表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

1-5 別離

今後はお昼の12時に投稿予定となります。

タロー達が本拠地を構えてこの地にて3年が過ぎようとしていた。

それなりに力を強化しながら現在EランクではあるがDランクも狙える状況になっていた。3年間慣れ親しんだ町ではあったが、更なるレベルアップを狙い他の町への移動も視野に入ってきたのだ。


「この町は良い場所だが欠点としては魔物が比較的に少ないという問題がある、、」

「・・ああ 確かに街道や近場での魔物の出現が殆ど無いよな」

「住んでいる人々にとっては恵まれてはいるのでしょうけど、冒険者家業としてはね、、、」


魔物を狩るには森の中へと入る必要がある、逆に言えば他の場所では魔物狩りの効率が著しく悪い事となる。


「・・何処か考えている場所はあるのか?」

「タロー 良い質問だ、冒険者仲間に何度か問い合わせた結果 辺境伯領に行こうと思っている」

「・・・ああ ダンジョン狙いか?」

「そうだ あそこは初・中・上級と3つのダンジョンを抱えているんだ」


いい考えだろうと胸を張るバジルであった。


「つまり、、それぞれのパーティレベルに合わせての活動が可能なのね?」

「・・成る程 いいじゃないか 何時移動するんだ?」

「・・・・・・」


そんな中で一人考え込む男がいた。


「タロー どうしたんだ?俺の考えに納得できないのか、、」

「・・いや そうではないんだが、、後で少し話したい事がある」


魔物狩りの帰路にて活動場所移動についての話し合いが出て、一人浮かぬ顔をしているタローを他の者達は少し心配しながらも宿屋へと急いでいく。



「バジル 少し場所を変えて二人で話したい、、」


夕食を終えて人心地着いた時にタローとバジルが隅の無人テーブルへと移動していく。


「・・此処にしようか? で 話しとは何なんだ 例の移動の件か?」

「・・ああ 其の件だ、、実は俺はここに残ろうかと思っている、、、、」


タローからの提案に驚いた様な顔でその理由を尋ねる。


「どうしてだ?俺達はこう言っては何だが他の同じ15歳と比べてもかなりの実力にて、もう直ぐDランクも間近だ。これから先が楽しみな状況じゃないか?」

「・・お前達はな、、お前も少し気づいていると思うが、俺は次第に足手まといな状態にある、、」

「そ それは、、しかしタローの実力は他の15歳より上だろう?」

「・・今はいい しかし このままDランク Cランクと上がっていけばパーティ内にて歪が出てくると考えるんだ」

「・・いやいや お前の空間魔法も倍の大きさに広がり、次のレベル3が楽しみな、、」

「それって 荷物持ちとしての期待か? それにな、、、」


タローは暫く沈黙してから一気に核心に向けて放しだす。


「それにな、、冒険者としてスキルの獲得がこの3年間まるっきり止まっているだろう?」


この世界努力を積み上げて行くと、それに対応して新しいスキルが手に入っていく。途轍もない高レベルのスキルは無理だが、其の人に合うスキルが自然に習得される。他のメンバーは元々のスキルから発展してのスキルを既に取得しているがタローだけは今だ当初のスキルから次の、、例えば剣スキルの取得等に恵まれていなかった。


「・・・少し遅れているだけで今後に、、、」

「何時まで待てばいいんだ?その間にはお前達は更に別のスキルが取得されていくのでは?つまり益々皆とのスキル格差が広がるだけだろう?そしてパーティ内での格差が更に広がる事は足手まといの度合いがより激しくなるだけだと思う。そして最終的に俺は皆の荷物運びになっていくだろう、、、」

「・・・いや 例えそうであっても一緒に村を出て、、、」

「バジル、、、俺だってこのままでもCランク迄はねばれると思うが、其の上はまず無理だ。そしてお前達はこの俺のCランクに合わせてずっと活動してくれるのか?」

「いや その、、、、」

「いいんだ 責めている訳じゃないんだ。お前達は今や若手のホープと成ろうとしている、Bランクそしてその上を狙う事も出来る筈だ。俺は何時までもこのパーティにいてはいけないと思う。単独で動くか他のパーティに入るかはその時次第だが、お前達は新しいパーティ員を募集して更に上を目指すべきさ。それともこのまま居てやがて喧嘩別れするのを待つつもりか?今なら俺はお前達の未来を祝福しながら笑って別れる事が出来ると思いついたんだよ、、」


タローからの提案に真剣に考え込むバジルであった、確かにこの所パーティでの戦闘時に少し不調和音が生じているのには気が付いていた。それに対して他のメンバーも敢えて考えない様にしていた事も事実であったのだ。

この地区での魔物レベルであれば多少の不調和音も黙殺できるが、更に高レベルの魔物に対してこの感覚のズレはとんでもない事故を招く可能性も考えられる。


「・・・せめてもう少し一緒に居てくれないか?」

「いや・・別天地に向かう今が一番の別れ時だと思うぞ、新天地に移動して早くいいメンバーを確保すべきだぞ。俺は大丈夫だ、少し考えている事もあるから当分のんびりと一人で生活できるからな」

