制服のはなし
「ごちそうさまでしたぁ!」
お姉ちゃんが言う。
基本的にぼくがご飯を作る。
両親は海外で仕事をしていて、帰ってくるのは大体
年に4回ぐらい。なので、僕が家事全般をやってる感じ、、
まっ家事好きだからいいんだけどね!
「それじゃ行こっか」
お姉ちゃんが言う
真新しい制服に身を包んで玄関の鍵を閉める。
「制服、女の子のにすればいいのに、、、」
お姉ちゃんが言う
「やだよ、僕男だし、それに」
「それに??」
「色々と面倒なことになりそうだもん。」
「まぁ、、梨佳絶対女子の制服の方が似合うのになぁ、、」
お姉ちゃんが残念がる。
実は高校に入る前の制服採寸で採寸してくれた制服メーカーの
おばちゃんが僕の顔を見て男子じゃなく女子の方に○を付けてしまったらしく、1ヶ月前に届いた僕とお姉ちゃんの制服は
両方、女子の制服だった、、お姉ちゃんはそれでいいって言ってたけどね。 結局メーカーのミスなので男子用も作ってもらって、丁度1週間前に届いたんだけど、せっかくなので女子用の制服使ってくださいって言われちゃったし、、、
まぁ予備にはいいかもだけど。
結局僕の部屋にある制服は男子用の夏服と冬服、女子用の夏服と冬服、女子用の靴下など、なんか色々とある。
まぁ試着して似合ってたのは女子用だったけどね、、、笑
「あっ校門見えてきた!」
お姉ちゃんが言う。
「クラス表張ってあるかな??梨佳と同じクラスがいいなぁ!!」
お姉ちゃんが言う。
一応連れ子といっても姉弟だしそれは無理そうだけど、、、
『ギャー!!!』
クラス表張ってあるところが騒がしい。
「梨佳あれ、、」
「うん。お姉ちゃん、あのお方ですね。」
「あっ梨佳ー!梨沙ー!!」
そう言って声を掛けてきたのは中学から一緒の前田美和
ぼくは美和ちゃんって読んでるけど
「わたしまーた梨沙とクラス一緒。」
美和ちゃんが言う。
そういえばお姉ちゃんと腐れ縁なんだよねー
「あー!!梨佳とクラス違うー!!そんな!!こんなこと!!」
お姉ちゃんが発狂する。
僕としてもちょっと残念。
「わたしも梨沙じゃなくて梨佳と同じクラスがよかった」
美和ちゃんがぼそっと言う。
「美和に梨佳を預けてたらいつ梨佳が襲われるか分からないよ」
お姉ちゃんが言う。
「なんやてー!!?!?」
美和ちゃんがお姉ちゃんの頬を掴む。
「ごむめん!ごむめん!」
お姉ちゃんが謝る。あっこの顔も可愛いかも。
「おーいおーい」
男の野太い声がする
「おっ裕太じゃん!」
美和ちゃんが言う。
「俺は梨佳と同じクラスか。よろしくな梨佳」
「うんっよろしくね!」
「裕太、これから梨佳に降りかかるであろう害虫女どもから、梨佳を守りなさいね」
お姉ちゃんが言う。
そんな言い方しなくても、、、笑
「いくらでだ?言い値でいいか?」
裕太くんが言う。
「あんたいつから現金主義に?」
美和ちゃんが言う。
「そろそろ将来のことも考えて貯蓄しないとな、将来困るのは自分だからな」
裕太くんが熱を帯びながら話す。
「梨佳、中に入ろ」
お姉ちゃんが裕太くんと美和ちゃんをよそに校舎へ僕の手を握る。
校舎は綺麗で最近、改装してきれいになったらしい。
最近は地震とか多いからちゃんとしないとね。