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転生したら乙ゲーのモブでした  作者: おかる
休暇編
16/80

夜会にて その1

ついにやって来てしまった夜会当日。

起きたくないよ~熱でないかなぁ~

なんて、運動会前の子供のような事を考えています。

お付の侍女に布団を引っぺがされ、浴室に連行されました。

まだ、お昼前なのに~・・・お母様は何だかウキウキしてるし~

お父様とお兄様はいつも通り。マリエルだけはちょっと不機嫌?

お兄様と一緒にお留守番だもんね・・・ゴメンね?

夜会でのサフィール侯爵からの爆弾発言がある事を知らない昼間の私たちです。



日が暮れ始めた時刻。私は両親を一緒の馬車で王宮に到着しました。

先に、国王陛下と王妃殿下、それにジェリク様とリリウム様へご挨拶するためです。

私的な謁見のため、応接間へ両親と共に案内されました。

応接間で待つことしばし。

陛下たちが入ってきました。

両親と共にソファから立ち上がり、学園でも練習している淑女の礼をとります。


「顔を上げて、楽にせよ」


おぉぅ・・・陛下の声渋い!ゲームじゃ陛下の声は出てなかったからなぁ~

顔を上げると、目の前には、美中年と言っても過言ではない男性と、ジェリク様にそっくりな美しい女性がいました。年齢的には美魔女?

ジェリク様のご両親ですね。つまりアダマンティ国王と王妃様。

・・・ジェリク様って母親似だったんだ~


「そなたがマリア・フローライトか?」


「左様にございます陛下。フローライト辺境伯ギルフォードが長女マリア・フローライトと申します」


・・・良かった噛まなかったよ!リリウム様と初めて挨拶したときは緊張のあまり噛んでしまって恥ずかしい思いをしたからなぁ・・・


「立っているのも何だから座りなさい。辺境伯たちも」


「「「失礼します」」」


全員がソファに腰掛けるのを待って陛下が話し始めました。


「ジェリクから聞いたが、リリウム嬢が冤罪をかけられそうになった時に助けてくれたそうだな。息子の婚約者を助けてくれた礼をしなければな」


「恐れ多いことでございます。それに、私はたまたま目撃した事を学園の先生に報告しただけでございますし、私が報告しなかったとしてもリリウム様が授業を受けておられたのは同級生も先生方もご存知でした」


「確かにリリウム嬢の冤罪はすぐに晴れただろうが、醜聞にまみれることになった。マリア嬢が教師にすぐに報告してくれたから悪い噂にならずにすんだのだ」


「そうですわ。マリア様が私を助けてくれたのです。あの時は本当にありがとうございました」


ひょぇぇ~一国の王様と王子の婚約者からお礼を言われてしまった!

えぇ~こんな時はどうすれば良いの~

オタオタする私を両親と国王と王妃が生暖かい目で見てる・・・

そしてジェリク様とリリウム様は笑いを堪えていますね?肩がプルプルと震えていますよ?

とりあえず、陛下たちのご挨拶が済みましたので、夜会の会場である大広間へと両親を向かいます。



流石、王宮の大広間。学園の大広間とは桁違いの豪華さです。

シャンデリアがキラッキラしてるよ!女性たちのドレスやお飾りはもっとキラッキラしているよ!!

眩しい・・・眩しすぎて目つきが悪くなりそう・・・

楽団が、ゆったりした音楽を奏でる中、両親と共に挨拶回りです。

・・・お母様なんでそんなに嬉しそうなんですか?

私は笑顔の仮面を付けて、頑張ります(笑)

しばらく挨拶回りをしていると、サフィール侯爵に声をかけられました。


「君がリリウムを助けてくれたマリア・フローライト嬢だね?」


「はい。初めまして。マリア・フローライトと申します」


おぉ~リリウム様のお父様だ。隣には侯爵夫人とお兄様より少し年上の男性が一緒にいますね。

リリウム様のお兄様かな?


