開始
「完全犯罪とか、不可能犯罪って存在すると思う?」
ろうそくが一本立っているだけで、他は暗闇に包まれている空間に少年の声が流れる。
「私はありえると思うよ。・・・・・・世界でほんの数十人の人々によって、だけどね」
少女の声が流れる。
「そうだな。・・・・・・じゃあ俺たちが挑戦してみるか」
さきほどと同じ少年の声。
「賛成! やろやろ!」
オーケーという声や了解、といった少年たちの声がその声の後に続く。
「ええ! 私は反対。このまま皆で一緒にいたいもん」
うんうん。という少女たちの声が少年たちの声を押し戻す。
どうやら、少年たちは賛成派で、少女たちは反対派のようだった。
「やろうよ! きっと楽しいよ!」
少年の声に、暗闇に佇むろうそくの灯が揺れる。
「わかった。・・・・・・でも、やるからには本気でやるからね」
数秒の静寂の後、少女の1人が呆れ声を含みながら答える。
その声に何人かの少女が「え~!」といういかにも嫌そうな呻き声を上げるが、その後の少年たちの説得によって「わかったわよ」とこちらも嫌そうな声で合意する。
「やった! じゃあ早速準備しないと!」
少年の歓声。
その後、暗闇にその少年の足音と思しきものが響き、キィィィィと甲高い音を鳴らす扉の開く音。それと共に月の光が暗闇に差し込む。そして、扉が閉まると同時にその光は闇に包まれる。
少年数人と少女数人は、一度息を吐くとそれに続くように月光を暗闇に導き、そして吸い込む。
再び暗闇に包まれた空間に残されたろうそくの灯は、風が無いのにゆらゆらと揺れ、そして――――――音も無く消失した。
事件ものですけど事件ものじゃないです。
超能力でてくるので・・・・・・・。
少し更新が遅いと思いますがぜひ次も読んでください。
次に本編が始まりますので・・・・・・・。