〜第一節〜始まりのサイト
書き直し第一弾です。
〜第零章〜プロローグ
鳥の鳴き声と朝の陽射し…
部屋の中に響き渡る目覚まし時計の音に高校生は目が覚めた。
男子高校生は起き上がり。朝食を済ませ黒い制服に身を包んだ。
【東高等学校 2年1組 哀川 龍斗】と記された生徒手帳を鞄に入れ高校生は学校へ行った。
突然だが
俺は平凡にに学校に通うごく普通の高校生
哀川龍斗だ。
他人がどうだろうと俺には関係ない。
なんでそう思うかだって?
そんなのめんどくさいと言う理由以外に無い。
そう、俺はめんどくさがりや。
そんな俺の日常は朝起き、学校に行って勉強して、家に帰り、風呂はいって、飯くって、寝るそんな平凡な日々を暮らすはずだった。
だが…あの日から俺の日常は大きく変わってしまった。
全ての始まりはある日の夜、あるサイトのある記事を読んだことからだった。
ある日の学校。時計は3:40分を指すのと同時にチャイムが鳴った。
──今日も終わった
めんどくさい学校が終わり安堵の息を吐いた龍斗は支度を終え家に帰宅した。
『ただいまー』
と言った龍斗に返ってきたのは、虚しくも沈黙だけだった。龍斗の父親は単身赴任で遠くで暮らし、母親は俺がまだ子供の頃に帰らぬ人となってしまった。だから「おかえり」と返事を返してくれる人なんていなかった。最初の頃は、孤独を感じたが今ではもうこの生活に慣れていた。それからはいつも道り、ゲームしたり、勉強したり、食事したり、いつもの平凡な生活をを過ごしていた。
日が沈み空が漆黒の黒に染められた頃、俺は風呂からあがりぬれた髪を拭きながらパソコンを押した。パソコンはうなりをあげ画面を表示した。このパソコンは龍斗がまだ幼い頃にお父さんに貰ったものだった。だからパソコンにかなり詳しかった。龍斗は慣れた手つきでお気に入りのサイトを開いた。
そのサイトとは世の中の都市伝説を書いたサイトだ。龍斗は面白い記事がないか記事を一つ一つ目をこらして見ていた。
──見た事あるのばっかだな。
どれもみたことのある様な都市伝説の記事だったのでだったので諦めて寝ようと思った龍斗の手が止まった。画面には
new!!『ある高校の人々が姿を消した』
と言うタイトルの記事が画面に映し出されいた。
「面白そうだな。」
龍斗は独り言をつぶやきながら興味深そうに記事をクリックした。パソコンが古いせいか画面を表示するのに時間がかかる。
人差し指でリズムを刻みながら机をたたく。あまりにも遅かったため龍斗はいらだち始めたがそれとともにいっそう興味にそそられた。
ようやく開いた画面に龍斗は「待ちわびた」という顔で画面を見ると3段程度の文章で内容が綴られていた。龍斗は3段の記事を目で追って読んだ。
…始まりは今から15年程前、ある高校から人々が姿を消した。生存者は数人だった。そこでは命を懸けたゲームが行われてる事以外何もわからず、その日以降いくつかの高校に限らず沢山の会社など人が集まるところから人々が姿を消した。その人達はこの世に存在しなかったことになっていた。そうしてこの事が表向きに出ることはなかった…
読み終った。龍斗の背筋に寒気が走った。なんでかわからないが、この記事には想像出来ないほどの事が隠されてる。これ以上は知ってはいけないと言われているような気がした。
──なんだろう。
龍斗は違和感を覚えた。龍斗は記事に夢中になって気づいた時には時計は夜中の1:42分を差していた。
「やっべ、明日起きれねー。」
龍斗は急いでパソコンをシャットダウンし布団に入った。
翌日の朝、昨日の事を忘れ今日も重い足取りで学校へ行った。龍斗は学校に向かう途中楽しそうに話しながら話す同じ中学校の生徒を見かけた。
──俺に友達はいない、いたとしても親友と呼べる程の仲じゃない。だから、俺は1人でいいんだ。1人で…
言葉とは裏腹に龍斗の顔には少し悲しげな表情を浮かべているように見えた。
教室にはいると一応、友達の涼宮
すずみや
威
たける
が突然、龍斗の前に現れ話しかけて来た。
『昨日の【いきなり都市伝説】観た?あれマジ面白かった。』
──都市伝説か…
…高校から人々が姿を消した…
昨日の都市伝説の記事のタイトルが龍斗の脳裏をよぎった。
「……」
威はぼっとした龍斗を見て心配そうに聞いてきた。
『龍斗、どうした?ぼっとしてなんかあったのか?』
──こいつに話しても何も変わらない。
龍斗はそう思いなにも言わなかった。
