デート
「暑いー!!」
「夏だもの。」
「梨佳ー!!暑い!」
「そんなこと言われましてもお姉さま」
「だめだ、死ぬ・・・」
夏休みに入ってはや1週間。
今日は野球部の試合がないので部活が休みみたいだ。
野球部の方も順調に勝ち進んでるらしく
明日勝てばベスト8らしい。
裕太くんと翔太くんも背番号をもらって
試合にでてるみたい。
「暑い!家にいるのはきつい!どこか涼しいとこ行こう!」
「どこにー?」
「水族館とか・・・ショッピングモールとか」
お姉ちゃんが言う。
水族館は行きたいかも・・・
「水族館行きたい!あと食料品も買わなきゃ!」
「じゃあ出掛けるか!梨佳、用意するぞー!」
久しぶりにお姉ちゃんとデート♪♪
嬉しいっ♪♪
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水族館に入る。室内がひんやりしていて気持ちいい。
ひんやりと言えば梨佳の格好・・・
短めのショートパンツにTシャツといってもユニセックスのだから
ほとんど女にしか見えん。
選んだ理由が涼しいから、だそうだ。
梨佳の優先順位は
女っぽい服<涼しい服
のようだ。それならスカートとかでもいいんじゃないか?
「うわぁー!!きれー!!」
「梨佳水族館好きだっけ??」
「うんっサメが好きなの」
「サメか、映画のやつか」
「あれはホホジロザメだよ、ぼくが好きなのはシロワニなの!」
「シロワニ?サメなのにか?」
「うんっ!すっごい怖い顔してるのに性格はすっごい大人しいの。」
「そうなのか、後で見てみたいなー。」
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世界のサメたち、と書いてある水槽だ。
「おーっ!!!すごぃー!!!!あっシロワニちゃんだー!!」
梨佳が興奮する。
「あれがシロワニか」
確かにすっげーでかくてこの水槽の主って感じを醸し出してるな。
しかも顔もこえー!!!何人か食ってるだろこいつ!!
歯もめっちゃ鋭い!!!
「うーんとどれどれ?」
《性格は見かけによらず大人しく人を襲うことはないとされている(温厚な性格であることから、この鮫を「巨大な子犬」と呼んだ学者もいる)》
そうなのか、巨大な子犬ね・・・
全然可愛くねーっ!!
「可愛いーなぁっ!! 」
梨佳って変態なのか??こんなのが可愛いなんて!
人は見かけによらないって言うしな。
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「お姉ちゃん楽しかったねーっっ!」
「あぁ・・・楽しかった!」
シロワニが強烈すぎてそれ以外ほとんど覚えてない、、、
あっあとタカアシガニ旨そうってくらいだったな。
まぁ梨佳が喜んでるならそれでいいけど。
「梨佳ー食料品買う前にお前服買えよ、最近ボロくなってんのあるだろ?」
「えー?まだ着れるよー??」
「着れるかもしれないけど買っといて損はないだろ、どーせ着れなくなるんだから」
「まぁ・・・そうだけどー」
「んじゃいくぞー」
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「ってなんで女の子の服屋さんにくるの!?」
「そっちの方が似合うからだろ」
「似合うからじゃないよ!ぼく男の子だよ?」
「でも夏は女の格好した方が涼しいぞ??」
「え?そーなの?」
「そりゃそーだよスカートとか露出する部分が多いんだから」
「そっか・・・なら、買ってもいーけど・・・」
やっぱり涼しければいいんだな。
単純と言うかなんというか・・・
《梨佳くん!梨沙さん!》
ん?誰?
「偶然ですね!まさか会うなんて!!」
「愛梨さん!なんでここに??」
「服買いにきてました!にしても今日の梨佳さんの服可愛いです。」
愛梨の肩には服を買ったのか紙袋がかかっている。
「そうなのか、今から梨佳の服を買いに行くんだけど一緒にくるか??」
「え?そうなんですか??行きます!!」
愛梨がそう言って付いてくる。
「どーゆー服を買うんですか?」
「女の子の服ー」
梨佳が言う。
「梨佳さん女の服でいいんですかー?スカート嫌がってたのにー」
「涼しいからいーの!」
「そうなんですか!じゃあ私のお薦めのお店があるので行ってみますか??」
「うん、頼む。」
梨佳に合う可愛い服とかに関しては愛梨の方が詳しそうだ。
わたしは愛梨とは系統が違うからなぁ




