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イジワルな問題の解決策

 話せばわかるという言葉がある。


 大方の人は、理解を示してくれるだろう。


 理解を示してみせ、自分は野蛮などではなく、知識を有する上の

 者として見られたいからだろう。


 その手の政治家やコメンテーターは、話せばわかるというスタンスをとることにより、相手より有利に優位に立っていると錯覚したいのだ。


 そう錯覚したいのだ。


 話せばわかるという時には、優位に立っていないものだという事を忘れている。


 話せばわかるという場合、追い詰められたものが言う言葉である事を、大方の人は忘れている。


 言った後で殺された人だっているという事を忘れている。


 話せばわかるとは、とどのつまりとして、破滅へのフラグになりかねないと言う事だ。


 今更そんな事を僕は思ってしまうが、現状として、突如として発生した破滅へのフラグを回避するために努力するか天に祈るか選択しないといけない。


 問題をだした彼女は、涎を垂らしている。


 さながら、頭を抱え込む僕らを美味しそうなご馳走を見ているかのように。


 そういえばスフィンクスの試練って間違えたら喰われたような気もする。


「答えれる訳がないだろう」


 イライラしている魔法少女キュアトロールの言い分はもっともである。


 ヒントらしいヒントもなくてこの問題に答えられるはずもない。


 いや、ヒントがあるにはあるが僕と魔法少女キュアトロールが答えられるかどうかすら怪しい。


 ヒントが世界一美しい女王様だけで、城にいる女王様の名前がわかるかという話でもある。


 古今東西に置いて美しいと称される女性は幾人もいただろうし、ましてや萌えとか美化された、神様とか妖怪や天使に悪魔に魔物と現代日本に置いて数えるのも馬鹿らしくなってくる数に登るのではないだろうか。


 女王様というからには、女性なのだろうけど、結局のところ世界一美しいというヒントだけでは、回答権が5回あったとしても正解など、よほど運がないと出来ないだろう。


「おい井上、なんか手だてねぇのか」

「さっき誰かが調子に乗るから、イジワルな問題出されたと思う」

「お前も乗っていただろ」

「手だてといっても、手当たり次第に言うしかないでしょ」

「あぁ殴れればどうにかなるのに」

「涎とか唾が飛んでくるのは勘弁してほしい」

「あぁ殴りたい」


 スフィンクスの試練を放棄したかのように、知性を感じない物騒な呟きに、誰でもいいからとつかないままでいて欲しい。


「なんでもいいアイディアだせ井上」


 カツアゲの様に出さなければぶん殴るというニュアンスに感じるのは気のせいではあるまい。


「じゃあ表札がでてないか確かめてきて」

「砂漠の中の城にそんなものあるか」


 地面の砂に僕の顔が出来るんじゃないかと思うぐらいに、後頭部をはたかれた。


 おきにめされなかったらしい。


「なんでもいいと言ったくせに」


 まぁ表札なんて出ていないだろうから、魔法少女キュアトロールの行動も当然といえば当然である。


「ちょっとはマシな案を出せよ」

「例えば?」


 すぐさまグヌッと口を結び黙り込んでしまうが、そうそういいアイディアなんて出るはずもないだろうし

 やっぱり、手当たり次第に美しい女王様らしき人物を言っていくしかないか。


「魔法少女シンデレラでこいつぶん殴る」


 魔法少女キュアトロールらしくもなくまともな案が出ただと。

 

 いや、ぶん殴るといっているから野蛮ではあるから、魔法少女キュアトロールらしくはあるのか。









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