「ううん、なんでもない。それより、もうチャイム鳴るから座るわ。」
龍斗は席に座った。授業中、威は龍斗を見ていた。
──やっぱりなんか変だな。気分転換に本屋でも誘おうかな。
それから変わった事も無いまま時間がすぎ最後のチャイムが鳴り今日も学校が終わった。チャイムを聞い威は龍斗の元に歩み寄った。
『龍斗、これから近くの本屋いかね?今日漫画の発売日なんだけど』
「わりぃ、俺はパス!今日は一人で行ってくれない?ちょと疲れちゃって…」
──あの事についても気になるし、何より別にあまり親しくもないのに行くのがめんどくさい。
『わかった!!じゃあ明日な!』
少し残念がってた威はそう言い帰ってしまった。
龍斗も学校を後にし家に向かった帰り道。
重い荷物を持った老人が斜め前の道を歩いていた。しかし、「助けよう」なんて気は微塵も起きなかった。
──だってめんどくさいしそんなわざわざ人の為に何かをするなんて、余程心が広いか愚かな奴がやる事だ。
と思い老人の横を素道りした。
家に着いた俺は。昨日の記事が気になった。もう調べては行けない直感に好奇心が勝った。龍斗は早速パソコンを立ち上げ昨日のサイトに他に関連している事は無いかと調べた。
すると新しいコメントがありそのコメントにはブログのURLが載っていた。龍斗は好奇心にあおわれURLをクリックした。
飛びんだ先はとあるブログだった。その記事の内容は新たな手がかりと衝撃の事実が書かれていた。
とんだ先にはあの都市伝説で生き残ったと言う人のブログだった。
記事にはあのサイトとは比べ物にならない衝撃の記事が書かれていた。
ーーーーー失った高校生活ーーーーー
…私は今から一週間ほど前ににとんでもない体験をしました。それはいつも道りの学校生活に突然起きたのです。あれは三時間目が終わったころぐらいでした。教室を出て行こうとする男子達の方が騒がしかったので耳を傾けると
「ドアがあかない」と騒いでいたので気になった私はドアを開けようとしたのです。すると男子達の言っていたように開かなかったのです。その事はすぐに教室中に広まり皆、教室から出ようと窓を開けようとしたり、ドアに体当たり、ついには椅子を窓に投げつけるなどしましたが出れませんでした。
私達は途方にくれていました。その時教室の放送スピーカーにノイズが入ってみんなは異変にきずき静まるとスピ−カーから何者かの声が聞こえて来ました。
『Life Risk Gameを始める。お前等の学校は俺たちのいるFeizers
フェイザァース
の時空間とリンクした。これからお前等には命を懸けてゲームしてもらう』
と言う言葉にパニックになった私は気絶したらしく気がついたときには自分の部屋のベットに寝ていました。最初は夢を見ていたのだと思いましたが。
高校がある場所に行ってみるとそこはただの空き地でした。怖くなって帰った私は鞄を見ると無いのです。学校の教科書、筆記ケース何もかもがなかったのです。唯一あったのは高校の親友にもらったキーホールダーだけでした。私の事を信じてください。これは都心伝説ではないんです。お願いです私の友達、高校生活を返してください…
南高等学校 2年3組 吹雪 零花
ーーーーーENDーーーーー
『もしこれが、本当だったら…』
あまりの驚きに唖然とし言葉を失った。龍斗は文章を読み終ると文章を読んだ事を後悔した。
──この文はどう考えてもふざけて書いているとは思えないな。もし彼女が言ってる事が本当に起きたなら
…これからお前等には命をかけて戦ってもらう… …生存者は数人…
…高校から人々が姿を消した… …教室から出れない…
俺は想像し恐怖した。そんな俺の目に入ったのはアクセスカウンターだった。アクセスカンウターを見ると1アクセス。龍斗が最初のアクセスだった
気になった俺は文を保存しもう一度都市伝説のサイトに行きコメントの欄を見ると
──無い
さっきまであったコメントはどこにも無かった。
──さっきのサイトはいったい?
龍斗は保存フォルダを見た。そこには確かにさっきのサイトの内容が書かれていた。
すっきりしないまま朝をむかえた。
大地を照らす陽射しは昨日の事実を忘れさせるようだった。教室で1人龍斗は考えていた。
──この都市伝説が本当だとしても俺には関係ない。前の俺ならそう思ったかもしれない。だけど、あの彼女の言葉が心に残った。
…わたしの友達、高校生活を返してください…
──もし威なら俺がいなくなったらそんな風に思ってくれるのかな?
