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第6話 依頼

 夕食後にユウナさん達から話があると言っていたが、それまでは暇なのでリイナから家で魔術についてマンツーマンで習っていた。


 曰く、魔術は二種類に分けられていて、俺が良く知っている火や水を出す魔術を“魔法”と言い、魔物を召喚する魔術を“召喚魔法”と言うこと。

 召喚魔法は使用する魔力が少ないため、一般的に人気で多く使用されていること。

 また研究されて技術が進歩していること。

 詳しいことを言うと、召喚魔法はさらに二つに分類することができ、転移召喚と精製召喚に分けることが出来る。

 転移召喚の方が精製召喚よりも、あまり大差はないが転移召喚の方が魔力を多く消耗すること。

 転移召喚は召喚したい魔物と自分との間に扉を開き召喚する。

 精製召喚は召喚したい魔物の媒体となる物を使い、一から魔物を作り出して召喚する。


 一方魔法は応用力こそあるが、魔力を多く消耗してしまうため、あまり使われず人気が劣っていること。

 こちらも詳しいことを言うと、空気中には魔力が満ち満ちておりそれを魔法に変換させて、または自分の体内にある魔力を魔法に変換させて発動する。

 このとき呪文を唱えたり陣を描くことで、魔法をよりスムーズに発動させることが出来る。


 買い物で例えるなら、安くて質の悪い物を買うか、高価で質の良い物を買うか、と言う話になる。

 これは俺の考えだが、ある程度時代が過ぎれば応用力がある魔法の方が多く使用されるだろう。


 国同士の争いとなると、召喚魔法で召喚された魔物は次々と殺され減っていく訳だから、魔力が尽きない限り無限に使える魔法の方が最終的に重宝されると思うからだ。



 次に魔力の事だが、基本的に誰にでもあるが、その量は個人差があるらしい。

 自分自身の魔力を回復させるためには空気を吸って回復させるか、睡眠をとるなどというスタミナを回復させるか栄養を取るなど。

また、自然と回復することが出来る様だが、あまり早くはないらしい。


  また、召喚魔法と魔法の二つに共通することで、出来上がる魔法をより精密に想像することでより強力な魔法を発動することが出来るらしい。



「………とまあ、魔術については大体はこんな感じだね」

「なるほど……」


 何時間も授業を受けていたので、最後のあたりはあまり頭に入らなかったが、今のところ大丈夫そうだ。


 蛇足だが、俺が常時魔法を発動しているのに初めに気付いたのは、実はリイナだったりする。

 しかし、なぜこの様な魔法を俺が常時発動させているかは、今のところ不明だ。






 ✝ ✝ ✝




 昼食を取った後、俺は不良達の一人に村の案内をしてもらっていた。



「………で、あっちが村長家、あっちに見えるのが領主様の家」


 へぇ、やっぱ村長と領主は別々にいるのか。


「じゃあ、村長と領主様の悪い噂って聞いたことある?」

「いや、特には聞かない」

「生活は苦しくない?」

「全然、むしろ楽だな。てか何でこんなことを聞くんだ?」

「ん~?ただの興味本位だ、気にするな」


 内心焦りながら、適当に誤魔化す。

 領主の館が地味に豪奢なのは気のせいか?



ちなみに、この案内は散歩という名目が俺にとって非常に高い。

 リイナの授業で頭パンク寸前だったからな。


リイナも誘ってみたが、まだ本が読みたいらしく何やら難しそうな本を手に取って、行きたくないオーラを出していたので俺一人で外出して案内してもらっているという訳だ。

 もしかしたら、不良達に会うのが怖いのかもしれない。





 ✝ ✝ ✝




 で、その日の夜、予定通りユウナさん達から話があるから夕食後もここにいろ、と言われた。


「単刀直入に言うわ……リイナの護衛をしなさい」

「今でも半分している様なもんですけど?」


 異世界に来て始めての知り合いだし、いじめられてたしで、結構一緒にいたからな。


「いいえ、そう言う意味じゃないの。これからリイナにはかなりの間、都市に滞在してもらうことになって………。だから一緒に行ける信頼出来そうなあなたに頼んでいるの、お願い……」

「………もし断わったら?」

「そのときは、村長か領主に不審人物として突き出すわ」


完全に脅しじゃん………。


「ユウナさん達は都市に一緒に行かないんですか?」

「私達は私達でここから引っ越す準備をしなくちゃいけないの」

「えっ!何でですか?……もしかしてリイナを捨てて逃げるって言うんじゃ…」


俺の予想を聞いてビックリしたユウナさんは苦笑いをしながらきっぱり否定する。


「ちがう、ちがう。引っ越しに少し手間がかかるだけで別にそんなことはないから」


それに、とユウナさんは続けて言う。


「私達も都市に引っ越すから。まぁ、当分は一緒に暮らせないけど」

「どういうことですか?」


 さっきから、どうも単刀直入すぎてどういうことか分からない。


「リイナには都市の方にある魔術学校に通ってもらうことになったの。でも、ほら……あの子あの性格だから誰かに見守ってほしいのよ。それでちょうど良くあなたが現れてくれた。………あぁ、あと断ることはできないわよ。もし断るようなら領主につき出すから」

「いいですよ。引き受けます。ご飯食べさせてもらってるし、家にも泊めてもらっているし、何より俺のことちゃんと知っているのユウナさん達しかいないし。………というかなんで急にこんなことになったんですか?」


「…長くなるわよ」


 言葉と一緒に放った微笑みはこのことは誰にも言うな、と行っているみたいだった。



次回も説明会になりそうです。


あと、感想いただけると嬉しいです。

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