「・・クララやバルトが悲しむぞ、、、」

「そんなの少しの間だけだ、いつの間にか現実に追われて俺の事など気にしなくなるからな、、」

「なぁ タロー、お前は時たま随分考えが大人びた時が昔からあるよな、、、」


 それはこの世界では15歳だが、前世では30歳までの記憶があるからな、、、、。


もう少し時間が欲しい、他の仲間と話し合いたい、、と一旦はこれ以上は無理と判断したバジルは結果を保留とすることにした。



「「何だって?タローがメンバーから外れるだと!」」


悩みに悩んでいたバジルが他の仲間に打ち明けたのは数日後の事であった。

この日タローは宿屋に帰りついた時に少し別件で用があると、仲間達との夕食を断って外出したのだ。

この所の少し暗い雰囲気を他の二人も感じていた、話す時が来たなとバジルは二人へ今回のあらましについて語り始める。


「・・どうして? 何故にメンバーから外すの?」

「落ち着けクララ、外すのではなく自ら身を引くと相談があったんだ、、」

「同じ事じゃない?何故なの?私は反対だよ!」

「まあまぁ クララもう少し内容を聞こうや、、、」


バジルはため息を吐きながら詳細に相談内容を話し始めた。


「・・うーー 嫌よ、私がカバーしてあげる、常に私達4人は一緒でなければ、、、」

「まてまて 気持ちは理解するが、、お前達も感じているだろう 戦闘時に時折連携のズレが発生する事が、、、」

「だからどうしたの?人間同士が完全に一致する事が不思議じゃないの?」

「・・・いや クララ、俺も少し感じていたがいつからか連携する反応にタローが遅れ始めていたな、、」

「誤差の内でしょう?今までその為に何も支障など無いわ!」

「・・タローと俺達の間にスキル差が原因で反応速度や技の速度等によるものと考えられる」

「・・だから 今まで何とかなっていたのだから、、、」

「無茶を言うな、、この地の魔物であれば対応もまだ可能だが、更に強敵と対峙した時にその少しのズレが致命傷にも成りかねん場合も今後あり得るんだよ」

「・・・それなら その時は戦闘に参加させずに、、、」

「・・荷物運び要員としたいのか?」

「・・・それは、、、」 


バジルにそこまではっきり言われると返答に困りだすクララであった。


「ふう、、、こう言っては何だが、俺達は前に進まなければならない。この地で止まる事は俺は考えてはいないんだ。それに何も一生会えなくなる訳でもない。少しだけ互いに進む道が分かれるだけの話だ、、」


そう説明しながらも依然胸の内のモヤモヤが消えていかない3名であった。




「タロー少し話があるの、夜に尋ねて行くから待ってて欲しい、、」


その次の日に宿屋に帰る途中でクララは小さな声でタローに呟く。


 はい?!


一瞬判断に遅れて何事と考えたが 恐らくはパーティからの離脱の件と理解して苦笑する彼であった。

今は大部屋から解放されて各自が個室対応になっているので夜の訪問も同室に迷惑がかかる事ではないが、このクララは幼い時より良く俺に懐いていたなと思い出す。

バジルから恐らくは昨夜に皆に相談があったのだろう、この勝気な彼女は思い込むと引かない事があるから少し心配の種ではあった。


夜も更けてタローのドアを小さくノックする音に気付く。

クララかな そう思いながら少しドアを開くと俯き加減の真剣な顔の彼女が素早く室内へと入り込む。


 あらあら かなりお冠な状態だな、、


何となく相手の状態が解り小さなため息を吐いたタローだった。

一つしかない椅子に彼女を座らせて彼はベットの縁に腰かけて向かい合う。


「・・・バジルから全て聞いたわ、本当に決心は変らないの?」


暫く無口であった彼女は眦を上げて彼を見つめる。


「・・済まんな 決定事だ、、今迄ありがとうな」


そう言って微笑むタローであった、もしかしたら泣き出すのかと心配しながらの対応であった。


「失礼ね、、もう子供じゃないのだから、泣いたりはしないわ」


そう言いながらも顔を赤くして涙を堪えている様に見える。


「そうか、、小さい頃は泣きながら俺の後を追いかけてきたからね、、」

「ち 小さい時と一緒にしないで、もう大人になったのだから、、でもね もう一度聞くけど決心は変らないのね?」

「・・・ああ 済まんな 変わらないよ」

「・・そうか 変わらないのね、、ならば 私を抱きなさい」


 へっ?! 何と言った? 聞き間違いか?


「何度も言わせないの 今夜だけ私を抱きなさいと言ったのよ!」


 ・・えーと この目は本気だよな? でも どうして?


「じれったいわね 私のこと好き?」


 はい、、そうですね、、、


「自分で言うのも可笑しいけど、結構いい女に育ったと思わない?こんな女を抱けて幸せだと心底感じて欲しいの。そしてもう二度目は無いのよ これから先悶々として一人で懐かしみなさい」


そこまで言うと呆気に取られていたタローの前でいきなり自分の服を脱ぎだしていく。


「ま まて、、本気なのか?」

「当たり前でしょう これから先私達はBランクそしてAランクへと必ず上がっていくわ。つまり今後は私は皆から高根の花と羨ましがられる存在になるのよ。そんな女を抱ける最後のチャンスよ、さぁ 早く服を脱いで私を抱いて」


 本気なんだ?! 呆気にとられるタローを尻目に彼女は裸体へとなり彼の目の前に曝け出す。


「・・もう 恥ずかしいのだから何時まで見ているの?早くタローも服を脱ぎなさい」


じれったくなったのか彼女は近寄ると彼の服を脱がし始める。彼の前で形の良い豊かな胸が揺れていた。




「・・タロー 私の初めてをあげたのよ 感謝して忘れないで、、、」


すべての事が終わり彼に抱き付きながら彼女は耳元で恥ずかしそうにつぶやいた。


「ああ こんな俺に有難うな、、元気で頑張れよ 何かあれば連絡してくれ、必ず駆けつけるからな」


再び二人は強く抱き合いながら別れを惜しむ一夜を過ごしていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