龍斗は初めて、こんな気持ちになった。誰かの為に何かをしたいと。
──めんどくさがりの僕がか…
だが、こんな龍斗がそんな事を考えて変えられるほど世の中は甘くない。
「やっべ!遅刻する。」
そんな事を考えるうちに遅刻ぎりぎりの時間帯になっていた。龍斗は口にパンを加えバックを背負って学校に走っていった。
因に龍斗はそこそこ運動が出来る方だった。なので、遅刻も何とか逃れる事が出来た。
龍斗が席に座った瞬間、チャイムが鳴った。そこから朝の会が始まり一時間目が始まった。
授業中、龍斗は一つの結論を出した。もうちょっとFeizers
フェイザァース
事件を調べてみようと言う結論を。
──Feizers
フェイザァース
事件とは俺が勝手に付けた都市伝説の名称だ。
……かわ…… …あ…かわ…
──それよりあの文に書かれていたフェイザァースとは何なんだろう?声の男は何者なのだろうか。
哀川!
「はいっ」
我に返った龍斗はあわてて返事をした。どうやらまた夢中で考えてしまったらしい…
『哀川!さっきから何回よんだと思ってるんだ!一回で返事しろ!!』
先生に怒鳴られた。
「すみません…」
『もういい。他にこの問題がわかる人挙手、じゃあ山崎。』
龍斗にあきれていた先生が問題を他の人に答えさせていた。
──はぁ…
龍斗はため息をついた。
──知っていると思うが正直、俺は学校があまり好きじゃない。だけど、将来暗い人生を歩むよりはまだまし、だから俺はこうして学校にはちゃんと行っている。
六時間目が終わり喜びに浸っていた時に威が俺に話しかけて来た。
──また遊びの誘いか?しつこいな。
龍斗は心の中で当惑していた。しかし、威の口から発せられた言葉は意外だった。
『龍斗、お前最近変だぞ、何かあったら俺に相談しろよ』
ここまで優しくしてくれる威に疑問を抱いた龍斗は威に聞いた。
『俺はお前に冷たくしてるけど…なんでお前は俺をこんなに気にかけてくれるんだ?』
威は少しいかつい顔で即答した。
『そんなの友達だからに決まってんだろ!』
今まで聞いた事の無い声の大きさに龍斗はキョトンとした顔をしていた。クラスメート達はこちらに視線を向けいた。視線が嫌だった龍斗はすぐに
「ごめん、心配してくれてありがとな。」
と言って威に別れを告げ急いでバックをもって家に帰った。
威は龍斗に複雑な感情を抱いていた。
──龍斗は俺の事どう思っているのだろう。
龍斗は家についた。今日は何かする気分になれず龍斗はベットに入って考えた。
「友達……か」
龍斗は【友達】と言う存在に気にし始めた。
──威は俺の事あんな風に思ってくれてたんだ。でも俺はたけるのことを…
龍斗はいつもみたいに学校の椅子に座っていた。にぎやかなクラス、教室を明るく照らす太陽それらは平凡な日々だと言っているように思えた。
しかし、破滅は突然やってきたのだ。
『どうなっているの、ドアが開かないんだけど。』と叫ぶ女子の声。
『窓も開かない!』と嘆く男子。
──こ、これは…
そして、スピーカーから聞こえ男の声からクラスメートたちは悲劇的なゲーム【Life Risk Game】が始まり生き残れるのは1人と言う条件の下でクラスメート達は命懸合い姿を消していった。
気がつくとそこには龍斗と威だけ。教室は孤独にも2人しかいなかった。みんな消えてしまった。
──生き残れるのは一人だけ
その言葉が龍斗達を苦しめた。
しばらく、教室には沈黙が続く。その沈黙を破ったのは威だった。
威は決心した表情で龍斗に告げた。
『俺はお前に生きてほしい。昨日、お前が「ありがとな」っていってくれてとてもうれしかったぜ。俺は友達にそう言ってもらえるだけでもう十分幸せだ。』
最後に威は
「龍斗、これからは新しい友達ができたら、そのときは友達の大切さ分かってくれ。…俺の分まで生きろ!」
そう言い残し威は光となって空に吸い込まれるように消えていった。
龍斗は気がつかされた。″友達〟という存在が人にとってどれだけの大きな存在かという事に。
龍斗の頬に静かに一筋の涙が伝った。
「俺は「友達なんかできなくていい」なんてただの気の紛らわしだったんだ。本当は親友と呼べる友達が欲しかったんだ。」
心の噓に気づいたがもう既に遅かった。もう威はいない。龍斗は膝から崩れ落ち威を奪った空に向かって叫んだ。
「威るぅううううう!」