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10、夢


「お父さん!お母さん!」


そこは遊園地だった。賑やかな遊園地。

おそらく、幼少期の記憶だろか……。

(母さん……?)

なぜ僕は母親のこと呼んでいるのだろうか。疑問でたまらない。

「奏叶〜奏叶は元気だねぇ母さん嬉しいわ」

ニコニコと笑いかける"母親らしき人"と、隣に"父親らしき人"の姿があった。

どうしてだろうか……2人の顔がぼやけて見えない。分からない。分かるのは声と姿だけ。



「「奏叶」」



僕の名前を呼ぶ2人。何度顔を見ても、ぼやけて見えなかった。




「─────と、と、なと……」


誰かか僕を呼ぶ声が聞こえる。振り返って、当たりを見回りしても、僕を呼ぶ声の正体が分からなかった。

すると、人混みの中に女の子が一人ポツンッと立っていた。

白いワンピースに、茶色の麦わら帽子を被る少女。片手には風船を持っていた。

不思議に思った僕は、思わず女の子を追いかける。


すると、女の子はニッと口角を上げ、僕に背中を向けてしまった。段々と姿が見えなくなっていく。焦った僕は、走る速度を上げる。


「待って……待って……待ってよ…!!!」

僕が呼びかけても、女の子はどんどん遠ざかっていき、小さくなっていく。

「君は誰……?誰なの……?!ねぇ!!」


呼びかける度に、視界が白くなる─────





─────ピピピピッピピピピッピピピピッ


「待って!!!………………あ、あれ…」


気づくと夢から覚め、自分の部屋を見渡す。

しばらくボーッとしたいたが、部屋に鳴り響くアラームにハッとなり、スマホのアラームを止める。

「……なんだったんだ…。イッッッッ!!」

当然、謎の頭痛に襲われ、思わず頭を抱えうずくまる。


しばらくして頭痛は収まり、目をつぶってから今までこと、なぜ急に……と思った。動悸が走る。


コンコンッとドアを叩く音が聞こえた。

「…はい」

「お兄ちゃん……?」

音羽だった。

「どうしたの?怖い夢でも見たの?」

さっき起きたのだろうか、お気に入りのお人形を持ってきていた。

「あぁ…悪いな音羽、起こしちゃったか?」

僕の答えに、音羽は心配そうな表情を向ける。

「まだ5時だぞ。起きるのは早いんじゃないか?」

5時にアラームをかけていた僕も僕だが、ギリギリの行動をする僕にはまだ起きるには早かった。

しかも、小学生と高校生だと、登校時間も違う。

「ん〜でも音羽、目覚めちゃった」

「そ、そっか…ごめんな兄ちゃんのせいで」

困ったな。僕はもう少し寝ていたいけど、音羽の目を覚まさせてしまったのならしょうがない。

「もう起きて準備するか?」

「……うん」

「分かった」

眠い目を擦り、ベッドから立ち上がる。



1階のリビングに向かった僕たち。すると父さんの姿があった。


「おぉ、今日は起きるのが早いんだな、おはよう」

「おはよう。目、覚めちゃってさ…あはは」

「そうか。私はもう出るから、戸締りとかよろしくな」

「うん、分かったよ」


「じゃ」

「「行ってらっしゃい」」


父さんを見送り、録画していたのでも見ようと、テレビをつけた。


少し肌寒い。

「なんか飲むか?」

「暖かいの飲みたい」

「じゃあ、牛乳あっためてやる」


冷蔵庫を開け、音羽の飲む分牛乳と僕が飲む分をコップに注ぎ、レンジで温める。


(本当に……なんだったんだろう、あの夢は…てか母さん…?)

そんな事を考えながら、レンジをボーッと見つめた。




こうして、また新たな1日がスタートする。


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