人は、字を見て何を思う
「やっぱり山羊、多すぎない?」
「山羊が大量発生したんだろ」
「牧歌的だなぁと思ってだけど、恐怖だよ」
「メェーメェーうるさいだけだろ」
「いや、さっき五月蝿いからってキュアトロールお前雄叫びで威嚇したよな」
「違う、アレは欠伸だ」
「何、キュアトロールみたいな暴れん坊だと欠伸も威嚇になるの?」
「なるわけないだろ、井上お前は馬鹿か?」
「ならないんだったら、欠伸じゃなくて雄叫びだろ」
「山羊より五月蝿いなぁ井上」
「そこかしこに響く、山羊の鳴き声よりも五月蝿いわけないだろ」
「わかった、山羊と同等以上に五月蝿い」
「それ大して変わらないんだけど!」
「まぁ山羊は食える分、井上よりは役に立つよな」
「その評価の仕方、山羊にとって名誉なんだろうか?」
「人食いに、お前食えるから役に立つと言われて嬉しいか?」
「嬉しくはないな」
「山羊も同じに決まっているだろう」
「確かに」
「大体井上と同じ様な扱いだぞ、不名誉に決まっている」
「ん?なんかおかしいだろソレ」
「それを言うなら山羊に不名誉とか名誉考え出した時点でおかしいだろ」
「それもそうなんだけどな」
「しかし、本当メェーメェーと五月蝿いな、周辺の2〜3十頭ぐらいしめたら静かになるかな」
「群れのボスになったら静かになるかもね、案外似合うんじゃない山羊のボス」
「似合うわけないだろ、どうせなら小動物の方が魔法少女っぽいだろ」
「キュアトロールの場合、動物虐待の要素のほうが、強くなりそうだな」
「まず、お前から黙らせてやろうか井上」
「ごめんなさい」
「チッ 早いところ、魔王三姉妹とやらを殴りにいこうぜ」
「殴りにいくわけじゃない、スカウトだよ」
「魔王って殴りたい字面しているよな」
「字面で殴ろうとするなよ、そもそも字面で殴りたいとかなんだよ」
「井上だって、メイドとかお姫様とか幼女とかの字面で興奮するんだろ」
「さすがに字面で興奮はしない………とも言い切れないな」
「さすが井上変態だなぁ」
「いやちょっと待て、ラノベとかの文章で植え付けられているんだって、調教されているんだよ日本人の多くは!」
「あーハイハイ」
「そう巷に溢れる読書とか漫画を嗜んでしまっているが故の弊害なんだ、字面で興奮してしまう事は!」
「井上ぐらいの変態だと字面で興奮できるのか、流石だなぁ」
「待て、それだと日本人の多くが変態みたいだろ」
「いや、そうはなるわけないだろ井上は馬鹿か」
「くそ、もうとっととあの吊り橋渡って魔王三姉妹に会いに行こう!」