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勝間達の現状と危うい事態

ティルキアの執務室で作業を行っていた慎吾が、展開していた魔方陣を解いた。

先程までの輝きが薄れていく中で、慎吾の手の上に1つの宝玉が乗る。


「ヨシッと・・・」


宝玉の状態を確認して、慎吾はそれをティルキアへと差し出す。


「これで、シルヴィの力を使って転移できるようになったぞ」


慎吾の説明に、ティルキアは改めて宝玉を見た。

前に受けとった宝玉と、それほど大きな変わりはない。

あえていうなら、宝玉の色に深みが増した程度か。


「あまり、変わったような感じはしませんが・・・」

「まあ、宝玉の方で何かするってわけじゃないからな。どちらかっていうと、転移用のマーカーを付けたって感じだ」


首を傾げるティルキアに、慎吾がそう答えた。

先ほどの作業は、宝玉に転移の基点としての機能をつけるための物だ。

宝玉事態は、前の宝玉と何ら変わりはない。


「なるほど・・・」

「その宝玉が転移の基点になるから、街から持ち出した場合でも問題ないよ」


頷くティルキアに、シルヴィがそう付け足す。

シルヴィの転移は、宝玉ある場所に飛ぶというものだ。

もし宝玉がティルキアの手から離れていても、転移自体には全く支障はない。

もし宝玉をマグマに落としたところで慎吾達が転移すれば、転移先はマグマの中ということになる。

下手をすれば、即席の処刑装置の完成だ。

まあ、慎吾達がマグマに落とされた程度でどうにかなるとも思えないが。


「後は、バラディスのおっさん用の宝玉か・・・。まあ、明日にはできるかな」


そう言って、慎吾は面倒そうにため息をつく。

今後勝間達がビランツァを出れば、ビランツァに宝玉を持っている者が居なくなる。

そのため、バラディスに宝玉を渡すことにしたのであった。

あの宝玉は、シルヴィの力を球の形に押し止めた物だ。

いくら作ったところでシルヴィに悪影響はないが、作り出すのにいささか時間がかかる。

今の慎吾で、出来上がるまでおよそ2日。

その間、定期的に力の流れを調整しなければならない。

慎吾のため息は、それが面倒だったからだ。

考えても仕方がないので、慎吾は話題を変えることにした。


「で、勝間達はどんな感じだ?」

「そうですね・・・。順調に強くなってはいますよ?」


慎吾の質問に、ティルキアは考え込むように答える。

勝間達が冒険者ギルドに入って、およそ1ヶ月。

今のランクは、そろそろ『4』になろうかと言ったところだ。

ビランツァのギルドでは、期待の新人として注目されている。


「ただ、2人とも少し焦ってるみたいですけど・・・」

「あー・・・。俺のせいかな?」


少し言葉を濁すティルキアに、慎吾は頭を掻いた。

異世界の住民であるエレイナと違って、慎吾は地球で居た頃は勝間達と同じ一般人だ。

その慎吾が今では強い力を持っている事に、焦りを抱いたのだろう。


「まあ、戦闘に支障が出る程じゃありません。多少の焦りも必要でしょうし」


少し反省する慎吾に、ティルキアはそう言った。

そして、話題を変える。


「この話は、ここまでにしましょうか。今度は、あなた達の話を聞かせてください」


ティルキアはそう言って、小さく笑う。

ティルキアの言葉に頷いて、慎吾達はビランツァを出てからの話を始めた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


慎吾とエレイナがティルキアの執務室に向かって、およそ1時間


屋敷の食堂に入った慎吾とエレイナは、目の前で起こっている事態は目を丸くしていた。


「えっと・・・。こりゃ、どういう状況なんだ?」

「私に聞くな。どうやら、シームが事の中心らしいが・・・」


慎吾の質問に、エレイナがそう返す。

食堂のテーブルの近くでは、勝間と美香がシームと向かい合っていた。

ミーリャは、美香の後ろ。

面倒そうなシームに対して、勝間達の表情には余裕がない。

状況が掴めずに困った慎吾は、勝間達の近くで見知ったメイドがオロオロしているのを見つけた。


「あ、シンゴさんにエレイナさん・・・」

「リヒーシャさん、これってどういった状況なんですか?」


明らかにほっとした様子のリヒーシャに、慎吾は勝間達を見ながら質問する。


「私にも、さっぱり・・・。シームさんとショウマさん達が話している途中で、いきなり」


慎吾の質問に、リヒーシャは本当に困ったように答えた。

その時、慎吾の姿を見つけた勝間が2人に近寄って来る。


「慎吾!」

「勝間か、どうした?」


真剣そうな顔をする勝間に、慎吾は怪訝そうに返した。


「彼女が魔王っていうのは、本当なのか?」

「は?」


少し固い口調の勝間の質問に、慎吾は少し目を丸くする。

そして、素早くシームに目線を向けた。

それに対して、シームは少し目線を反らす。


「つい、口を滑らせてしまってな・・・」


シームの言葉に、慎吾はため息をついた。

そして、勝間の方に向き直って口を開く。


「・・・ああ、本当だ。とは言っても、この世界の魔王とは全く関係ない。それだけは、保障する」


心配そうな勝間に、慎吾はそう言いきった。

リーンヘイムの事については、長々と説明するつもりはない。

勝間と関係がないことさえ伝われば、それで良いのだ。


「もし、彼女が原因でこの世界に何かあったら?」

「その時は、俺が責任を持ってシームを倒す」


美香の質問に、慎吾は即答する。

これは、シームを仲間に入れた時に決めたことだ。

その様子を見て、勝間はため息をつく。


「・・・分かったよ」


勝間のその言葉に、慎吾は安心したように息を吐いた。


「それにしても、無茶したもんだな。もしシームが堪えてなかったら、今ごろお前達消し炭だぞ?」

「・・・え?」


思わず漏らした慎吾の言葉に、美香が驚く。


「元とはいっても、シームは魔王だ。実力もそれなりだって、分かるだろ?」


慎吾の説明に、勝間達ははっとしたような顔をした。

おそらく、シームが魔王だと知って反射的に動いたのだろう。


「だいたい、エリーと同じくらいの実力はあるぞ?」


慎吾の言葉に、エレイナが頷く。

それを見て、勝間達は顔を引き攣らせた。

エレイナが相手だと、勝間達3人が全力で戦ってどうにか互角といったところだ。

それと同じくらいということは、無手の状態で敵う相手ではなかっただろう。


「ほんと、シームが堪えてくれて良かったな?」


肩をすくめる慎吾に、勝間達は心のそこから頷いた。

すいません、ちょっと遅れました!

いろいろ言いたいことはありますが、割愛。

次回は、勝間達の成長が見られます。

では、また次話。

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