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授業中とあかりちゃん

「あー、これがこうで、それがそうで……」


 お昼前で、おなかが空いてフラフラで退屈な授業でも黒田さんを見ていると幸せな気分になるから不思議だ。


 後ろ姿だけでもかわいいし、美しいし、オーラ凄いし、たぶんいいにおいもする。遠いからわかんないけど。


 この子が大好きなで付き合っている男の人とはどんな人なんだろう?


 清廉潔白なイケメンか、それとも普通の男の人か、それとも……しまった、星月さんに写真を見せてもらえばよかった、持ってるか知らないけど。


 それも日曜日にはわかることだ。ろくでもないやつだった、星月さんと一緒にぶっ飛ばしてやろう。


 ……そういえば星月さん、あれから目すら合わせてくれないけど大丈夫だろうか? だれにも言わない設定を重視しすぎじゃない? ちょっと寂しいんだけど。


 まあ、そんなことはどうでもいい、とりあえず今は、黒田さんの私服も見れるのも楽しみだ! 


 ふふふ、黒田さんの私服か……ふふふ、ふふ「おい、松原話聞いてるのか!? 何にやにやしてんだ!」


「ふぇ!?」

 突然僕の名前が教室に響き、視線が僕に集中する。


 突然のことにおかしな返事が出てしまった。教室中に笑いが響く。


「なんだその返事は!……ちゃんと授業聞くんだぞ、全く……」


 怒られてしまった、恥ずかしい……ま、黒田さんが笑っているし、めっちゃ可愛いし、いいか! やっぱり星月さんは絶対に目を合わせてくれない。


 切り替えてまた黒田さんを見る作業に移ろうと思っていると頭に紙がぽすっと当たった。


 なんだろう、と思って紙を開くと真斗の字で「バーカ」。


 真斗の方を見ると、こっちを見ながら声を出さないように爆笑している。

 やばい、すげえ腹立つ顔だ。


 にらみつけてみるがこっちをおちょくったような表情のまま手を振っている。

 あんにゃろ、幼馴染だからって「おい、松原、いい加減授業に集中しろ!!!」


「はーい、すいません!!!」


 再び、クラスで爆笑が起きた。


 もう、ほんと恥ずかしい……まあ、やっぱり黒田さんが笑ってくれてるからいいか、

 眼福、眼福! 


 本当に日曜日が楽しみだ!!! ワクワクが止まらない!


 どうでもいいけど眼福と蝙蝠って似てるよね!




「松原さっき何の妄想してたの? すっごい楽しそうだったけど?」


 今日は教科書を持ってきた阿部さんが聞いてくる。さすがにあの内容はいえない。


「いや、何でもないよ、ただの思い出し笑いだから!」


「えー、絶対なんかエッチな妄想してるときの顔だったけどなー! あ、エッチな妄想するのは良いけど私でするのはノーサンキューよ!」


「やらないよ……」


 そういうと阿部さんはケラケラと笑った。


 ☆

「お母さんただいま! 今日のご飯何? あ、みかんただいま! よーし、よーしお前はいつもかわいいな! にゃあ!」


 私がルンルンでドアを開ける猫のみかんと遊んでいるとリビングに座っていたお母さんが若干引いたような顔を見せる。


「……なんだかいつもよりご機嫌でなんだか変な感じね、あかり。なんか悪いものでも食べた?」


「違うよ、実の娘にそんなこと言わないでよ! 悪いことあったんじゃなくて、あかりちゃんにはいいことがありました! さーてなんでしょう?」


「……え、何? 雅ちゃんのリコーダー食べたとか?」


「そんなことしないよ!? さっきから娘の事なんだと思ってるの? 違うよ、もっと普通のことだから」


 お母さんは私のことをどう思っているのだろうか、そんなストーカーみたいな人じゃありません!

「……あ、あかり、もしかして、もしかしてだけど、彼氏ができたの? あ、あの星月あかりに男が……?」


「正解だけどなんかムカつく! そうなんです、彼氏ができたんです! あかりちゃんすごいでしょ! みかんもそう思うでしょ?」

「にゃあー」


「すごいも何もこのくらいの年代なら普通だと思うよ、お母さんなんて高校時代6股してたし。まあ、まずはおめでとうだけど、それよりもどうやって付き合ったの? 多分相手はいつも楽しそうに話してくれる男の子だとは思うけど告白とかそんな雰囲気の子でもなかったでしょ?」


「6股は普通じゃなくて異常だよ……まあ、確かにみーちゃん大好きマンだったし、そんな雰囲気じゃなかったからね。でも、大丈夫! あかりちゃん賢いから結構な作戦立てて頑張って付き合えることになったから!」


 そういってエッヘンと胸を張る。


 お母さんからの冷たい目線は気にしちゃ負け負け!


「そんなことで胸張らなくても……それに自分の事あかりちゃんって呼ぶのは痛い女の子っぽいからやめた方がいいよ」


「は、確かに! お母さんありがとう!」


「本当に笑顔だけはいっちょ前なんだから。それでどうなの? そのことはうまくいきそう?」


「うーん、ちょっと不安要素はあるけど……でも大丈夫! うまくいかなくてもうまくいかせてみせるよ!」


「ははは、その自信があるなら大丈夫そうね」


 そういってお母さんはニコニコ笑う。


 ……でもやっぱり、私としては自信はあるんだけど、伊織君が私のことどう思っているかがわからないし、それに伊織君意外とモテるし……やばい不安になってきた。それと同時に告白してつきあったていう事実がすごい照れくさくて、恥ずかしくなってきた!


「……お母さん、私やっぱり不安とかいろいろあるから聞いてもらっていい?」


「ふふふ、そう来なくっちゃ。それより、先に荷物置いて着替えてきなさい」


「はーい!」

 そういって階段を駆け上がる。


 伊織君は私のことをどうおもってるんだろう? 好きでいてくれるかな?


 迷惑とか……思ってないかな?


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