ぐるぐるとイタチごっこ
「七転び八起きって実際は狂気じみているんだと今しみじみ思うよ」
「あれは八回以上転んでいるけどな」
「あぁ間違った転んでないね、キュアトロールが殴り倒しただった」
「殴り倒しては逃亡して、殴り倒しては逃亡して、井上もアイツも学習能力ってやつがないな」
「そうだねぇ、この場合七転び八起きって言葉が正しい使いかたなのかもわからなくなってきたし、ついでに何処をどう逃げているのかわからないし」
「ちゃんと勉強しないからそうなるのだろう」
「いやいや、こういう状況なんて習う事ないから」
「まぁ習うより慣れろともいうしな」
「こんな状況に慣れてたまるか」
「いや井上わからないぞ、学校だって最初は井上にとってはアウェイだけど、今じゃホーム感覚だろ」
「人を馴染めない子みたい言わないでくれる、人聞きがわるいからさ」
「今もアウェイの井上にとってはホーム感覚とかないか、なぁ地域に井上の居場所ありますか?」
「ホームだよ、バリバリのホームだから居場所ぐらいあるよ」
「ホームなら、追手から逃げたり隠れても見つからない場所とかしらないのかよ、もしくは埋める場所とか」
「やましい事なく生きているからわからないなぁ、キュアトロールと違うから」
「己の生き方がやましいと考えて生きたほうがいいぞ、悔い改めるなら早いほうがいいとも聞くから」
「だから、善良な市民は隠れ場所なんか知らないよ、まさか警察に駆け込むとか出来る訳もないし」
「確かに、犯罪者が駆け込むわけには行かないか、それじゃあ単なる自首だものな」
「そういう事じゃねぇよ」
「いやいや井上、でも現状は町の道路や公共物を破壊している元凶の一旦でしかないぞ、あと暴力行為」
「しれっと付け足すな」
「町の破壊は認めるんだな」
「いや、それもやってない」
「じゃあ何故井上は逃るんだ」
「のっぴきならない事情だよ」
「生き方、やましいじゃないか」
「やかましい、大体それならキュアトロールお前も同じ穴のムジナだろ」
「それなら現状はイタチごっこだから井上はイタチだな、イタチごっこならあとは茶壺に追われるんだっけか?」
「違う」
「あれ?ドツボにはまるんだっけか?」
「現状そんな感じだけどね、いや本当にそんなドツボにハマる気がしてきたし、もう何だったらあの曲がり角を曲がったらまたあの押し売り少女がいる気がする」
「そうなれば井上もういっその事、そういうアトラクションとして楽しんだほうが幸せだろ」
「全然思えないだけど!」
「それなら、幸せになる方法でも考えておけよ」