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第6話 異能者達の事情

世界観説明タイムです

「えーと、えーと」

 なにやら会長が困惑している。

「またかいな、会長はほんまにこういう場が苦手やなぁ」

 石原先輩がやれやれといった表情でため息をついた。...えっ、じゃあ最初のあれはボケたんじゃなくて素だったのか。

「んで何や、本題って、能力者のことではないか?」

「ええ、ちょっと違うんです」

「ほんなら~、今日ここに先生がおらんことと関係あるん?」

 会長の表情がパッと明るくなった。

「そうなんです、実はそうなんですよ」

「やっぱそうなんか、いつもこういう会議は先生がしきっとるもんな。慣れない会長が仕切るのはおかしいとおもっとったわ」

 石原先輩の表情が少しいぶかった

「それで、なんで先生がいないんや、私たちに伝えることもなく任務にでたんか?そんなに大仕事なん?」

 会長の表情が真剣になった。


「ええ、実は、これも本日明らかになったことなのですが、この町、特殊指定区域に{ネメシス}が潜入したとの情報が入ったのです」

「ネメシスやとう!」石原先輩が驚いたように大声を上げた。

 はて?ネメシス?聞いたことがない。

「会長、ネメシスって何ですか?」という訳で聞いてみることにした。

「ああ、千春さんはまだ、異能力者になって日が浅いから聞いたことがなかったのですね。ネメシスというのは、ええと」

「ネメシスというのは」とここで狩矢が話に参加してきた。「能力者不当労働開放団体、またの名をネメシスという、彼らはネメシスの名前のほうを好んで使っているみたいなんだけどね」

「能力者不当労働開放団体?」なんかわかりやすいようなわかりにくいような。

「そう、狩矢さんの言うとおりです。千春さんも知ってのとおり、私たち異能力者は政府によって管理されていますが...」

「えっ!そうなんですか?」いえ、今初めて聞きました。(汗)

「なんや、千春ちゃん、知らんかったんか?、狩矢、千春ちゃんに説明しとけって言っておいたやないか」

「え、僕ですか?いえ、聞いてないですけど...」

「なにいっとんのや、確かに言っておい...た...で...あっ!」

 石原先輩が思い出したかのように声を上げた。

「すまんすまん、狩矢、そういえば、あの後私、狩矢の記憶を消してしまっていたな、そら覚えてないのも無理ないわ」

 会長がおでこに手を置いてはぁ~、とため息をついているのが見える。


「仕方がないですね、あまり時間がないのでかいつまんで説明しますが、先ほども説明しましたが、この国で生まれたほとんどの異能力者、とりわけ、この町、特殊指定区域で生まれた異能力者は、政府によって管理されています。

 詳しく言うならば、内閣府所属の、特殊労働庁によって管理され、私たちも四宝学園大学部を卒業すれば、その特殊労働庁に在籍することになり、そこで個々人の能力に適した労働を与えられることになるのです」

「たとえば、私やったら精神を操る能力をいかして、心療内科医とかな」石原先輩が得意な顔で答える。

「ですが、能力者の絶対数は少なく、その上、異能のことを一般市民に知られてはいけないので表立った行動を取ることも出来ないのです。

「え、それは、どうしてですか?」

「国際法で決まっているからです」

 ?...?...?どうして異能のことを知られちゃいけないんだろう?

「たとえばやな、千春ちゃん、私みたいに精神を操る能力でどっかの病院で心理カウンセラーになったとするやろ、そうしたらどうなると思う?」

「その病院は鬱病患者で繁盛するでしょうね」

「そのとおりやな、でも、それだけやないで、今の情報社会をなめたらあかん、そんな簡単に病気を直してしまえる奇跡の医者が実在すると知られたら、あっという間に日本中、いや、世界中に知れ渡ってまう。

 そうなりゃ私は大忙しや、でもそれだけならまだいいねん、問題なのは、ほかのお医者さんが商売上がったりや、今のカウンセリングだって試行錯誤の上に築かれてきたもんや、それを異能の力で簡単に解決しました、では今後さらに発展していく技術も停滞してしまう。

 異能の力は科学技術の発展を妨げてしまう恐れがあるっちゅうことや、それは私の力だけではないで」

 石原先輩が得意げに語る。

「それ以外にも様々な社会問題も発生するでしょうね」とここで狩矢も参戦。

「石原さん、狩矢さんの言うとおりです、ですから、異能の力は一般に知られてはならない、これは第二次世界大戦前に世界各国で取り決められた国際条約なのです。

 もしもこれを破ってしまえば世界各国からのバッシングはもちろん、経済制裁の措置すら取られかねないのです」


 なるほど、みんなの言っていることはよくわかった、でも、ひとつふに落ちない点が...

