6-19 「最古の美」
「あ、恭也くん。奏さんにも言ったけど、樹くんと玲士くん、一応安全確保してからお家に送ったよ。多分ここのことも色彩についても気付いてないと思う」
「あ、ありがとうございます……!」
ソウさんすげーな……あの状況で誤魔化すの、玲士はともかく樹なんて大分無茶だったろうに。……いやどうだろ、樹は逆に慣れすぎて誤魔化されそうな気はするな。
藍沢先生にはべた褒めされて、取り敢えず擦り傷だけだから塗り薬だけ貰って自分で塗ってたらソウさんがひょっこり現れて背中手伝ってくれた。そんでもって手伝いながら冒頭の報告をしてくれた辺り、ソウさんタスク管理が上手。
「恭也くん。……色々とありがとう。本当なら、きっと俺達が解決するべきことだったのに……」
「んー……こういうのは持ちつ持たれつですよソウさん。俺だって実質当事者みたいなもんですし」
玲士が巻き込まれてたらどっちにしろ俺は走り出してた。それだけは純然たる事実なんだよな。玲士が巻き込まれるとしたら俺は独断で走り出してただろうし、玲士がフミを助けたいと願うんなら出来る限りの協力をする。そこがブレない時点でこの騒動に首突っ込む未来は確定してたんだよな。
「あっ、それで思い出したんですけど。……ソウさんって何歳なんです?」
「俺?ええと……確か大雅のいっこ上だよ?」
「いっこ上!!!?!!?」
オイ朱鳥の記憶で見たソウさんと大雅、えっぐい成長速度の違いがあったが???だって大雅がまだ少年といっても差し支えない見た目の頃にはもうソウさんこの見た目なんだぞ……??
「え……そんな驚く?」
「えーと……朱鳥の記憶で見たソウさん、今と殆ど変化なかったんで……」
「あー……実は俺、かぐや姫だからさ……」
「ああ成程……」
「いや納得しちゃうの?流石に突っ込もう??」
いやでもソウさん、美の権化みたいなところあるし、光る竹から生まれて来ててもなんらおかしくないし……寧ろ納得するレベル。月からの使者を送り返すために大雅があそこまで強くなったって言われたら俺は全力で信じるよ。
「いやまぁ、かぐや姫……っていうのは半分くらい嘘だけど」
「つまり竹からは生まれてない……?」
「かぐや姫っていう部分だね!?」
いや半分嘘ってことは半分本当なんじゃん!!!半分とはいえ本当のことが混じってるのちょっとおかしいんだよな本当なら!!!
「あ、でも……朱鳥くんの記憶かぁ。その感じだと大雅はまだちっちゃい頃かな?」
「そうですね。無口な子供でした」
「ふふ、可愛かったでしょう?」
「可愛い……まぁ、不愛想だけどお兄ちゃんしてるの、ちょっと新鮮でしたよね」
普段の大雅、いっつもにこにこ笑ってるし一歩引いてるからな……あんな自発的なお兄ちゃん気質だとは思ってなかったよ。しかもちょっとツンデレ、意外。
「大雅はね、多分元から世話焼き気質……どうだろう、お兄さんがいるから、最初はその真似だったのかも。自分と同じくらいの年の子と会うのも初めてだったから」
「ソウさんは?」
「俺はもうその頃おっきかったからなぁ。見た目としての同い年だよ」
そうだね。絶対一年でそこまででかくなんないだろってレベルの差があったよソウさんと大雅。大雅と朱鳥が同い年ってことは、自動的に……ソウさんと奏さんって同年代なの?
「なんというか……見た目で年齢が判別出来なさ過ぎる……」
「人類種以外だと結構一定の外見年齢に到達したら成長が止まっちゃうから余計にね……」
つまり色彩青は大体そうってことじゃねーか!ヘレティックピンポイントで名指しされてないっすかね!?寧ろそういう部分が異端だって言われて排除される要因になったのかなぁ!?若さに関する嫉妬は怖いからな!!
「ソウさんが奏さんと同い年で……」
「ううん?奏さんは俺より年上。俺のお兄ちゃんみたいなひとだから」
「おにいちゃん」
なんだろう……今奏さん関連ではまず聞かないだろうと思しき単語が聞こえた……奏さん兄代わりとか出来るの?森羅万象無関心みたいな人なのに?
「奏さんがおにいちゃん……」
「うん。お兄ちゃん」
……うん。思考を止めよう。何かこのまま考え続けてたら頭がパンクしそうだし。イメージ出来なさ過ぎて能力にまで影響でそう。




