〜第一節〜目覚めた力
〜前回まで〜
ThirdGameの会場にやってきた俺たちは次のゲームへ。
10人ずつのチーム戦だった。運良く剛と同じチームになり、剛はトップバッターとしてメインルームにむかったのだった。
『じゃあ、行ってくる。』
龍斗にそう告げて俺は部屋をあとにした。
廊下は冷んやりとして俺の恐怖をいっそうかきたてた。
もう、このLife Risk Gameが始まってから、相当な時間が過ぎ、俺は肉体的にも精神的にも限界に達していた。
俺たちは本当に勝てるのだろうか?俺は悩んだが、自分の顔を叩き気持ちを切り替えた。
『うつむいたって、始まらない
絶対勝ってやる!』と自分に言い聞かせ。メインルームに入った。
俺の部屋は円を三等分した形の部屋で、アイテムを渡す窓口みたいなのとアイテムが置かれていた。
『おえっ!』
俺は軽い吐き気に襲われた。アイテムの天使の翼、神の雫が綺麗なとこまではいいが、悪魔の心臓が妙にリアルでグロテスクだった。
『それでは、始める。』
その頃龍斗は…
俺達は一切ゲームがどうなってるか分からない。伝えられるのは結果のみだ。
この緊迫した、場で俺にできるのはただ結果を待つ事だけだった。
『それでは始める。』
タイマーが時を刻み始めた。
俺はとにかく質問しようと、右隣の人に質問する事にした。
──何チームですかって聞いて答える奴いないよなー
俺が悩んでる内に相手から質問された。
『あなたは、悪魔のチームですか?』
──ええー!!いたーここにいたー!
俺は当然嘘で
『はい、悪魔のチームです。』
と答えた。馬鹿だな〜と思いつつ
俺は質問を考えていた。
そうしてるうちに
『ぼっぼっ僕は、神のチームと悪魔のチームと戦いたくないです。あなたはどうですか?』
今度は反対側に質問された。俺は可哀想に思えたので優しく答えた。
『そうですね。』
俺は結局、質問出来ないまま、残り5分となった。
突然、俺の頭に雷が走るイメージが流れると共に俺の全身の鼓動が速くなるのを感じた。
今まで隠していたが俺は頭の中に雷が走るイメージ流れると頭脳、身体能力などが大幅に向上する能力があった。
勝てる!俺は心の中で確信した。
右側の奴は俺が神のチームだと勘付いている。何故なら嘘をつかれるとわかって聞いたんだ。だから、俺のいった。悪魔のチームは嘘だってことをな!
それと逆に右側の奴が天使のチームってことが分かる。相手は俺のチームは何チームなのかというのは2択のはずだ、だから自分のチームは質問しない。つまり、あいつは悪魔ではなく神のチームでもないつまり天使のチームと言うことだ。
左側の奴は怯えてる演技をし俺にあいつは天使のチームだと思い込ませた。
何故なら神のチームと悪魔チームと戦いたくない=あいつは天使のチームでも神のチームでもない悪魔のチームと言うことになる。
俺は見事に推理した。
しかし、ここからが問題だ。
相手をどう利用して、神のチームを増やすかだ。俺は更に頭を回転させた。
『チェックメイト!』
俺は指を鳴らし、閃いた!
俺は早速、右側(天使のチーム)に質問(って言うより会話)をした。
『俺に提案がある。お前は俺が神だと言う事を知っている。だから組まないか?お前に1人はやるから、俺は神のチームのままでいさせて欲しい。だから、俺には【神の雫】を渡してくれ!その代わり俺はもう1人に【神の雫】を渡し、お前が【悪魔の心臓】を渡せばお前は得をする。』
すると
『あんたは俺が天使だと言う事を分かっていたんだな。しかし、そんな美味しい話、断る理由が無い。』と答えてきた。
ここまでは俺の予想どうりだ。
さてと、俺は今度は左側(悪魔のチーム)の奴に話かけた。』
『お、お、俺、も、もう怖くなってしょうがないんだ。俺は天使のチームだ。だから、お願いだ!助けてくれ!』
『わかりました。何とかします。』
俺の猿芝居にまんまとひっかった。これで俺は、右側に【神の雫】左側には神の雫じゃなくて、【天使の翼】を渡せば俺の勝ちだ。
その頃、左側の(悪魔のチーム)では、
よし、俺の作戦芝居が聞いたようだな。 よし、今度は反対側(天使のチーム)だ!
『質問じゃ無いんですけどお願いです。僕、反対側(剛)の人に裏切られたんです。どうか反対側に天使をいれてください』
『裏切るなんて、ひどいな!わかった。何とかする!』と承諾してくれた。
あとは、両方に【神の雫】を渡せば俺の勝ちは決定だ!
そして右側(天使のチーム)では、
馬鹿め俺がそんなお願い聞くわけないだろ!俺は組んでるんだよ!
俺は神のチームに【神の雫】反対側(悪魔のチーム)に【悪魔】を渡せば1人は俺のもんだ!
そうして剛の計算どうりことが進んだ。
残り1分を切り、俺は右側の受け渡し窓口に【神の雫】左側には【天使の翼】を置いた。
『時間になった。第1 ゲームの結果は
悪魔のチーム種族は神に。
天使のチーム種族は神に。
神のチーム種族は変わらず神だ。
よって、神のチームは2人増え、その他のチームは1人ずつ減少だ。』
結果は俺の予想どうり完全勝利をおさめたのだった…
『……!!?』
剛が完全勝利?そんな、あいつどうやって…俺は結果のアナウンスの言ってることが信じられなかった。
そこへ剛が戻ってきた。
『皆、やったぜ!』剛は子供のようにはしゃいでいた。
『剛、お前どうやって勝ったんだ?』
『そ、それは、俺、特別な力があるんだ。突然、頭に雷のイメージが流れると頭脳や身体能力が大幅に向上するんだ。ごめん、今まで黙ってて!』
剛は俺に謝ってきた。
『気にすんな友達だろ!』
俺は清々しい気分だった。
──友達っていいな!
その後も俺達は連勝を続けラストゲームまできた。
悪魔のチームは第9ゲームで0人に達して、死の制裁を下された。
俺は怒りの感情がこみ上げてきた。
──いったいどれだけの人を傷つけたら気が済むんだ!
俺は心で叫んだ。
『ラストゲームを始める、最後の代表者はメインルームに集まれ!今は獲得人数5対5これで勝った方がThirdGameに進出する!』
『行ってくる!!』
俺は怒りごもった声でサブルームを後にした。
〜次回予告〜
〜第三節〜怒りの終極
勝敗は龍斗にまかされた。
龍斗は怒りに自分の力が目覚めつつあった。
新たになゲーム。龍斗は勝つ事ができるのか?