砂上に何もない
「どうするんだよ」
「とりあえず、自由だぁーとか叫べばいいんじゃないか、井上は」
「自由だぁー ひゃっほう自由だぁー」
「言われたままやるのは、人としてどうだろうか」
「気づけよ、何もすることができない状況では、言われたまま叫ぶしか出来ないんだよ」
「おいおい、仕事中だぞ井上」
「仕事の内容を聞かずに、来ちまったからこうなっているんだよ、そこを含めて、気づけよ」
「おいおい、見渡す限りの砂ばかりで気が滅入るのは、分かるけど、八つ当たりは良くないと」
「八つ当たりって、言うほど君に非が無い時に言う言葉だと思ってるけど」
「じゃあ、あっているじゃないか」
「認めてよ、自分にも非があるということを」
「いつでも、他人に非があると思うとか、井上お前は、何処の女王様気取りだよ」
「気取りもそんな気位もないけど」
「まぁお前は、一般市民って感じだけど」
「そりゃあ、一般的に善良な市民だけどね」
「自分で善良とか言わないんじゃないか」
「名乗る分には良いだろう、そっちこそ愛と正義とか魔法少女を名乗るんだから」
「実際そういう感じだから、名乗るのは問題ないだろう」
「それじゃあ、僕も善良だから名乗って良いんじゃない」
「名乗る分ぐらいの善良さを持ち合わせているのか、井上」
「何、そのハードルのあげかた」
「名乗る分ぐらいの善良さを持ち合わせてほしいものだと思ってな」
「一般市民で良い気がしてきた」
「まぁ、そこらへんはどうでも良くなって来たけど、こんなにブラブラと歩いても、見渡す限り砂というのは飽きてきたな、井上が一般市民か善良な市民かどうかという話ぐらいに」
「同レベルに語って欲しくはないけど、まぁ砂見て嫌気がでるぐらいには飽きてきたよ」
「スカウトしようにも、何もいないとどうしようもないな」
「いたらスカウト出来るの?」
「殴って弱らせれば確実性が増すだろう」
「愛と正義何処?」
「いや、いそうなサソリ女とかラク男爵とかスカウトする方法を考える
と、殴って弱らせる方法が確実じゃないか?」
「キラキラデイズのゲームは女の子がメインなんだから女の子をスカウトしよう」
「それじゃあナンパだろうが」
「いやそれ言うならそっちこそ拉致じゃないか」
「まぁ、この際そこは置いておけばいい」
「女の子メインは置いてっちゃダメな所だからラク男爵とか大体何処の悪の組織員をスカウトする気なの」
「わかった、わかった、うるさい」
「本当にわかっっている?」
「あっちに城見たいなものが見えた気がしたぞ、いくぞ井上」
「絶対城見えてないよね!」