迷い迷えど目的地
「迷っているなぁ」
「なに方向性？井上お前そんなのより今必要なことがあるだろう」
「今迷っているって話だよ」
「この状況で悠長だな」
「ちげぇよ、目的地に到着しないって話だよ早い話、遭難しかけてんだよ」
「そうなんだなんて言えたら余裕あるんだけど」
「いや、ボケようとしている時点で余裕あるだろう」
「いや、井上お前の口から迷っているとか芸人みたいなこと言われたらそう思うだろう」
「僕はどんなキャラ付けだよ」
「変態とかそこらへんな位置づけだったりするんじゃないの」
「どこがだよ」
「言うのも恥ずかしいぐらい、相棒としてもう少し全真っ当な道を歩んで欲しい」
「最底辺じゃん」
「そういやさ、底辺って底なのに最底辺って意味わかんないよな」
「そうだね大方、最低と底辺ってかけたんじゃない」
「駄洒落かよ寒いな」
「いや、合っているかどうかは知らないけどさ」
「おー適当に歩いて遭難しかけている状況をつくりだした井上は言うことは違うなぁ」
「えっ何ナチュラルに僕だけのせいにしようとしているの」
「方向性に迷って遭難しかけるとか」
「いやだから、なんで僕だけのせいにしているんだよ」
「まぁ冗談いうぐらいには心に余裕をもたないと、パニックを起こしては元も子もない」
「そりゃあそうかもしれないけど、納得いかないのも事実なんだよな」
「一休み、一休み、と言うことで寝たら頭もすっきりするかもしれないぞ井上」
「こんな雪山のこの遭難しかけている状況で寝たら死ぬわ！」
「まぁ死んでも治らないものもあるしな」
「何哀れんだ目でみているんだよ」
「いや、遭難しかけているのによくはしゃげるなって」
「はしゃいでない、もう疲れたよ」
「疲れたなら休むか、そこらへんで寝れば疲れも吹き飛ぶんじゃないか」
「だから命のともし火すら吹き飛ぶわ！」
「疲れも吹き飛ぶだろう」
「疲れだけ吹き飛ばしたいんだよこっちは」
「はしゃぐと余計につかれると思うぞ井上」
「誰のせいだと思っているんだ」
「おい何、哀れんだ目でみているんだよ」
「見てないって、ほらそこらへんの雪でもかぶって頭でも冷やせよキュアトロール」
「井上、雪なんてさっきから邪魔になるほどかぶっているんだよ」
「知っているよ、こっちも同じ状況だから」
「知っているのに、人に勧めるぐらい状況の把握ができていないとなると井上は寝不足だな、そこで寝たらどうだ」
「だから、こんな状況で寝たら死ぬわって何度言えば分るんだよ！」
「いや、目の前に山小屋があるからそこで寝ろよって」
「目的地！」
「おいおい、寝るな山小屋入ってから寝れよ、風邪引くぞ井上」
「風邪ですむわけがない！」
「あと詫びの言葉が聞きたいな井上」
「あーすみませんねぇ 魔法少女キュアトロール様」
