第1話 勘違い
再度現状報告をさせてもらう。
目が覚めるとそこは、家の中だった。
家の中といっても、日本にある現代風のものとは違い、ドラ○エの民家みたいな感じだ。
詳しくは知らないが、多分中世ヨーロッパのものに近い…と思う。
そういえば何か忘れている気がするが、よく思い出せない。
思い出す材料を探すために周りを見たら、赤くよく分からない文字で円陣っぽいものが描かれていて、その真ん中に俺が立っているいる状態だった。
あと変な道具(髑髏や十字架)がたくさん置いてあった。
円陣の外側には淡い黄色のワンピースを着た女の子が泣いてるし…
しかもサラサラロングの金髪が服との雰囲気があっているて、とても綺麗だ。
顔は見えないけど、これは絶対に美人に違いない。
っと、いけないいけない、目の前で泣かれているのに何冷静に状況把握をしているんだ。
とりあえず、声をかけて慰めてあげよう。
「‥‥‥あの、ちょっと聞いていい?」
「っひ!」
なぜだろう、おもいっきし怖がられているみたいだ。
顔はそこまで不細工でも、こわもてでもないのに‥‥‥
ん?
てかよく考えたら、知らない女の子と部屋で二人っきり!
いやいやいやいや
大丈夫だ、何も間違いなんて起こってないはずだ。
だって、部屋の雰囲気は変だし、横には自転車…が………
自転…車?
あ~~そゆこと。
なんか全部思い出せた。
あれですか。
登校中に拉致られたのか俺。
あの穴で。
異世界への召喚魔術ってやつですか。
そうですか、そうですか、俺召喚されたんですか。
いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
\((・(∀・(・∀・)・∀)・))/
異世界ってことは色々出来るじゃん!
例えば、魔法とかも使えるんだよね!
火の玉でドカーンとか、やりたい放題なんだね!
わくわくしてきたZE!
っと、ちょっと小躍りしそうなぐらいテンションが、上がっているのを気付いたのか
また、女の子が怖そうにフルフルと震えてしまっていた。
やばい、このままじゃ変な目で見られる。
だけど、怖がりながらも、向こうから声をかけてきてくれた。
「あのっ、あなたは、魔王さまですか!?」
‥‥‥‥‥‥はい?
ナニ言ッテンノ、コノ子?
別に言語が分からないわけではない、日本語だし…
何故俺が、魔王になんかなるんだ?
周りを確認してみても、ここがどこかの暗黒城みたいな感じはしないし、外では雀のような鳥の鳴き声が聞こえてくるし…。
とりあえず一度聞き返してみよう。
「ごめん……もう一回言ってくれる?」
「…はい、わかりました。…あなたは魔王さまですか?」
お辞儀してから丁寧に、さっきと同じことを言ってくれた。
しかも、さっきよりテンション三割り増しの、ちょい笑顔。
いやいやいやいや
ありえんありえん、
そこは普通、“あなたは勇者さまですか?”だろ?
何故に魔王なんだ。
そっちは勇者に倒される側だろう!?
俺まだ死にたくないって!!
「あの~魔王さま?」
ん?
女の子が話しかけてきたぞ。
…ちょっと待て。
ここで“何?”とか返事したらそこで絶対『私は魔王様ですよ』、と言っているようなものだ。
どうする俺!?
選択肢①:素直に返事をする。
選択肢②:無視する。
選択肢③:逃げる。
この選択肢による結果
選択肢①による結果:魔王決定。精神的な死。
選択肢②による結果:この状況下では泣かれる。これは、精神的にきつい。そして結局、何も解決しない。
選択肢③による結果:不審者として、村?の人に捕まる。物理的に死ぬ。
とりあえず…
「俺は、魔王なんかじゃない!!」
『選択肢④:否定する』
さあ、どうなる俺!!
「あっ、はい…すみません……」
やばい、テンションガタ落ちだよ!
「えっぐっ」
え?
「うわぁぁぁぁぁん!!」
やばっ、結局は選択肢②と同じ結果かよ!
もう、こっちが泣きたいよ!!
畜生、大声出されたら、周りの人とかが来るだろうが。
兎に角、慰めなくては。
「大丈夫大丈夫、落ち着いて。」
まあ、半分は自分に言い聞かせているだけだが。
とりあえず、スマイルで近づく。
「何で、魔王さまなんか呼ぼうとしたのかな?」
「えっとね、魔王さまにね、お願いしたいことがね、あったの………ぐずっ」
おお、意外と素直に答えてくれたぞ。
「答えてくれて、ありがとう」
とりあえずなるべく優しい口調で言いながら、頭を撫でてやった。
少女はこちらを見て、軽く微笑んでくれた。
やべえ、めっちゃかわいい!!
そういえば、今やっと少女の顔をちゃんと見れたな。
まぁ、とりあえず次の質問だ。
ずっとあんな顔と声されたら、こちらの理性がぶっ飛ぶ。
「それで、どんなお願いをする気なの?」
女の子は意を決したように、言った。
「えっとね、…近所の子供を懲らしめてほしかったの!」
…………は?
連続投稿です。
書くスピードはとてつもなく遅いです。
どんなに書き溜めようとしてもぜんぜんだめですね(^^ゞ
出来るだけ早くかけるように頑張ります。