「マリア嬢。リリウムを助けてくれてありがとう。手紙ではなく直接お礼を伝えたかったんだ」


「もったいないお言葉です。侯爵様。リリウム様は私の大切なクラスメイトです。それに、私は偶々目撃した事を先生に報告しただけですので・・・」


陛下に続いて、侯爵様からもお礼を言われてしまった。

「おぉそうだ。マリア嬢に紹介しよう。私の息子でリリウムの兄のラジェルだ」


「初めましてマリア嬢。ラジェル・サフィールと申します。リリウムを助けてくれてありがとう」


「ラジェル様初めまして。マリア・フローライトと申します」


「時にフローライト辺境伯。マリア嬢には未だ婚約者が決まっていないとか。マリア嬢さえよければラジェルの婚約者になってはもらえないか?」


はぁぁ!?ラジェル様と婚約?侯爵様急にどうしたの!?

お父様とお母様も状況に付いていけてないですよ!?

うわっ!しかも、まわりにいる貴族たちがめっちゃこっち見てる~やめて~ほんとにやめて~(泣)

注目されるのは、学園のクラスメイトたちだけで十分ですぅ~


「あの・・・サフィール侯爵?なぜ急にマリアをサフィール侯爵家の跡継ぎであるラジェル様にと?」


「うむ。ラジェルにも婚約者がおらぬし、ラジェルの嫁には他者を思い遣る心の持ち主を迎えたいと考えていたのだ。だが、縁談の申し入れをしてきた貴族令嬢では見つからなかったのだよ。そんな時にリリウムからマリア嬢に助けてもらったと話しを聞いてな。マリア嬢なら家格も釣り合うし、なにより巻き込まれるのを嫌がって黙っている事もできたのに、リリウムのために真実を教師に報告してくれた清い心を持っているからだな」


「はあ・・・左様ですか。ですが、マリアはまだ学園に入学したばかりです。婚約なんて早すぎるのではないかと・・・」


「ははは。リリウムは8歳のときにジェリク王子と婚約している。それに、同級生でも婚約者がいる女生徒は多いだろう?早すぎるということは無いと思うが?」


そりゃそうだわ。女生徒の半数は婚約者がいるもの。今はいなくても在学中に相手を見つける生徒もいるでしょうしね~。私は学生生活を満喫したいから、お父様に断ってもらっているんだし(笑)

お父様の旗色が悪いなぁ~サフィール侯爵が言ってることは最もだしなぁ~


「あの・・・侯爵様。よろしいでしょうか?」


「なんだい?マリア嬢」


「あの・・・お話しは大変光栄なのですが、父も申し上げたように私も学園に入学したばかりですし、私はラジェル様の事をよく知らないですので、婚約ではなくまずはお互いに知り合っていくのではダメでしょうか?」


「それは友人から始めたいという事かな?」


「そう解釈していただいて構いません。私は両親のように恋愛結婚したいと考えております。貴族ですので政略結婚も仕方がないとは思いますが、やはり幼い頃からの夢ですので・・・」


うぅ~恥ずかしい・・・衆人環視の中で夢とか言っちゃってる自分がこの上なく恥ずかしい・・・(泣)

そして侯爵様・・・珍しいモノを見つけたみたいな目で見ないで~

うぅ・・・侯爵様笑ってますね?肩がプルプルしてますよ?


「そうか。ラジェルどうだ?まずはマリア嬢とお友達からお付き合いさせてもらっては?」


「私は構いません。自分の考えをきちんと相手に伝える事が出来る令嬢は早々いませんからね。私としてもお互いのことを良く知ってからの方がありがたいです」


「では、まずは友人からということでよろしいかな?」


「はい。我が侭を言って申し訳ございません」


「いやいや。しっかりとした考えをお持ちだ。では辺境伯もそれで良いかな?」


「・・・娘がそれで良いのなら、私共は反対いたしません」


何だかお父様ががっくりしてますね。別にすぐに婚約とか、卒業したら即結婚って言ってる訳じゃないのになぁ~そしてお母様は嬉しそうですね・・・

はぁ~何だか疲れたなぁ・・・もう帰りたいな・・・夜会始まったばっかりだけど・・・

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