7-2 「勝手に決まる、勝手に決める」
「あ、来週末にお前の実家行くから」
「え?」
世間話みたいなノリで告げられた言葉に一瞬理解が追い付かなかった。俺の実家?何で??
「お前のご両親には許可とってるし日程表も出来てる。祠見に行くぞ」
「俺初耳だけど」
「ふふ、サプライズだよきょーくん」
あーサプライズかーにこにこしてるの可愛いな……。……地味に根回しまで済ませてるの樹の手際が良すぎるというか、あんだけ祠怖がってたのに玲士が行きたいって言ったから行くんだろうな……分かる、玲士のお願いは叶えたいもんな。
「奏さんは?」
「了承とれてる。何ならお前の日程空けとくとまで言ってたぞ」
「俺の知らないところで俺の日程が埋まってくぅ……」
いや奏さんの言いたいことは分かる。ヘレティックの方に話通してくれたんだろうなーっていうね、理屈は分かるのよ。ただ俺がそこらへん一切知らないだけで。
「……あ、じゃあそんときに二人ほど追加していい?」
「二人ぃ?俺らのノリについてこれるか?」
「多分いける。っつーか二人も知り合い」
「知り合い……?」
玲士が小首を傾げてる。控えめにヒントをねだるの小動物みたいな動きだし上目遣いで見られたらヒントどころか答え言っちゃいそうですわ……。横で首傾げてる樹なんか豪快すぎて腰から曲げてるぞ。
「お前の弟?」
「ぶっぶー」
「大学の……誰か?」
「いや、違うなぁー」
「お前の幻覚……?」
「俺の幻覚を二人が知ってたらそれはそれで怖いんだけど??ほら、当日までのお楽しみってことで」
来華に対して樹がどんな反応するかだけが未知数だけど、俺の勘がどうにかなるって言ってる。
実のところ、あの祠……というか裏山が完全に安全かっていうとちょっと確信は持てない。祠は増えるしでかくなるしあそこの原住民猿だし。特に怪異ホイホイな樹とその素質がある玲士が来るのなら、保険はかけておきたいところ。来華が強いのは身をもって知ってるし、フミがいれば不自然じゃない程度に二人を危険から遠ざけることができる、はず。
「楽しみだねきょーくん」
「おう。すっげー楽しみ」
「あ、日程のしおり渡しとくな。その二人にも渡しといて」
「おう!……え、しおり?」
「作ったの」
玲士のお手製!!?!?ほんとだちゃんと奥付に二人の名前載ってる……これ鑑賞用と保存用で追加の二部くれないかな……ダメ?
「っていうかなんでプロジェクトK……前に聞いたなプロジェクトK」
「プロジェクトK(恭也)だぞ」
「俺の知らないところで俺のプロジェクト組まれてた」
「初期案はcode:Kだったよ」
何それカッコよ。いやどっちもかっこいいけど、そのKが俺な時点でこう……詐欺感が凄い。ミステリだと思ってたらギャグだったみたいな……誰が存在がギャグだよ。
「……樹はどっちかっていうと存在がファンタジーだよな」
「お前その思考をそのまま出力するのやめろ??せめて前提思考をお出ししとけや」
「きょーくんきょーくん、俺は?」
「玲士は……ほのぼの日常系にいてほしい」
「願望じゃねえか」
うるせー!!でも玲士はそういうところが似合うじゃん!!ほのぼの万歳!玲士がにこにこしてたら万々歳!!!
「奏さんは……伝奇系ミステリ?」
「存在が都市伝説ってか」
間違いじゃないよな。ある意味。少なくともあの人見て恋愛系……いやどうだ、あの人顔だけは良いんだぞ。顔ヨシスタイルヨシ性格おしまいな場合って攻略対象になるんだろうか。樹が主人公ならいけるか……?
「主人公固定の恋愛ゲー……?」
「主人公変わるタイプの恋愛ゲームの方が珍しい気がするんだけど、気のせいか?」
いやこの場合の固定はもうある意味行動性格発言全て樹エミュとかいう正気じゃないことしなきゃならないの意味だから。しかも樹は恋愛ゲーの主人公適正ない気がするぞ。




