2王女と一緒にこちらに向かってきました。

もぅヤダ~注目されたくないよ~私の精神力持たないよ~(泣)


「マリア様。お兄様。一体これは・・・」


「あぁ。リリウム。先ほど、マリア嬢とは友人になったんだよ」


「「は?」」


ジェリク様とアラン様が同じリアクションをしましたね。

うん・・・分かるよ~私が同じ立場だったら同じリアクションしか出来ないと思うし。


「そうなのですか?マリア様・・・大丈夫ですか?ずいぶんお疲れのようですが・・・」


「あ・・・はい。大丈夫ですわ。リリウム様。ラジェル様が仰る通り、先ほどサフィール侯爵様にご挨拶した際に、ラジェル様とはお友達になりましたの」


「お兄様?一体ナニがあったのです?」


リリウム様がラジェル様を問い詰めています。ラジェル様は困ったような表情で先ほどの侯爵様とのやり取りを説明しています。


「マリア様をお兄様の婚約者に・・・確かにマリア様ならお兄様の婚約者に相応しいですわね。流石はお父様ですわね。ジェリク様もそう思いませんか?」


「そうだな。マリア嬢ならラジェル殿とお似合いの夫婦になるだろう」


やめて~それ以上は言わないで~婚約者じゃないし!!お友達ですよ!!お友達!!

えぇ~何か外堀埋められてきてない?お断りするなら早い方が良いっぽいなぁ~


「リリウム。それにジェリク殿下。まだマリア嬢と私はお友達ですよ。お互いに良く知り合ってからとマリア嬢が望んでいるのです。私もその考えには賛成ですしね」


「そうなのですか?」


「えぇ・・・まぁ。私の両親は珍しく恋愛結婚したので・・・私も結婚するなら恋愛結婚が良いなぁと幼い頃から・・・」


ナニこの羞恥プレイ・・・本当に勘弁して欲しい・・・(涙)

周りの夫人たちが聞き耳立ててるよ~いやだなぁ・・・新学期始まったら学園で凄い噂になってそう・・・

あっ・・・サフィール侯爵が陛下に何か話してるなぁ~そして陛下と王妃様がこっち見てウンウンと頷いてるよ~イヤな予感がヒシヒシとするよ~


その後、2曲ほどラジェル様とダンスをしてから、両親と一緒に屋敷に帰りました。

陛下と王妃様へ帰りの挨拶をしに行ったときに、微笑ましいモノをみる目で見られていたのは見なかったことにしよう!!



夜会から屋敷に帰ると、お兄様が出迎えてくれました。

マリエルはもう寝てしまったそうです。頑張って起きているんだと言っていたそうですが、睡魔には勝てなかったみたいです。ほんとウチの弟は可愛いなぁ~癒されるわ~


「父上、母上、マリアおかえりなさい。大分お疲れのようですね」


「あぁ・・・サリエル。今帰った。何も問題はなかったか?」


「はい。マリエルが先ほどまで起きて待っていたのですが、眠気が限界だったようで今はもう自室で眠っています」


「そうか。サリエル。悪いがこのまま書斎まで一緒に来てくれないか?」


「それは構いませんが・・・一体どうしたのです?」


「詳しい事は書斎で説明する」


「わかりました。母上、マリアお休みなさい」


「お休みサリエル」


「お休みなさい。お兄様」


私とお母様は自室へ。お父様とお兄様は書斎へと向かいました。

きっと、今日の夜会でサフィール侯爵が言っていたことをお兄様に話すのでしょう。

私よりも、お兄様にこそ婚約者が必要だと思うんだけどなぁ~

就寝準備を整えて、夜会でのことを思い返すと恥ずかしかったとしか思い出せない・・・

こうして私の初夜会は終わりました。

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