かぐや姫の無理難題
「何を探せって?」
「おいおい、かぐや姫の言うことを聞いてなかったのか?」
「おいおい井上そういうことじゃねぇんだよ」
「じゃあなんだよ」
「いや、分かっているだろうが」
「あぁ言いたいことは分かるよ、だけどまぁしょうがないと思おう、もう前向きに考えよう」
「それ前向きというよりは、ヤケだろう」
「ただまぁヤケに前向きに考えて、どうしようもないとだけど言っておこう」
「案外性格悪いんじゃねぇか、無理難題言いやがって叶えてくれる奴の元に行くとかお前はどこの姫だよ」
「いや姫だよ、無理難題言っても許されるぐらいには美人のお姫様だと思うよ」
「なんで肩をもつかなお前が探すのかぐや姫の幸せとかわかんないんだけど」
「まぁ探せないよね」
「どうせなら龍の髭とか鱗とかシャムの毛皮とかそういうわかりやすい奴が良かったな」
「最後のはそれただの略奪品だよね」
「私が言いたいのは龍とかの戦利品だったら探しに行けるだけましだよな」
「それはないでしょ、シャムはともかく龍とか命の危険が訪れるのはち勘弁して欲しい、まぁそういう意味では、考慮してくれた優しさがあるけど」
「ねぇーよ、なぁ井上もう面倒だからお金渡しておけば?」
「お金で幸せは買えないとか一番言われているから納得する?」
「証として欲しいって大抵物じゃねぇか?」
「物だとしてもお金はないんじゃない」
「まぁ井上程度が手にできるだろうお金なんてかぐや姫が欲しがることもないか」
「そうだね、キュアトロールが考えるようなお金みたいな無粋なようなものとは違うかもね、向こうはほら品があるから」
「おいおい、何で今お前が私を馬鹿にしてんだよ」
「先に馬鹿にしたのそっちだろ」
「事実を言ったまでだろうよ」
「いや、コッチも事実を言ったまでだからまぁキュアトロールが言うように僕程度が用意できるお金ではないとして、結局なんだと思う?」
「知らんとしか言えねぇな、自分の幸せを持って来て下さいとかどう考えても無理だろ、ヒント探して屋敷ぶらぶら歩いているこの時間さえ無駄な気がするし、やっぱりかぐや姫性格が悪いだけなんじゃね?」
「性格が悪いかどうかはこの際置いとくとして、自分探しでも答えの見つかりそうのないこの無理難題を前向きに頑張らないといけないという事だね」
「力ずくでの解決があればいいがな」
「ねぇーよ!」