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魔法少女らしく!

「とりあえず今出てくるなら三回殴る程度で済ませるぞー」

「魔法少女が暴力で脅すなよ」

「じゃあ魔法で殴り飛ばす」

「根本的に何が変わっているんだよ、何一つ変わってないんだけれど」

「いや、字面は変わっている」

「それ本質変わってないなら意味ないと思うけど」

「出てくれば御の字だろ」

「お前それで魔法少女って名乗って恥しくない?」

「魔法少女らしく自分に出来る事を一生懸命やっている所なんか誇らしく思う」

「切り取るとそうなる部分出てくるから不思議だな」

「ゴチャゴチャいちゃもんをつけるなよ、大体、井上魔法少女らしくという注文ならお前がやってみろよ」

「魔法少女じゃあないしなぁ」

「井上、なるほど井上は自分の目指す魔法少女とまだ実像が離れているから、そう言っているんだな、目指す為の努力を惜しまない、なんと立派な魔法少女井上か」

「悪意しか感じない褒め言葉だな」

「貶したら喜ぶんだろう?」

「いや人による」

「井上、最低だな」

「キュアトロールでは喜ばないと言ったつもりなんだけど」

「いや、誰であっても貶されて喜ぶなよ」

「まぁ臨機応変的な?」

「ならとりあえず、井上貶したら喜ばないなら、殴ったら喜ぶとか」

「喜ばねぇよ」

「いやいや何事もチャレンジする事が大切だ、だから殴らせろ」

「やらなくてもわかるわ!わかったの、やりますやらせていただきます」

「最初から素直にやれよ、井上そういう所魔法少女らしくないぞ」

「既に駄目出しかよ」

「先が思いやられるな」

「うるさいな、大体籠もっている子供とかを無理矢理つれだそうとしてもこういうのはだめなんだよ、三匹の子豚とかでわかるだろう」

「子供を家畜扱いとは井上ひどいな」

「してねぇ!」

「まぁ井上の性癖は置いておいて、無理矢理じゃなかったらどうするんだ?」

「天照大神の要領だよ、懐柔すればいい」

「あぁ確か母親のフリしてチョークとか食べて手足に小麦まぶして女装する話だっけ、確かに井上が面白いことになりそうだ」

「それ、僕最後腹開かれて死んじゃうじゃん」

「魔法少女らしく最後の最後で奇跡の復活があるんだろう?」

「出来るわけないだろう!」

「なんで提案したんだよじゃあ!」

「懐柔だって言った、お菓子とか玩具で連れ出せば良いんだよ」

「あいかわらず井上は誘拐犯みたいな思考だな、本当に魔法少女か?」

「誘拐犯みたいな思考で悪かったな」

「でもなぁ井上お菓子の家に籠もっているんだからお菓子は無理だろう、とすれば現金とかのほうがいいのか?」

「立て籠もり事件でも起きているのかと錯覚してきたよ」

「もういっその事、井上がお母さん役で同情でも誘って出てきてもらうか」

「だから、それ僕が死ぬパターンだろう」

「ん、どうした井上」

「いや、あれこれ迷わず正面突破というほうが魔法少女らしいかも」

「へー」

「いや、スフィンクスを召喚したりしてお菓子の家から出れなくなるよう通せんぼさせたり、いばら姫に頼んでお菓子の家をいばらで取り囲んでもらって眠ってしまったところを掻っ攫うとかよりは、キュアトロールが正面突破したほうが、マシなんじゃないかなって」

「まぁ結局私のほうが魔法少女らしかったと言うわけだ」

「あーハイハイそうですねぇ」

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