ニュートンのような閃きをシンデレラから。
リンゴが落ちる何気ない現象から、真理をみつけだしたニュートンは、皆何故こんな事に気づかないと思った事があるのだろうか。
もし、気づかない方がおかしいなどとニュートンに言われたならば、腹立つだろうが、いくらか多少なりとも腹立ちは抑えることができただろう。
ニュートンという偉人にすら多少の腹立ちを覚えるのだから、魔法少女キュアトロールに突っ込まれた時も多少なりとも腹立ちはあった。
気づけよと僕が自分で自分を恥ずかしい思いと魔法少女キュアトロールに腹立ちを覚えてしまってもしょうがないドヤ顔を振り切るように、スマホを取り出した。
「魔法少女シンデレラをフェイバリットシステムにより召喚」
スマホ画面から、シャラシャラと飛び出してきた光が僕の周りに飛び散りながら、ドレス姿の魔法少女シンデレラがニコリと微笑む姿をみせながら馬車とともに召喚された。
スフィンクス目掛けて召喚された馬車が進みだした後ろにはすでに、殴れるチャンスを逃すまいと形相が、魔法少女のソレには向いてはいないが、それでも魔法少女キュアトロールが殴れるように距離を詰めていた。
魔法少女シンデレラをのせた馬車は何事もなかったようにスフィンクスの頭上を越えて、広大な砂をしたに広大な空の彼方へと光の花道をなぞりながら優雅に消えていた、非常に幻想的であるとこの様な状況でなければ僕も感心したであろう。
僕と魔法少女キュアトロールは、またしても涎か唾かわからない不衛生な雨風が全身に浴びてキラキラと輝く状況でさえなければ、本当に幻想的だった。
「井上」
言いたい事はわかりすぎるほどに分かる。
まさか、不発だと誰が想像するだろうか。
「スフィンクスの試練を打ち破ることが出来なかったからだと思う」
「今さっきまでの勝った感はなんだったんだよ」
このまま何も出来ず城の女王様にすら会えないという敗北感というより無力感いや現実が迫ってきている。
「しょうがない井上、後は任せた」
「任されたって困るとしか言いようが無いんだけど」
「魔法少女だろ井上、諦めるな」
「そっちも魔法少女だよね、諦めないでなんか考えて」
「馬鹿井上、私は諦めているんじゃねぇ、お前に託しているんだ」
キラキラしている星の瞳と同じようにキラキラと眩しく良い事を言っているようで、僕に丸投げ状態にしただけではないだろうか。
いや、それよりなんだか急にさっきから僕と魔法少女キュアトロールの周りに光が漂い過ぎてないだろうか。
戸惑い隠せぬままあたりを見渡すと、キラキラ感が僕の周りに幻想を越えて現実的に僕の全身すら覆いつくしてシャラシャラと音がなり、覆いつくす光が僕にみせたのは、輝くリンゴと鏡だった。
何かの意思が反映されるようにソレは形になったのだと僕はおぼろげながらに理解した。
「おい井上、急に光ったかと思えば、メガネかけてリンゴもってどうしたんだよ」
「リンゴは知恵の実ともいう、ニュートン井上とは呼ばなくてもいい、が答えをみつけだした」
「メガネは?」
「メガネといえば知性だろ」
シャリとリンゴをかじる。
全てを見渡せるようにメガネをクイっとあげる。
「シンデレラのように、城へと行かせてもらう」
スフィンクスに宣言する。
魔法少女シンデレラがかけた魔法が解ける前に。
「よかろう世界一美しい女王は?」
「白雪姫の母だ」
違う名前を答えたら白雪姫の様に殺される。
答えを間違えたら殺されるスフィンクスの試練の様に。
「正解」