「あれ?でも、この四宝学園の人間には異能のことを知られていませんか?」

「ああ、それはですね...」

「それはやな」石原先輩が会長の話に割り込んできた。...あっなんか会長ちょっとくやしそうな顔してる。

「特殊指定区域に住んどる人間は例外っちゅうことや、そこに住んどる奴に隠し切ることは不可能やからな、なんせ黙ってても異能に遭遇してしまうからな」

「え、それは何でですか?そういえば、今まで聞いてなかったんですけど、どうして四宝学園の人間から異能力者が現れるんですか?」

 いまさらながらの質問だ、私はてっきり四宝学園に異能力者が集まるものだと思っていたけど、さっきの話から察するに、四宝学園そのものが異能力者を生み出しているみたいだ。

「ああ、それに関してはまずは特殊指定区域が何か?って話からせなあかんけど、今回は時間が惜しいからはぶくで、まあ、そのうち教えたるわ。

 まあとにかく、ようは世間一般に認知されなければいいねん、異能に関しては、この特殊指定区域外のほとんどの人間は知っているけれど認めてはいないんや、千春ちゃんも一度くらいは見たことがあるやろ?たとえばテレビ番組の超能力特集とか、心霊特集とかな」

「ゆ、幽霊は苦手です」...ブルブル

「なんや千春ちゃん可愛いとこあるな、ともかくああいう番組の9割は嘘っぱちでできてるんや」

「きゅ、9割ですか」

「ああ、そんで残りの1割は本物がいかにも嘘っぱちらしく見せているんや」

「はあ」

「たとえば手品とかやな、ほんまはタネもしかけもないのに手品っていう名前を用いただけでトリックがあるって思い込んでしまうやろ」

「でも、どうしてそんなことをするんですか?」

「人間っていうのはおもしろいもんでな、あいまいなもんでも、ないって否定すると逆に怪しんで調査したくなるもんなんや、じゃあ逆にあるっていうと今度はどうしてその力が自分には使うことが出来ないのか不満がる、だから世間にはな、あるかもしれない、って思わせておいておいたほうがええんや。

 あるかもしれないっていうグレーゾーンをたもっておけば人間いつかは科学が解明してくれるのかもしれないってそういう心理が生まれるもんなんや。

 つまりは未来任せにして今はそういうものはないけど、いつかは超能力みたいなものが解明されて自分にも使うことが出来るようになるのかもしれない、あるいは幽霊の原理がいつかわかるのかもしれない、けどそれは今ではない、そういう考え方になるんや」

「なるほど、でも、じゃあマスコミは政府の手先なんですか」

「そのとおりや、マスコミも政府の依頼を受けてそういう番組を作っているんや、何しろそういうことはマスコミの得意分野やからな、ついでに言えば今日までの情報社会を作り出したのも政府や、情報が多様化すればするほどあいまいにしやすくなるからな、インターネットなんて実は国家間の秘密取引の上で生み出された技術やってうわさもあるくらいやで」

「石原さん、石原さん、話がずれてきていますよ」会長が石原先輩を制した

「あ、ああ、すまんすまん、とにかく、異能のことが世間に浸透することは今の段階ではまずないっていうことや、ためしに千春ちゃん人通りの多いところで私は超能力者だって叫んで、パフォーマンスもしてみてみ、それでも通行人は手品かトリックやと思うはずやで、それだけ国民の情報操作は完璧やってことや」


「石原さん、そろそろ」会長が石原先輩をうながす

「ああ、そろそろネメシスの話に戻ろうか。ほな、今度は会長たのむわ」

「え、私ですか?」

 急な指名に会長は戸惑っているようだ

「ああ、私はもうしゃべりすぎて疲れてもうた、それにネメシスのことに関しては会長のほうが詳しいと思ってな」

 先ほど、話を横取りしてしまったのを気にしているのかな?やっぱり石原先輩は気が利く人だと思う。

「わかりました、ネメシスのことは私が説明します」





なかなかバトルがはじまりませんね

みなさん退屈してしまっていたらすみません(;ω;)

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