2-7 買い物三昧
度々申し訳ないですが、投稿時間を変更します。真夜中の0時がきりがいいと思いまして今回からこの時間帯に投稿いたします。
長い論争もようやく落ち着くところに落ち着いたようだ、明日も一日店屋巡りをして帰宅の準備をせねばならない。
「師匠、、まだ決まらないのですか?」
「うーむ この鍋の無骨さかあちらの鍋の独特なカーブ面にするべきか、、決まらん、、」
「二つとも買えばどうですか?お金は余裕があるのだし、、、」
「お前はな いいか、そんな考えで浪費癖がついて行くのだぞ?慎重に検討して悩むのが買い物の楽しみであろう?」
はぁ、、、どちらでも結構ですから早く決定しないと次の店の時間が、、、これだから師匠の買い物はいつも時間がかかる、、、
「むむむ いかん 考え込むと頭に血が昇って来る、、、」
この店での買い物がようやく完了すると、次の店へと足早に移動していく。
「師匠、、こう言っては何ですが、塩関係は森の岩塩を採取するのでは?」
「・・ああ その予定であったが、お前を一人にするのには不安がある。ここは少し塩を買い求めて置けばと、、、」
「・・・キャロルさん 森の岩塩は程度は良いのかい?」
「おう 店主、いい穴場があるんだ。ここで売っても決して引けは取らぬ岩塩だぞ」
「ほうほう、、興味があるね、どうだい 今度この町に来る時に大量に持ち運んではくれないか?品質によっては高く買うよ」
「そうか 店主!ふむふむ 品質次第だな?いい塩だぞ なぁタロー?」
「ああ あの岩塩は一味違うな、、きっと店主も気に居ると思います」
取りあえずこの店で塩を買い求めると、次回訪問時には森の岩塩を持ち込む手配を進める。
「ふぅ さぁ次ですよ次!」
「タロー なんでそんなに無駄に元気なのだ?少しお茶タイムをして・・・」
「駄目です 先ほどもお茶を飲んだでしょう?早くお店を回って買い物を済ませますよ」
店屋に入る度に長居をする師匠にとうとうタローが切れかかる、、
「うーむ 仕方ないか、、次は家具屋だ、古くなったベットを廃棄して可愛らしいベットへと、、」
はぁーー 次も時間がかかりそうだ、、タローは頭を抱える。
「師匠走りますよ?もう夕方です 最後の店が閉まる可能性があります、、」
「う うむ 仕方ないな、、ひとっ走りするか、、」
猛烈な速度で二人は最後の種屋 園芸関係店へと閉店ぎりぎりで入り込む。
「キャロルさん、、もう夕方だから手早くお願いしますよ、、」
店主の少し嫌な顔がこれまでの経験談であろうと推測するタローであった。
「わ 分かっておる、、この種とその種、、そしてあそこの種も欲しいな。 うん?これは新型のジョウロ?ほうほう なかなかいい出来ではないか、、ふむふむ 今迄の品より進化型か?亭主 これは今迄とどう違う?詳細を述べよ!」
顔を引き攣らせながら店主はあれこれと新型の品の良い点を並べ始めた、、、
「はぁー ジョウロの説明と質問で一時間か、、、師匠には感心するがあの店主は最後は涙目でもう勘弁して欲しいと泣きついていたよな、、」
最後の店での商品を虚空庫に入れ込むと長い一日がようやく完了となった。
疲れ果てた一日となったタローであったが、一番の加害者?である彼女は非常に上機嫌にて宿屋へと帰還する事になった。
「なぁ タロー、何か買い物で忘れ物は無かったかな?」
「・・特に思いつきませんが、もう時間切れですし無理に思い出さなくても、、、」
「あら また当分訪問できないし、忘れ物は困るのよね、、」
師匠の買い物時間がもう少し短く出来れば忘れ物対策も可能なのですけど、、
喉迄出かかった言葉を必死に飲み込むタローであったが、忘れ物が無いか必死に考え込む彼女の仕草が何か可愛く見えてつい微笑んでしまうが、ここで甘い顔は厳禁と顔を引き締めて、、
「師匠 もう直ぐ夕食の時間です、部屋にて少しゆっくりしませんか?」
歩き廻り立ち続けの一日であり彼は少しベットにてのんびりと体を休めたかったのだ。
「そうね 買って来た品を部屋で並べてみれば何か不足品が判明するかも?」
・・まだそんなに元気があるのですか?部屋に戻っても休める時間は無いな、、
深いため息を吐きながら急に重くなった足の動きに何度もため息を吐いた。
「さて 我が家にあの森に戻るわよ」
昨日に続き元気な彼女の後からタローは続いて移動開始となった。また何日かの森の移動に少し緊張はするが意外と足取りは順調に進んでいく。予定した4日目の昼過ぎに無事に隠れ家へと到着したのだ。
「うんうん 着いた 着いた!楽しかったね?」
辺境の町への買い出しが楽しかったのか、少しはしゃぎ過ぎな彼女に思わずついタローも釣られて微笑みを返して頷く。
後数十メートルで結界に到着する時に、突然彼女は何やら異変を感じて立ち止まり真剣なまなざしで周囲を探りだしたのだ。
