青春時代の幸せ
「結城先生も少しは手伝って下さいよ」
「折角の休日、井上君のために学校に来てあげているんだからそれ以上何を望むのよ」
「だから手伝いを求めているんですよ、聞いてました人の話?」
「ごめんなさい、井上君のためじゃなくて、井上君のせいというのが正しいわよね」
「まぁ確かに、僕のおかげで先生の無駄な休日を多少の有意義な一日に塗り替えたとも言えなくもないですね」
「さすが青春時代を持て余している子は口数も人より多いみたいね」
「それは結城先生がいったんでしょうが、どういう言い訳ですか」
「だって、そうでも言わないと屋上汚した理由なんてつけようがないでしょ」
「悪げのない不運な事故とか言い方があったでしょう」
「井上君、本来なら自宅謹慎とか停学とか反省文とか親御さんの呼び出しとか内申が下がるとか面倒な事になる所を、私の機転で休日の奉仕活動だけですんだ事に、感謝しなさい」
「あーはいはい、それにしてもそんな言い訳よく通じましたよね」
「誹謗中傷ネットに書くとか、近隣住民の女性下着を盗むとか、器物破損に万引きとかイジメや自殺をストーカー行為を犯すよりは、ましな自己表現とみたんじゃないの?」
「先生達は生徒をどういう目で見ているんですか」
「腫れ物じゃないの?」
「夢も希望も情熱ないですね」
「全力でぶつかるなら、井上君は今頃教師陣の体罰でボコボコになって、町内走らされているわね」
「いや、もう2週間分は走ったんですよ、まぁそんな事なら今のままで良かったですね」
「だから、余計な事を考えないでさっさと掃除をしなさい、監督だけはしてあげるから」
「はいはい、ありがとうございます」
「あーほんの少しぐらい心のこもったありがとうございました言えないの?」
「心が込めれる人物なら言えそうですねぇ」
「本当に井上君は青春を持て余しているわね」
「結城先生は本当に婚期逃してますね」
「いいわよ、別に幸せだしね」
「それ証明できます?」
「幸せの証明とかしながら生きていない事が強いて言うならそれが幸せの証明かしら」
「テキトーに生きているんですね、まぁでもそれは確かに幸せですね」
「多少は心がこもったわね」