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第16話 行き先は天国か地獄か

まずは一言、

大変お待たせさせてしまい、申し訳ございませんでした。


お久しぶりです、ヘンゼルです。


実は、自分は今年度受験生だったので、小説を書いている訳にもいかず、致し方なく受験生として過していました。

しかし、行き先が決まり、昨日卒業いたしましたので、このたび再開させてもらおうかと思い、再開しました。


ではでは、それでは楽しんでもらえれば幸いです。

「いえいえ!別にあなたが思っているような関係では決してありませんよ!?そもそも、リイナの言っていることは合ってはいますが、多少語弊がありまして───────」


 俺はセデレッシュさんの鋭い視線に耐えかねて、必死に弁解を図っていた。


「ふん、どうがかのぅ……」

「信じてくださいよ……」


 どうやら俺の言葉は信用に値しないらしく、信じてもらえないどころか機嫌を悪くさせるだけでいいことなどなかったようだ。


「信じろ、と言われても、今始めて会った人物を何の賭け値もなしに信用できる訳なかろう」

「そのことについては後程、リイナのことも含めて相談したいことがありますので、今はあまり気にしないで頂いてもよろしいでしょうか?」


 ごもっともな意見だ、でもだからって俺にどうしろって言うんだ?

 セデレッシュさんの言葉に不満を持っているとリウスさんが助けてくれた。


 あとでお礼を言っておこう。


「今ここでは言えんのか」

「はい、誰かに聞かれるとコン君と、なによりリイナが危険に晒されるのはいただけませんから」


 リイナ、と名前が出た途端にセデレッシュさんの表情が真剣になる。


「ほう……ならよかろう。では中で話をするかの」


 今の、絶対リイナのところで反応してたよな。


 どうやら、納得したようでこれでここでの話は一旦終わりだと言うように、踵を返して屋敷の中に入ろうとする。

 しかしセデレッシュさんが扉に手をかけるとほぼ同時におっちゃんが慌てたようにセデレッシュさんに声をかけた。


「ちょっと待ってくださいよ!セデレッシュ様!報酬!報酬をまだ受け取ってませんよ!」

「おっとそうじゃった、すまんすまん。すっかり忘れとったわ。確かここに………あったあった、ほれ受け取れ」


 内ポケットの中からお金が入っているであろう小袋がが投げられ、放物線を描いておっちゃんの手に収まった。


 いまここでは、というよりいつどこでもどうでもいいことだけど、小説とかの表現で『キレイな放物線を描いて』ってあるけど、実際キレイじゃない放物線ってどんなのなんだろうな?

 カーブとかナックルとかの変化球を指すんだろうかね?

 あとは超能力とかで自由自在に操るとかかな?


 おっちゃんは今、確認のため小袋の中を見て吃驚していて、動きが止まっている。

 どうしたのだろうと声をかけようとした瞬間、再起動したおっちゃんは情けないような厳つい顔をして早口に言った。


「どういうことですか?!これ、報酬がちっと多すぎませんか?流石にこんなにはいただけません!」

「これは正当な報酬であろう。まずは今回の依頼に使って消耗した道具類に、道中の儂の息子らの食費に宿に泊まるための金も含めれば……あれ?ちょっと多いかの?」

「やっぱり多いんじゃねえか!」


 この爺さんもしかして意外と顔に似合わず平民とか気にしない性質なのかもしれない。


「じゃあ、あれじゃ。息子達が無事に傷つくこともなく連れてきた事に対する追加報酬でどうじゃ。ボソッ(まあ、もし儂の孫に万が一のことが会ったら多々じゃおかなかったがのう)」


 小声で誰にも聞こえないように物騒なこと言っているが聴覚が強化されているため聞きたくないことを聞いてしまった。


「『どうじゃ?』じゃねえよ!完全に理由が後付けじゃねえか!っとすいません!セデレッシュ様に対して数々の無礼申し開きのしよもありません!かくなる上はどのような罪でも──────」

「あー、そういうのいいから、本当にいいから。大丈夫だから気にしてないから。そういうのは貴族の間だけで十分だから」

「いえ、そういう訳には……」

「なら今回の報酬を使って後輩とか新人とかに何か奢ってやればいいじゃろ。それでも嫌と言うなら屋敷に荷物を運ぶのを手伝ってくれれば嬉しいのう」


 再び踵を返して屋敷の中に入っていくセデレッシュさんにおっちゃんは土下座とまではいかないまでも、腰をほぼ直角に曲げて「ありがとうございます」と言っている。

 礼儀作法の考えで言えば、お辞儀をしながら何かを言うのはあまり礼儀正しくはないのだがここでそんなことを言ってしまえば、このちょっと感動的場面に氷水をぶちまけるみたいなので止めておこう、うん。

 あともう一つ気になる、こちらは重要かもしれないことがある。

 はたしてここではおっちゃんの貴族に対する反応が正しいのか、セデレッシュさんの平民に対する反応が正しいのかが、いまいち分かりにくい。

 おっちゃんの対応の方が周囲を見ればどことなく正しいように見えるけれど、何も説明がないと本当にツライ。


 こちとら異世界生活一年目だぞ?!

 常識風習文化文明その他諸々、ほとんど知らんぞ!

 そんな俺になんの説明もナッシング?!

 世界は俺を見放したんだね……。


 さて、そんなことやあんなことついでにこんなことも置いといて、俺のこの家での立場はいかほどのものなのだろう?

 最近忘れがちだが、俺はリイナによって魔王として召喚されたのだ。

 関係と問われれば召喚した人された人の関係であり、元の世界で最も近い関係で一般的にいえば、主従というよりかはペットと飼い主の関係に近い。

 しかしこれは悪魔で人と魔物のときの関係であって、今の俺とリイナ、つまりは人と人の関係では当てはまらない。

 一応見た目はリイナ家族と一緒についてきた旅人といったような格好(普通の平民の格好に外套を着ただけ)をしている今は多分まだ誤魔化せれていると思うが、数日ここに滞在していればすぐにでもばれてしまうのではないだろうか、………もしかしたらもうばれてるかもしれないけど。


 そんなこんなで内心、戦々恐々としながら屋敷の中に入ろうとして躊躇い、止めた。

 目の前広がるはそんな観察眼がなくても分かるようなつぼや絵画、石像、階段の手すりなど身の回りの細々としたものまで豪華な雰囲気を醸し出しているのが伝わってくる。

 そしてそんな雰囲気感じられるのは前後上下左右三六〇度全てであるため、床も含まれる。

 改めて屋敷の床を見てみると、そこには真っ赤な絨毯があり、対する俺の足元は約一ヶ月の旅で泥だらけ。

 俺は地獄の入り口に立った気分になった。



これかいてるとき思ったんですけど、皆さんこれまでの話、忘れてね?

できれば、読み直していただけると嬉しいです。

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