死んで花実が咲くものか ⑥ (仮)
各話1000字前後と書きましたが、違いましたね
500~1500くらいです
19:55 ;take
今朝、本当にS駅で飛び込みあったな
飛び込みがあった晩、≪死んで花実が咲くものか≫のCRでは早速、今朝のC線S駅での飛び込みのことが話題になっていた。
何人かは実際に7時前にC線S駅のホームまで行って飛び込みがあるかどうか確かめてきたのだという。
20:00 ;777
飛び込んだのは40代? くらいのおっさん。おっさんがmimiかどうかは分からない
実際に駅を訪れた人たちの目撃証言はほぼ一致していたが、肝心のmimiについての情報がなかったので、結局、飛び込んだのがmimiなのか別人なのかは不明のままだった。
場所も日時も宣言どおりだったわけだし偶然にしては出来過ぎだよね、と美佳は不安になりながらも飛び込んだのがmimiではないことを願った。もうこれだけ話題に上がったのだから、悪戯にしては洒落になっていないもののすでに十分成果を上げているのだから、悪戯なら悪戯だったでいいから早くそうだと言ってほしい。だから美佳はまたmimiがひょっこりCRに姿を見せないものかと思っていた。
そんな折、また不穏なメッセージが画面に浮かび上がった。
20:30 ;take
じゃあ、次はオレが死のうか……
画面上の文字を追っていた美佳の目が点になった。
強めに瞬きして、再度、画面を確認したが、見間違いではなかった。
20:30 :tama
???
take、お前もか???
20:31 ;miya
勝手にしやがれ!
20:31 ;take
ちょっとタイム!
いまの私じゃないよ!
mimiと同じ現象?
20:31 ;777
お前が誰だよ!? takeはオレって言うだろ?
20:31 ;take
ごめん、打ち間違い
オレ、オレだよ。
20:31 ;tama
(笑)
take、お前もか?
mimiに続けとばかりにお調子者がノリでまた自殺予告を書き込んだんだろうと美佳は邪推した。自殺予告もそうなら舌の根も乾かないうちに否定するところまでmimiと同じやり口。いい加減にしろと思いつつ彼女はブラウザを閉じた。