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Schwert Magie Online  作者: 人生再起動
2/2

1話

「あと20分と21秒・・・ あと20分と20秒・・・」



高2の夏休み真っ只中、俺は《バーチャルボックス》の中で【SMO】サービス開始を心待ちにしていた。


俺、白木しらき 直人なおとは県内の高校に通うごく普通の高校生だ。


部活には所属していないし、友達も特にいない。


色恋沙汰に関しては、生きてきた17年間で一回もそういうイベントに出くわしたことがない。


友達がいないからといって、イジめられているとかいうわけでもなく、本当に何の特徴もないごく普通の高校生だ。


趣味はゲームで、夏休み中である今は一日に10時間以上はゲームをして過ごしている。



「あと5分と8秒・・・ あと5分と7秒・・・」



【SMO】サービス開始もあと5分に迫っていた。


にしても、【SMO】は初回ロットがたった5万人だったから、買えて本当にラッキーだった。


1秒でも早く【SMO】に飛び込んで、人より強くなりたい。



「あと2分・・・ あと1分と59秒・・・」



【SMO】に飛び込んだらまずは何をしようか。


レベル上げをしにダンジョンの1階層へ真っ先に向かおうか。


武器屋や防具屋へ行き、装備の値段などを見にいこうか。


道具屋へ行って薬草などのアイテムを補充しようか。


楽しみがどんどん膨らんでいく。



「あと1秒・・・ 0!」



0時ピッタリになり、【SMO】が起動し始める。


催眠誘導が始まり、俺は心地よい眠りについた。


眼前には、様々な《スキル》が表示される。


《スキル》は、《片手剣》、《斧》、《弓》などの様々な武器スキルから、《鍛冶》、《鑑定》などの生産系スキル、《暗視》、《索敵》、などの戦闘系スキル、《裁縫》、《料理》、《建設》などの趣味系スキルなどが様々ある。


ゲーム開始当初は、好きなスキルを3つまで自由に選んでいいそうだ。


そして、レベルアップしていけばスキルスロットはどんどん拡張していくらしい。


スキルと魔法は関係なく、説明書によると魔法はゲームの中で様々な条件を満たせば、扱えるようになるらしい。


あとは称号というのもあるらしく、その称号も様々な条件を満たせば身につくようだ。


とりあえず、武器スキルを一つでも選ばないと武器を装備することが出来ないので、俺はまず《片手剣》スキルを選択する。


あとの2つは何を選べばいいんだろうな・・・


《暗視》や《幸運》などが一番便利そうな感じはする。


それと、《応急手当》というスキルもかなり便利そうだ。


まあ《暗視》と《幸運》の2つにするか。


俺は3つのスキルを選択し、これでいいですかの問いにイエスを選択する。


次にプレイヤーネームを選択してください。と出てきたので、「Shiro」と入力する。


白木しらきという名前からとって「Shiro」安直過ぎるがずっとゲームでの名前はこうしている。


名前「Shiro」

レベル 1

スキル《片手剣》《暗視》《幸運》

武器 さびれた剣

HP 15

筋力 10

敏捷力 10

防御力 10


これでいいですかの問いに再びイエスを選択する。


イエスを選択した途端、目の前が無機質な画面から広大な町へ切り替わる。


・・・すごい。これが仮想空間の町か。


再現度高すぎるだろ。これ。


どうやらこのゲームはアバターなど作らずにリアルの姿でプレイするのか。


ネカマなどがいなくなって安心だな。


町には溢れんばかりのプレイヤー達が目を輝かせていた。


俺のようなゲーマーがゴロゴロいて、なんか仲間意識を感じるな。


さて、早速俺はダンジョンの1階層へ突入しよう。



――――――



「ガオオオオ!」



咆哮を上げて突撃してくるイノシシ型のモンスター「レッド・ワイルドボアー」の攻撃を、俺は何とか避ける。


初期装備のさびれた剣でレッド・ワイルドボアーの腹部を思いきり切りつける。


レッド・ワイルドボアーは「グオオオ!」と苦しそうに叫び、光の中に消えた。



「すげぇ・・・ これが【SMO】の戦闘か・・・」



俺は初めてのモンスターを倒し、この世の戦闘の圧倒的なリアルさを全身で確かめていた。


《幸運》のお陰か、最初の1匹目で「イノシシの毛皮」というアイテムをドロップした。


多分初期のアイテムだからそこまで金になるものではないだろう。


さて、この調子でしばらく安全に狩りを続けるか。



――――――



狩りを続け、俺は3レベルに上がっていた。


3レベルになっても、スキルスロットはそのままで、魔法や称号もないのでもっと上のレベルにしなければスキルスロットは拡張せず、魔法や称号は覚えないらしい。


まあ、魔法や称号に関してはレベルが上がれば覚えるとは書いてなかったんだけど。


さて、そろそろ眠くなってきたしログアウトしようかな。


現在時刻は早朝の5時だ。


あれから寝ずに5時間ゲームをしていたので、かなり疲れがたまっていた。


俺はメニューウィンドウを開き、ログアウトボタンを探す。


・・・あれ、おかしいな。ログアウトボタンがない。


見間違いかと思って隅から隅までログアウトボタンを探すが、やはりなくなっている。


運営のバグか? ログアウトボタンがなくなるなんてバグ、相当叩かれるのを覚悟しておいた方がいいだろうな、運営。


呑気に捉えていたが、よく考えたらヤバくね?


ゲームの中から出られない・・・? いや、まさかそんなことないだろ・・・










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