1-1 俺は冒険者で生きられるのか?
えーと、 久しぶりの投稿作業になるので、こっそりと行っております(笑)
異世界に転生して生活にも慣れて俺は今年12歳となり成人の儀式に参加する。
村の古びた教会にて都会より派遣される神官により成人の儀式に行われる神からのスキル授与の対象者となっている。
村の悪ガキたちも今日は皆期待を胸にかなり緊張した面持ちにて仲間と共に教会に集合していた。
村の悪ガキ仲間とは幼い頃から今日のスキル次第では町へ移動して冒険者となり稼ぐ事が何時しか皆での話し合いでほぼ決定していた。
仲の良い4人組は幼い頃からの遊び仲間であるが、全員がこの寒村で貧乏人の子沢山状態であった。
当然俺も6人兄弟の5番目であり、狭い土地で実家に残り農家家業を継げるのは長男及び次男が対象であった。
俺は4男 奉公に出るか冒険者等になりこの地からはやがては出て自活の道を探さねばならないのは当然の事と親・兄弟たちに教え込まれていた。当然俺の仲間達も同じような境遇であり、幼いながらも将来に向けてどう生きているか真剣に仲間と話し合って来たのだ。
「なぁタロー 素晴らしいスキルがもらえればいいな」
「バジル そうそう都合良くはいかんだろうと思うよ、あまり期待するのもな、、」
「おいおいタローは昔から何か醒めたところがあるよな、年寄り臭いぞ」
そうだ そうだと他の二人もバジルに賛同する。
早めに到着した4人組は他の参加者が集まるまで期待も溢れて賑やかに話し込む。
「ねぇ そもそもタローなんてあまり聞かない名前をどうしておじさん達は名付けたの?」
唐突に隣に座っていたクララが訊ねてきた。
「あっ?ああ、、どうも親父が夢の中でそうお告げを聞いた様な気がすると、、、」
「ふーん そうなんだ、お告げね?そんなのあるのかな?」
さぁ とタローも苦笑いをする。
元の世界では 大倉 太郎 と言うありふれた名ではあるが、何故かしら親父の寝入った時に夢の中でそう言うハプニングにより命名したそうである。
そもそも俺は5歳までまったく普通の子として育っていた、正に唐突に風邪による高熱で寝込んでいた時に無くしていた前世の記憶がよみがえる。
しかしその記憶も断片的で生前30前後までの記憶は朧気にあるがそれ以降は途絶えていた。どんな理由でこの世界に転生したのかも全く不明と言ってもいい。
うーん、、あまり良い死に方はしなかったのかな?
それよりも良く聞く転生モノの定番である特殊スキルの付与に興味が走ったが、全くと言ってスキルの覚醒など無く今日にいたる。
転生モノに付き物の素晴らしいスキルを今日授かるのか?
皆の前 顔には出さないが強い期待がタローには満ち溢れていたのだ。
「でもさ スキルは大抵現実家の技能職スキル等が多くて、冒険者に必要なスキルなど本当に授かるかな?」
「バルトそんなに心配する事は無いよ ほら俺の家の近くのグレイおじさんは元冒険者上がりだろ。彼が言うのには精々が体力強化等のスキルしかないがそこそこの活躍が出来たと説明してくれただろう」
「ああ そうだったな、B級まで上がったんだよな。何事も努力が一番と教えてくれたよな、、、」
本来Bランクまで上がればかなりの財源確保も可能なのだが、どうも彼は金の使い方が荒く体を壊して冒険家業から引退した時には僅かな手持ちだけで村へと引き上げ余生を過ごしている。
「・・静かに、、時間も過ぎてきましたので、今より成人の儀式を始めたいと思います」
派遣の老神官が村長より紹介されて、まずは健康に育ちこれからの時代を懸命に生きて行くように神からの祝福を参加者たちに与えられる。
この後に皆が待ち望んでいたスキルの確認をすべき、一人一人が呼ばれて老神官の前に立ち、与えられたスキルを皆の前で説明していく。
「・・ふむふむ 君は農家技能に特化しておるな、家業を継いで頑張るように、、 次は君か ほう鍛冶職に向いておるぞ、、、次は・・・・・・」
一人一人と呼ばれやがてタロー達のメンバーが順に呼ばれていく。
「・・ほほう 剣に特化であるな、但し大剣に向いておる様じゃ 次は、、物見 斥候に向いておるぞ
次は、、何と下級職ながら介護系回復のスキルだ 村に一人は必要であろう。 さて 最後は、、、はい?小容量の虚空庫スキル、、、うーむ 荷物運びに便利かな?」
先に鑑定してもらった仲間達が大喜びの中 タローは荷物持ちに適しているとの判定を受け、本人は無論仲間達もどう反応してよいのか空気が突然凍り付く。
「な なぁタロー あんまりふさぎ込むな。俺達は仲間じゃないか 一緒に冒険者になろう。必ず俺達が守ってやるからな、、」
「そ そうよ タロー、ほらグレイおじさんが言っていた言葉、、努力が一番だ つまりこれが一番必要なのだから日々精進して立派な冒険者を私達と目指そう?」・・・
タローはかなり気落ちしていた、ラノベの本とは違い 此方の世界の虚空庫はほぼ荷物持ちの職に就くことが多いとの事だ。それも大容量であればある意味特に商人達から引手あまたなスキルであるが、初めて浮かんだメニュー画面にて詳細を見てみると彼の容量は縦 横 奥行が各50センチの容量しかなく、これでは大型の背負い袋一つも満足に収めることが出来ない事となる。
「あ ああ そうだな、皆の足を引っ張らない様に頑張るつもりだ 宜しくな、、、、」
