登校
「梨佳行くよーー!」
「はーいっ待って!お姉ちゃん!」
ガチャ
玄関のドアを閉める。
今日から授業も始まり本格的に高校生活がスタートする。
昨日は部活紹介とかあったけどまだ決めてないー。
美術部とかよさそうだったけどなぁ
「お姉ちゃん部活決めたー?」
「うーん。帰宅部がいいんだけどなぁ」
「西園寺先生が校則で1つは部活入らなきゃダメって言ってたよー?」
「そうなのか、、、んじゃバトン部かなぁ」
そういえばお姉ちゃん中学1年ぐらいまでバトン部入ってたなぁ
「梨佳、手っ」
お姉ちゃんがそう言うと手を差し出す。
「うんっ 」
そう言ってぼくはお姉ちゃんと手を繋ぐ。
昔からこんな感じだ。
最初の方はぎこちなかったけどね。
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今日から授業かぁ、、ついに私も高校生になったんだなぁ
「おーい美和ーー」
声を掛けてきたのは裕太と翔太だ。
翔太とは昨日喋って仲良くなったばかりだ
「裕太と翔太おはよー」
『おはよ』
「あんたら最近いっつも一緒にいるわね」
「まぁ高校生活の最初だしなそこは仕方ないわ」
裕太が言う。
「うん?あの前の二人手繋いでやがる!誰だよ!」
翔太が言う。
「いつも一緒にいる二人がいたわね」
「いつもじゃない、常にだ。」
裕太が言う。
しかも腕も組んでるし、
公共の面前で。
「翔太あれ梨佳と梨沙」
「え?・・・」
翔太が固まる。
あー思考停止したな翔太。
「いやだってあいつら姉弟だろ??」
「姉弟だが普通の姉弟じゃない。」
裕太が言う。
「普通じゃない?」
「あぁ、まぁ長くなるから昼休みに説明するわ。」
裕太が言う。
まぁ姉弟で手繋いでたり腕組むのはどう考えても普通じゃないけどね。
「しかしあれだな後ろから見ると服を逆にした方がしっくりくるな」
裕太が言う。
「確かに。」
梨沙のほうが身長も高いし、梨佳を守るように梨沙が車道側だ。
腕を組みにいってるのも梨佳だし、梨佳が女子の制服を着ている方がしっくりくる。
「おーい梨佳ー梨沙ー」
裕太が言う。
前の姉弟がぴたりと止まる。
「あっみんなぁー!!おはょーっ」
「おはよう」
梨佳と梨沙が言う。
その間も決して腕は離さない二人。
「いいのか?二人そのままにして?学校でなんか噂になっちゃうんじゃないか??」
ボソッと翔太が言う。
「大丈夫だよ。いつかはバレるだろうし」
裕太が言う。
心配する翔太をよそにバカ姉弟たちは正門をくぐっていく。