「・・師匠 何か異常が?」
彼女の緊張感に反応して彼も頻りに周辺へと意識を飛ばしていく。
「・・そこね 出てきなさい!誰なの?」
突然ある方角に反応して大声で威嚇して反応を探りだした。
「・・ふん、、若い男と連れ添って注意力が散漫になっているかと思えば 流石だな、、」
彼女が凝視していた方角の森の奥から一人の人影がゆっくりと現れる。
「・・その声はゲルンね 何しに来たの?村のオサから頼まれたのかしら?」
近寄って来る男の顔や姿が鮮明になっていく、彼女とよく似た雰囲気の端正な顔の男が確認できた。
「ああ 偶にはお前がくたばっていないか確認して来いと命令されてね、、人族の町への買い出しか?ここで二日野営した 今日も帰らねば一旦村へと戻る予定だった」
「・・ふーん ご苦労な事ね、確認したならもう帰れば?」
「おい お茶でも飲ませろ 待ちくたびれた。言われなくとも明日には村へ帰る予定だ、、」
話しの流れが不明だが、どうも招かざる客の様な雰囲気がある。
「・・おい そこの坊主、武器から手を放せ。下手な動きをすれば殺す!」
突然に強烈な殺気が辺りを包み込む。一瞬にしてタローは身震いがして来た、まともに戦っても勝てる気がしないと判断したが、師匠の彼女に危害を加える気ならせめて一太刀でもと気力を充実させていく。
「・・いいのよ 有難う、武器から手を放して、、」
タローの心情を理解したのか彼女が優しく微笑む。
「ふん 弱いくせに女の前で体裁作りか?」
「ゲルン!! 余計な口は塞ぎなさい、、」
途端に彼女からこれまで味わったことのない強い殺気が前方の男へ向けて放出される。
「・・チッ 腕は衰えていないか、、判ったよ、お茶と一泊の宿ぐらいは持て成せ、、」
「・・・いいわ 付いて来なさい、、」
結界内へと彼女 タロー そしてこのゲルンなる者が続けて入り込んでいく。
「・・ふーん 暫く見ぬ間にこの敷地内も小綺麗になったようだな」
「そうね、、ほとんどが彼の労働力によるものだけどね」
「成る程、、するとこの小僧がお前の二人目の男と言う事か?」
「・・・口を慎めと言ったはずよ、、」
「・・あぁ 分かったよ、、、、、」
再び強烈な殺気がゲルンに襲い掛かり、彼は少し狼狽えてしまう。
「・・で 村の者達は変らずに元気?」
「そうだな、、グレン爺さんがとうとう召されたぐらいかな、、」
「・・そうなの 幾つぐらいだったの?」
「うーん 950歳ぐらいかな?本人も予てからもう生きるのにも飽きたと言っていたから、、まぁ大往生じゃないか?」
タローが用意したお茶を飲みながら互いの情報交換らしきものが展開した。
「・・まぁ お前は忌子だから、、それでも半分の500歳ぐらいは生きるだろう?」
「ふん 余計なお世話だわ、今の私は明日にも亡くなってもそれでもいいと感じているわ」
「・・・長く生きればいいと言うものでもないしな、、どう生きたかが重要か、、、」
「ああ あんたみたいにグズグズのんべんだらりと生きても価値なんかないだろう?」
「手厳しい事を、、確かにそれも一理か、、ああーー俺も村を飛び出そうかな」
「勝手にすれば?村を出て何をしたいの?」
「・・そうだな 手始めに どうだ俺と夫婦になって子を作るのは?」
「寝言は聞かないよ だれがあんたと夫婦だって?お 断 り だ!」
「ははは あっさりと拒否されたぜ、、」
そう言いながらチラリと台所にいて夕食の準備をしているタローをチラリと目線を向ける。
「・・なぁ まさかと思うが、また人間の男に興味など持たないよな?前回に懲りただろう?」
「ふん 急に小声になって何を言うかと思えば、、でもタローの方があんたより数倍好みだけどね」
「ひ ひでぇ言い方だな、、冗談だと思うが人族だけは止めておけよ、、」
「馬鹿かい あんた、先で十分に懲りたよ、、、」・・・・・
自分の話が出ているとは露知らず彼は懸命に夕食の料理をしていた。
「・・じゃ 俺は帰るわ、オサ達にはいつもの通り適当に答えておくぜ、、」
翌朝早く出発の準備を終えた彼は玄関前で彼女にそう伝えると足早に消え去っていく。
「あの、、前から不思議に感じていたんですが、結界は入る時は苦労しても出る時は意外と簡単に出て行けますよね?」
「ははは その方が便利だろう?嫌な奴に何時までも接していたくないだろう?」
・・はぁ? 分かった様な分からない理屈を唱えた彼女であった。
「さて スキルレベル上げを頑張るんだよ 早くレベル3になりなよ」
日常の訓練は変らないが時に触れて空間魔法をどしどし使っていく事が解禁となった、ゆったりしている時にも虚空庫の中身を取り出しては仕舞い込む作業を繰り返していく毎日が始まった。




