7-3 「単純に総数が上」
「フミくんだぁ!」
「玲士おにいさん!元気そうでよかった!」
「フミくんこそ、元気でよかったねぇ」
うーん眼福。二人がいるところだけマイナスイオン出てそう。俺も流石にフミ相手に嫉妬したりはしない。だってフミが来華に砂吐きそうなくらい甘いこと知ってるし。玲士はどんな相手にも優しくて可愛い、それは世界の真実。
「…………」
「…………あの」
「…………」
「…………(チラッ」
来華からヘルプコール飛んでる。そりゃあな?謝った後ずっと樹から真正面で見つめられてたらそうなる。正直俺も樹が何をしたいのか分かんないし。怒ってる感じではないんだけど、どういう感情でガン見してんの?
「樹、困惑してんぞー」
「んー……ちょっとお前、モデルになってくんない?」
「え」
おい隣の奏さんの圧が凄いんだが。樹基本的に人をモデルにしないじゃんかよ、どんな風の吹き回しでそんな結論に至ったのか話しとかないとマジで来華が奏さんに詰められるって!
「珍しいね、樹あんまり人描きたがらないのに」
「コイツ良い感じに小動物にたかられたら困惑しそうな顔立ちしてる」
「どんな顔立ちだよ」
「奏さんは?」
「奏さんは顔良すぎて俺が直視出来ない」
ぶれねぇな樹。奏さんのことも小動物にたかられたら困惑すると思ってんだな樹。まぁ俺も思うよ。奏さん小さすぎる生き物足元とかでもしゃもしゃしてたら動けなくなりそうだもの。奏さんも顔が良いって言われてちょっとだけ落ち着いた。
「フミもそのとき描かせてくれよなー」
「いーよ!」
まぁ険悪な雰囲気にならないなら良いや。来華も樹があんな感じで全然気にしてなかったことで少し肩の荷がおりたのか、フミの方見ながらリラックスしてるし。
「恭也の実家、山に近い……だけで山の中じゃないんだね」
「俺山育ちだと思われてたの?」
「間違いではなくない?」
まぁそうね、奏さんの言う通り一日の半分くらいは山の中で過ごしてはいたけど。当時は人間の知り合いより猿の知り合いの方が多かったし。たまに泊まり込みもしてたし。そんな感じで納得してたらフミが楽しそうな声を上げた。
「きょーやにーちゃん見て見て!猿いっぱい!」
「おっ出迎えご苦労!」
「お前猿達のボスなの??」
歓声を上げながら近付いてきた知り合いの猿達に挨拶すれば、相手方も元気よく返事してくれる。大学行ってからは会ってなかったからちょっと忘れられてる可能性もあったけど、杞憂だったらしい。
「紹介するな。俺の友達の玲士と樹と奏さんとフミと来華!」
「ウッキ!」
「ウキ!」
「よろしくー」
「よろしく!」
流石フミ、全然物怖じしないじゃん。樹も呆れてた割に適応力が高いというか、動物好きだからかしれっと受け入れたというか。玲士はふにゃふにゃの笑み浮かべながらちょっと会釈、来華は困惑しながら会釈、奏さんは……あれおかしいな、もう何か従えてない?
「奏さん何してんの?」
「俺が聞きたい。何で傅かれてるの俺」
本人分からないのに俺が分かるわけないじゃないっすかぁ……。




