7-6 「誰がポンコツナビゲーターだ」
「んー……ねぇねぇ樹、樹的には祠と場所、どっちの方が気になってる感じ?」
「え。………………正直、場所だけど」
「じゃあ今日はそっち優先しようよ。樹が疲れたら俺が抱えてくからさ」
奏さんの一言に全員了承を示す。まぁそうね、だいぶ目的とか忘れてたけど元々は樹のための旅行なんだよ。奏さんがそれを覚え…………てるとはあんまり思ってないけど、いや単純に奏さんは樹に甘いだけな気がするな。
「じゃあ恭也先導お願い」
「うぃーっす」
猿達と一緒に道じゃない方へと足を踏み入れる。小さい頃に散々駆け回った山なんて実質庭みたいなもんよ、どんなルートで行けば良いかとか完璧ですわ。
「えーっと、まずこの木に登ってあっちの枝経由であの幹にしがみついて」
「悪いな恭也、出来れば地上のルートで頼むわ」
「こっちの方が早いのに??」
「きょーくん、流石に俺、木から木には飛び移れない……」
あそっか、俺とか奏さん、来華辺りはともかく玲士達にこのルートは厳しいのか。じゃあ大人しく歩いてくかぁ…………。
正直に言おう。最初に俺がナビしようとしたルートは歩きの三倍くらい早い。地上における高低差とか障害物とか殆どないからね。そんでもってこれは猿達にとって一般道であるから整備されている。邪魔な枝葉は伐採されるしルート変更があったら通知もされる、安全性だけで言ったら地上より高いんだよな。ちょっと難易度も高いだけで。
「幼少のころは木々を渡っていたのか…………?」
「来華、こいつは体育館の天井に挟まったボールを取りに行くタイプの野生児だから」
「ダンクしようとしてゴールに飛び乗ったこともあるよ」
「ピッチングマシーンから飛び出したボール足場にして空中散歩とかやってたね」
来華の困惑に追撃する三人。全部事実だけど酷くない?上から無知・うっかり・好奇心だよ全部絶妙にジャンルが違うから!
「にーちゃんもしかしてジャンプがすごい?」
「あージャンプ…………割と得意だわ」
フミに言われて気付いたけど、確かに俺、ジャンプに関しては能力込みで得意だわ…………。
「でもそれ認めると奏さんに勝てないことを認めることになる…………」
「奏さんはウルトラハイスペックだろいい加減にしろ?」
おう相変わらずだな樹。奏さんに対する信頼が海よりも深くて空よりも高いぞ樹。まぁね?最近大雅とか一志とかの身体能力の高さに打ちのめされてたけどぶっちゃけ奏さんにも勝てねぇのよ俺。普段サボるから対外的には俺の方が高いように見えるけどな!ちくしょう!




