6-12 「一面味方な四面楚歌」
状況を整理しよう。今俺は受容体……で出来た?青の呪いの劣化版……色違いの来華と対峙してる。そんで紫苑はコレットさんに迫られてて、部屋中に謎ロボットが密集、そんで後ろの方で一志が轟音鳴り響かせて……無双してんのかな、アレ。
「優先順位は紫苑の救出……」
流石に紫苑もコレットさんの乱入は望んでなかったみたいだ。混乱に乗じて紫苑は回収したいところなんだが……え、能力万全じゃない状態で来華モドキと戦うの正気じゃないな?
来華モドキの武器はツルハシ……じゃねえ!?普通に斧持ってる……普通か?ツルハシよりは普通……か?とにかく斧、斧か……正直攻撃力が高めな気がするよな斧。ホラゲーでよく見るよ斧。
「悪いけど、お前に構ってる暇はねぇんだわ……」
いや本当にもういいよ。お前と戦うの何回目だと思ってんだホントに。一回分の手札使って圧縮するか?正直あれが一番早いまである。まだクールタイム終わってないけど。
「戦闘スキップさせろやぁ!」
出来ないよね知ってた。猛然と走ってくる来華モドキを正面から見据えて……呼吸を見極める。まぁ、コイツに手札を切るにしろ切らないにしろ、放置はさせてもらえない。
動きの素早さは本物と大差ない。対処方法も変わらない。……対処速度だけが、明確に遅い。強みがピンポイントで潰れてるの乱数に見放されたか……こっちとしてはありがたいけどな。
「対応出来なきゃ速さも意味ねぇよなぁ?」
一応呼吸の間隙をつくように心掛けてるけど、攻撃させずに押しきれそうなんだよな。斧の攻撃スピードが遅くて助かった。これがツルハシだったら普通にやられてたわ。ツルハシ怖い。
斧は重量があるから振りが単純に遅い。演算者ありきだったら脅威……コイツ演算者はコピー出来てんのかな、出来ててこの強さなんだとしたら、来華が強すぎたってことになる……どっちでもいいや、今はさっさとコイツ仕留めてコレットさんの方どうにかしねーと。
「紫苑!無事か!?」
あ゛ーーさっきより距離が近い!!ロボットまでコレットさんに仕留められてるじゃねーか!!おいあの人実はとんでもなく強いんじゃん!本気で俺と会ったときはおまけってかチクショウ!!!
「おい来華モドキ!まずはあっち仕留めるのが先だろ!?」
「おや。乱入とは感心しませんが」
「お前が先に乱入してんだよなー!!!!」
乱入者同士仲良くしようぜ!?俺はお前と仲良くはしたくないけど!!
来華モドキに攻撃誘発させてそのままコレットさんを巻き込む。タゲが変わってるわけじゃないけど、どうやら紫苑以外は全部敵らしいな。三つ巴のバトルロワイアルといこうか!
双方向からの攻撃捌きつつチャンスを伺う。上手い具合に紫苑の近くに行けたらいいんだけどな、全員が全員近くに寄ろうとして椅子取りゲームみたいになってんだけど。こんな物騒な椅子取りゲームあってたまるか。
「部外者はお引き取り願いたいものですが」
「その言葉バットで打ち返してーな」
理解した、コレットさんとまともに打ち合うのは分が悪い。来華モドキは元が青の呪いってだけあって対処に慣れてるけど、コレットさんの攻撃……リズム感が気持ち悪い。本能に逆らう感じのリズムしてる……。
「いやはや。人類種としては異端だと思っていましたが、こうも厄介とは」
「お?褒めてんのかそれ?」
「なので大人しくして貰います」
っなんだこれ、鎖か!?がっしりしてて解けね…………あの、来華モドキが弾け飛んだんですけどぉ……?
「うおぉおおぉおお!?」
脱出出来ない!取り敢えず応急処置で周囲にガード張る!ミシミシ言ってて怖い!!!
「やめろっ……!」
「おや。契約を反故にしようとしたのは其方でしょうに」
「紫苑は関わってねぇだろ……!」
「ふむ。それも道理。ですが所詮組織の駒、連帯責任というものですよ、ええ」
すっげー腹立つ!本人いないところで取引材料扱いしたリューイもコレットも!!!紫苑をモノ扱いしやがって!!!!
手札はもう切ったから使えない、鎖から抜けるだけの幅もない。……この鎖を発動させたのはコレットなんだから、アイツを行動不能にすればこの鎖は消えるかもしれない。クールタイム終わったらコレットを行動不能に……いや。
「怪我で済むなら軽いもんだ……」
ガードするためのイメージをそのまま攻撃に転用する。知ってるぜ?方向性はちょっと違うけどこれも一種の自爆特攻。つまり実質確定攻撃。
「愚か……な……」
「誰が馬鹿だ誰が」
あー首吹っ飛んだのに普通に動いてるー……どこのデュラハンだよお前。