「「「おう 来月には都会に向けて出発だ 頑張ろうぜ!」」」
仲間達はタローを別にして皆がそれなりのスキルを賜って息も高く家路に向かうのであった。
「・・タロー 冒険者は諦めて何処かの商店に奉公したらどう?」
彼の母が言葉を選びながら職の転換を提案していく。
「お兄ちゃん 荷物運び屋になるの?」
末っ子の妹が何やら心配そうにタローを覗き込み尋ねてきた。
「「おい マリー そ それはまだ決定じゃないからな、、、」」
上の兄弟たちが慌てて彼女の口を塞ぎ部屋の外へ連れ出していく。
家に戻り今回のスキルの報告をしてからは家中はタローに気を遣い、暫しの間は腫れ物に触る対応が続いていた。
それでも当初の予定通りタローは冒険者として独立する為に元々得意なソード系の剣を今まで以上に鍛錬する毎日が続いていたのだ。
「お父さん お母さん そして兄弟の皆な、元気に都会へと向かいます!」
出発の為の準備期間はあっという間に過ぎ去り、今日は仲の良い4人組が都会に向けての旅たちの日となった。
「「「「行ってきまーす!」」」」 「「「「元気でな!」」」」
それぞれの家族の者が村の外れ迄同行して別れの旅たちとなる。
やがて4人組の姿は遥か遠くに移動して、別れを惜しむ家族達の目から見えなくなっていく。
「「さぁ 今夜の野宿予定先まで頑張っていこう!」」
4人組は不安もあるがそれより期待や希望がこの先の日々に胸を膨らませての移動となる。
「今日はいい天気で良かった、、あれ?タロー 随分と荷物が少ない、、あっそうか!」
他の3人はこれでもかと荷物を背負っていたが、タローは皆の半分以下の荷しか背負っていなかったからだ。
「ああ、、せめての取り柄だから、、そうだ 貴重品は念の為に預かろうか?」
「「「助かる 是非とも!」」」
都会迄数日の予定だが盗賊等の万一の可能性がある、僅かな金銭であるが都会に着いたら早速使う予定の大事な金額でもある。
まずは気持ちの安心感から余裕を持つ事が出来るからだ。
「うん 役に立つスキルだよな 今後も金銭や大事な物は預かってくれるか?」
今回のパーティのリーダーとして選ばれたバルトを始め気心を知れた仲間達である、道中の不安の材料は極力少なくしたいのが正解であろう。
タロー達の向かう都市は歩きでほぼ3日で着く ヒルクラン都市と言う。
領主が子爵であるこの国では中核都市として存在している、更にその都市から南に進むと辺境伯の納める土地になりヒルクラン都市から北へ向かうと遥か先にこの国の首都に辿り着く。
言葉ではその様に聞いているが実際に各都市へと歩くのはこの4人組も初めての体験となるのだ。幸いに今歩いている街道は比較的に整備されており盗賊や魔物達の心配は皆無ではないが危険は少ない街道のひとつであった。
「そこそこにこの街道は人や荷馬車等にすれ違うな、油断は禁物だが今日の予定の宿泊地に辿り着けば安心して休めそうだな」
街道には旅行者や商人の為の簡易野営地があり、そこに到着すけば他人の目もありある程度安心して一夜の休息場として皆が利用しているからだ。
他には村の広場地に理由を述べて泊めさせてもらう事で旅行者たちはなるべく安心して移動の為の防衛を行っている。今回彼等は商人達が良く利用する野営地へと急いでいたのだ。
「「おーい あれがヒルクラン都市なのか?」」
村を出て3日目の午後に彼等は目的とする都市の城壁を遠くから眺められる場所まで到着していた。
「・・ああ 大きいな、、急ごうぜ宿屋等の手配も必要だしな」
二日間の野宿から解放される喜びに皆は懸命に足を速めていた。
「・・ふむ ケソン村から冒険者希望としてやってきたのか?ご苦労だったな、、」
城の門番兵達はある程度事情は承知しているのか、意外と彼等に大らかに対応をしてくれた。
同じ様な若者が毎年何人も集まるのであろう、簡単な入国検査を終えて冒険者ギルドの場所まで教えてくれて彼等は無事に都市内へと歩み入る。
これまでの寒村しか知らぬ者達にとって華やかな都市内の全てに感嘆の声をあげていく若者たちであった。
「ここで登録が完了したら 今夜は宿屋で眠れるのね?」
クララはようやくのんびり眠れると喜んでいた、他の皆も心は同じの様だ。
それぞれの期待と不安を胸に冒険者ギルドへと入り込む、
「えーと 貴方たちは登録希望で、、皆が12歳になっているのね?」
受付のお姉さんが4人組を見ながら確認作業へと入り、やがて手続きは完了して銅製の小さなプレートを一人一人に手渡ししてくれる。
「・・はい これで手続きを完了します。最下位ランクからの発行だけど頑張って上に上がってね。でも無理だけは絶対ダメですからね」
そう笑いながら自分の名が入ったプレートを全員が愛しそうに撫ぜ回してこれからの活動に励む様だ。
「・・そうそうお姉さん 早速なんですが今夜の宿屋を何処か紹介してくれませんか?」
「エリカよ、、そうね 実は新人冒険者はこのギルト内に格安の宿泊場があるの。現在4人なら泊まれるけれど暫くはここの施設を利用してみる?」
「「「エルザ姐さん 是非とも」」」
基本男女別の4人部屋が何室か空いているそうだ、少しでも節約して冒険に必要な部材を揃えたいので提案に対して皆は即決で承諾する。
「それじゃクララさんは201号室の相部屋で203号室に他の3名はお願いね、、」
都市での生活がスタートする4人組であった。




