帰宅
《キーンコーンカーンコーン》
学校のチャイムが鳴る
中学とは違い少し高級感のある音だ。
『それじゃ本日はここまでですねー明日は部活紹介を兼ねた歓迎会がありますよー。楽しみにしてくださいねー♪それじゃー起立ー礼ーはいさようなら』
西園寺先生がそう言うとみんな颯爽と教室を出る。
「一ノ瀬くん?」
西園寺先生がぼくを引き留める。
なんだろう?
「なんですか?」
「制服の話なんだけと、メーカーの人から話は聞いたわ。」
「ぁぁ、はい。」
「わたしから理事長には言っておいたからいつでも女子の制服着てきていいからね!」
「はい??」
何を言ってるんだこの担任は・・・
「だって一ノ瀬くん、男子の制服似合ってないもの、女子の制服の方が似合うと思うわ。」
「はぁ・・・」
色々とプライドとかそこらへんがズタズタだ
「まっそーゆーことだからよろしくねーそれじゃまたあしたー」
そう西園寺先生が言うと教室を出る。
はぁ・・・まぁ公認は嬉しいやら悲しいやら・・・
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『だからですね・・・・・』
担任、話なげぇー
『それじゃまた明日!起立!礼』
ガラガラ
やっと終わった
「流石に長かったわね」
美和が言う。
「うん疲れた。」
悪い担任になっちまったなぁ・・・
「お姉ちゃぁーん!!」
廊下に響く高い声、梨佳に間違いない
「帰ろ!?」
そう言ってわたしに抱き付いて上目遣いをする梨佳。
女子力高すぎだろ。
「うん。帰る、帰るからとりあえず離れろ、みんな見てるから」
うん、みんなじーっとこっち見てるんだよな、
「あっ!・・・恥ずかしい・・・」
梨佳が言う。時すでに遅しってやつだ。
・・・・・・・・・・・
《《《可愛いー!!!!!》》》
クラス中、いや梨佳のクラスの子からも声があがる
「ほんとに可愛いー」
「これが一ノ瀬さんの弟」
「ほんとに男の子?」
「女の子にしか見えない」
「いや、ちょっとあんまり見ないでくださいー!!」
梨佳が質問攻めに合う。
「あらあら、相変わらずの大人気?」
美和が言う。
「まぁ想定内だけど・・・」
「お昼どっか寄ってく?」
「そうだなぁーパスタ食べたいかも・・・」
「んじゃ駅前のパスタ屋さんいこっか?」
「うん、梨佳!行くぞー!!」
「はぃっーっ!!それじゃみなさん!!さよなら!」
梨佳が駆け足で着いてくる。
こーゆーときほんとに女の子っぽいんだよな
うーん。まっ可愛いからいっか。