風邪
ピピピピ ピピピピ
「38.4だ。今日は学校無理だな。休まなきゃだ。」
「え・・・ゴホッゴホッでも・・・」
「いいから休め。他の人に移したら大変だろ?」
「うん・・・」
「一人でおとなしく寝れるか?なんだったら私も休もうか??」
「大丈夫・・・お姉ちゃんは学校行ってよ・・・。」
「分かった・・・。よっ」
そう言って私は梨佳を梨佳の部屋にお姫様抱っこをして
梨佳のベッドに下ろす。
「ありがと・・・」
「なんか帰り買ってきて欲しいのとかあるか??」
「うーん・・・杏仁豆腐とか??」
「分かった買って来るよ。それじゃ安静してるんだぞ?」
「はい・・・」
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「へぇ~梨佳が熱ねぇ・・・」
「今日起きたらだったからなぁ・・・」
「梨沙がまた梨佳に負担掛けてたんじゃないの??」
「そうなのかなぁ・・・大丈夫かな・・・梨佳」
「大丈夫でしょ?子供じゃないんだし。」
「ならいいんだけどな・・・」
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「えっ?梨佳さん熱出しちゃったんですか??」
「あぁ・38出てる。」
「梨佳くん仕事すっごく頑張ってたから・・・多分それで・・・」
「そんなことはないよ、梨佳だって好きでやってるんだから関係ないよ。」
「じゃあ授業終わったらお見舞いに行ってもいいですか??」
「あぁ・・・その方が梨佳も喜ぶかもしれないな。」
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「ありがとうございましたぁ」
よしこれで杏仁豆腐も買えたし・・・
結局みんな付いてきてしまった。
大丈夫だろうか・・・
ガチャ
「梨佳~帰ってきたぞ~」
「あっお姉ちゃん・・・にみんな来てくれたんだ。」
「大丈夫ですか?梨佳さん?」
「ぅん・・・まぁなんとか・・・」
梨佳はまだ熱があるのか頬が赤くなって目も潤んでいる。病人に言うのもあれだが凄く可愛い。
「お昼食べたか??」
「冷蔵庫に会ったヨーグルト食べたょ。」
「そうか・・・でもまだ食べないとだめだろ??」
「ぃや」
「何でだよ、食べないと体に良くねえぞ?」
「ぃや」
ったく・・・熱のせいかいつもより思考というか性格が子供になってやがる。
「梨佳くんってこんなに子供っぽかったでしたっけ??」
夏蓮が言う。
「昔はいつもこんな感じだったけどな」
「わたしお粥でも作りますよ、台所お借りしますね~」
「ぁあ・頼むよ」
こういうのは愛梨に頼むのが正解だな。
「薬はないの??」
「あぁ、朝飲ませたけど効いてなさそうだ。」
確かこの箱の中に薬があったはず・・・
「あっあった」
粉薬だ。半年前にお父さんがせっかく帰ってきたのに風邪引いて
飲んでたっけ・・・。錠剤よりもこっちのほうが効きそうだ。
「はい、できましたよ~」
「梨佳さん~あ~ん」
「・・・・ぉいし・・・」
梨佳が愛梨の作ったお粥を食べる。食べてくれないと栄養も付かないし
とりあえず食べてくれただけでも安心だ。
「梨佳食べ終わったな。んじゃ薬飲んでくれ」
「ぅん・・・それ・・・何?」
「粉薬だよちょっと苦いけど」
「苦いのやっ」
「でも飲まないと体良くなりませんよ?梨佳さん?」
愛梨が言う。
「苦いのいや!」
そう言ってそっぽを向く梨佳。
「困ったなぁ・・・」
「なんか手があればいいんだけどな・・・」
「ジュースに溶かしたり、お水に溶かして飲ませてあげれば?」
美和が言う。水に溶かすか・・・。
「最近はゼリーとかと一緒に飲ませるのが薬飲みたがらない子供の間で流行ってるそうですけど・・・」
夏蓮が言う。
う~ん・・・やっぱ水に溶かしてだな・・・!いいこと考えた。
「梨佳、ちょっとこっち向け。」
「なにもう?」
「ちょっとあんたが飲んでどうするのよ!!」
このまま梨佳の口に流し込んで・・・
「ちょっ!!んんんっっごく・・・ごく・・・・ぷはぁぁ!・・・」
「梨沙!!あんたなにやってんのよ!!」
「分かるだろ口移しってやつだ」
「梨沙さん!!羨ましいです!!私もしたい!!」
「私だって!!」
愛梨と夏蓮が言う。
「仕方ねえだろこの方法しかなかったんだから!ってお~い梨佳?大丈夫か~?」
「この薬ほんとに風邪薬か~??お~い梨佳??」
「梨沙のせいでこうなってんじゃない!!!」
あら?そうだったのか?まぁ梨佳の唇奪えたし一石二鳥だ。