残念観念饅頭怖い
「井上君今何分?」
「僕が知る訳ないでしょ、南野社長に準備に必要って持って行ったんですから」
「それでさっきからソワソワしてるのね、スマホ依存症って怖いわね」
「別に依存症って訳でもないです」
「でも気持ちはわかるわ、お茶菓子もでないのに何十分待てばいいのかしら」
「そんなに食い意地がはっているとはな」
「先ほど結構おお振りな、饅頭僕の分まで食べた人達が言いますか」
「饅頭怖いとか言って無かった?」
「僕は落語のような人じゃない」
「しかし、実技試験かこうドラゴンとかかな井上」
「それだったら、僕はギブアップをしますね」
「井上はアイドル活動をしてみたいのか」
「ドラゴンと戦うよりは、アイドル活動の方が数十倍マシのような気がします」
「アイドル活動がそんなに嫌なの?」
「私は魔法少女キュアトロール、戦う事に意義があり、媚びとかキャピキャピとかは売ってませんし、売りたくもない」
「いっその事それが饅頭怖いみたいな前フリだったらよかったのに」
「それは、井上君自身が魔法少女としてやっていくのは、やぶさかではないと言うこと?」
「結城先生残念」
「ちょっと残念ながら違いますと最後まで言わないと、何か私が残念の概念そのものみたいでしょう」
「結城先生、その認識で大丈夫です、それよりアイドル活動が嫌ならギャラを貰って帰ればいいじゃない」
「わかってないギャラ貰って帰るよりは、夢を追いかけたいって世界平和な日常を守りたいというのが、夢溢れる魔法少女というものだ」
「よくわからない」
「面接試験だったら落とされそうね、こう情熱がほとばしりすぎて落ちそう」
「先生は色々と残念なので落ちそうです」
「いや、私はもう受かっているから」
「えっ浮かれているとは思いますが、受かっているってなんですか」
「井上君世の中には選ばれたものと選ばれないものが多くいるの、推薦枠で私はもう受かっているから」
「浮かれているだけのようですね、安心しました、何時もの結城先生です」
「ヒドイ、折角実技試験の対策を教えようと思ったのに」
「いや、受かる気が全くしないので、対策もなにもあったものじゃないんですよ」
「井上はアイドル活動がそんなにやりたいのか、やはりそういう性癖があるのだな」
「そんなものはない」
「井上、案ずるな私を信じろ、私もお前の性癖を信じている、感心出来はしないが」
「どういう意味で信じているのか丸わかりだけど、そういう趣味はないから」
「わかった、相棒としてお前のその言葉を信じておこう」
「そうね私から言うことは、何も無いわね、生徒の性癖まで口を挟む事は出来ないわ」
「信じろって言っているんですよ」
「ならアイドルをやりたいが為に手を抜くなよ井上」
「わかった、わかりました」
「前フリでも饅頭怖いとかそういった意味でもないぞ」
「しつこい」