思い通りに行くわけもない
女性に金の無心をする。
文面だけみるとどうしようもない精神が伝わってくる。
しかしどうだろうか、これが母や姉や妹など親しい間柄だとするならば、そうそう変な話では無くなってくる。
まぁ結城先生は間違いないなく血縁関係がない。
親しい間柄とでもいうのか、まぁただ叶えば良いなと駄目なのが分かっていたからこそ、土下座寸前まで簡単に頭を下げたのだ。
大体さっき僕は真剣にお金を無心しようとしていないからセーフだ。
とまぁ物事には突き詰めていけばアウトの様でセーフだったりすることもあり、変わったほうが良いこともあり変わらないでいることの方が良いこともある。
一概には何も言えず、一方だけ見ただけでは判断などできはしないと言うことだ。
「魔法少女らしい活動が少なくないか?」
魔法少女キュアトロールの愚問めいた質問に過去を思い起こすまでもなく、お前のその格好からして魔法少女というには大分無理があるとは言わなかった。
基本的にアルバイト活動の中で、何かしら理由をつけて殴っていたし。
いや、始めからそんなに魔法少女の要素という要素に欠けているお前が魔法少女の活動をしていないと言っても嘲笑されるだけだと思う。
現に僕の口角は微細ながら上がっていた。
僕を小突き、不満が表に滲みでるほど、どんどん小突く力が上がっている。
そんなキュアトロールの暴力に簡単に屈した僕は南野社長に、何かしら世界で揉めごとがないか、キュアトロールが魔法少女らしく活動できてなおかつ、アルバイト代が給料日またずに払ってくれると尚嬉しいですという此方の都合を全面にだした文面のメールを南野社長に送ってみる。
「魔法少女らしく活動できるといいねー 南野社長に期待しよう」
とても良い笑顔で僕は多分こないだろうと確信していたのに、十数分後のメールには、命の危機がややあるけれど希望に添えるかもしれない案件があるので、お願いしますと書かれたメールが届いた。
叶わなくても一向に構わないものが、叶うのは僕の日頃の行いがもしかしたら悪いせいなのかもしれない。
小躍りするような魔法少女キュアトロールを横目に僕はアルバイト代高く貰えれば良いなと鼓舞するようにため息をついた。