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死んで花実が咲くものか ⑱

 友達に冷やかされたりしながらも、美佳はなんとかその輪からtamaと共に抜け出した。


 tamaは


「今日、児島治子さんに会い行くんだ」


 と言った。


 一人では心許ないから、美佳と一緒に行きたかったということのようだ。


 治子とはA区のJRI駅の改札前で18時30分に落ち合うことになっているのだという。


 私が知らない間にもうそんなに話が進んでいたのか……と美佳は思った。




 彼女がサイトを見なかった昨晩、CR内の誰かが111の書き込みにあった“ 児島治子 ”に相談してみてはどうかと提案。最初はその提案を否定する声もあったが、明日は我が身であれば手段を選んでいる場合ではないというわけで、提案からまもなく、治子との面会が全会一致でtamaに託されたのだ。


 それから、児島治子が勤める会社の場所などをみんなで調べて、tamaに情報を提供した。


 CR内で111にも呼び掛けてみたが、111が現われることはなかった。


 さらにアポイントの取り方などをtamaに指南しているところへ、入退室を繰り返す不思議な人物が現われた。


~21:55 haruが入室しました~


 21:56 ;haru

 おじゃまします


 21:57 ;haru

 失礼しました


~21:57 haruが退室しました~


~21:58 haruが入室しました~


 21:58 ;haru

 おじゃまします


 21:59 ;GOD

 こんばんは haruさん


 まず、haruにGODが応じた。


 それからharuは会社には来ないでくださいと書き込んだ。


 22:04 ;haru

 tamaさんでしたっけ? 明日、18:30にJRI駅の改札前で待ち合わせでいかがでしょう?


 その書き込みを見て、haruに児島治子本人か尋ねてみれば、そうだとの返事。


 その返事を受け、みんなそれぞれに幽霊のことやこのサイトで起きている怪現象について尋ねてみたが、そうした質問には一切答えられないとharuは言った。


 22:15 ;haru

 込み入った話は明日、tamaさんに会ってからしようと思います

 では、本日はこれで失礼します




 18時20分。

 JRI駅前。


 駅から帰宅や帰社する人たちが出てくる中、改札から少し外れた出入り口の端の方に、スーツ姿の女性がtamaと書かれた手作り感溢れるプラカードを持って立っていた。


 あの人が、児島治子?

 幽霊が見える人……。

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