6-11 「敵の敵も敵」
まずやらなきゃならないのは一志と合流……で良いよな?このまま紫苑の方に突っ込むべき?ぶっちゃけ即時離脱が出来ない俺なんてただの的だぞ?
「なんちゃって瞬間移動もこの密集度じゃ使えねえし……」
あれこれもしかしなくても殲滅以外の作戦ない感じ??一志は気付……いてなくてもあんな感じだろうなぁ。迂闊に近付いてグーパンは嫌だけど、合流しなくてうっかりグーパンくらうのも嫌だな。思考を回しつつすっ飛んできた別のロボットを踏み台にして高さをキープする。
「能力ありきだとこんなに楽かぁ……」
結構なクールタイムが必要になったけど、それにしたって能力があるだけでここまで対処が楽になるとは思ってもみなかった。……相当能力に頼り切ってたってことだよな、いや空中戦とか能力ないとお話にならないからそりゃそうだろって感じではあるんだけどさ。
紫苑達は動いてない。動けない訳じゃなさそうだけど……穴の前でただ突っ立ってるだけに見えるな。あの穴本当に何?まさかあそこが楽園の入り口とか言わないよな???地面に降りることなく声だけを張り上げる。
「紫苑!!初めまして!!」
「……明保野、恭也」
おっ俺のこと知ってんだ。そりゃあの大学に通ってんなら知っててもおかしくないんだよな。説明は……いらなさそう、受容体あるんだから殆ど知られてるとみていいのか……良いよな、説明してる暇ないし。
「帰るぞ!」
「……駄目だ」
お?お前も自己犠牲か?全力で俺も抵抗させてもらうが??諦め微笑みはもう散々見たからな、一応理由は聞くけど、理由を聞いた俺が大人しくなるとは思うなよ??
「俺は、楽園を開くつもりなんてない」
「?」
「大丈夫。これは、俺のエゴだ」
おい説明しろ、お前が納得しても俺は微塵も分かってねーぞ。エゴってなんだ、それ自己犠牲だったりしないか?楽園を開くつもりない、でもここにいる、明らかにとっ捕まってる姿……どこを見て大丈夫って言えるんだよ。
「どうせ、俺は死ねない。だからそう心配するな」
分からん分からん、絶対遠回しな言い方して煙に巻こうとしてるぞ……俺の直感が言ってる、大丈夫だなんて幻想だって。
「御託はいい!こっちに……!」
「そうですね、矢張り約束は果たして貰わねば」
うわ出た。ほんとに出た。
「コレット・エル・ターズ!!!」
「っ」
「此方は歴とした取引を経て貴方の身柄を引き取りに来たのです。ねぇ?」
おい顔近付けんな、紫苑に圧かけんな!
「お前自分の役割失敗してんじゃねーか!」
「いいえ?私はちゃんと役目を果たしましたとも。『聖杯が役目を果たすまで面倒を見ろ』とは言われておりませんのでね。貴方と出会ったのはそう……追加報酬を貰おうかと思っただけです」
「負け惜しみ!!!」
ああ言えばこう言うな全くもう!!どうする、絶対あれ外装なんだけどどうやって仕留める!?取り敢えず一回分の手札切って接近する。
「おや、契約違反者が騒がしい」
っおいアイツ普通に強いが!?周囲にいたリューイの人間?が一瞬で倒されて……やばい、このままじゃ紫苑が攫われる!
「しおっ」
横から気配!能力は使えない、無理やり体捻って剣を挟んで、それでも衝撃を殺しきれずに息が詰まる。ああくっそ、無茶苦茶煽るような表情しやがって。
「明保野!」
「いってぇな……二度目の着替えが必要になっちまうだろうが」
来華……じゃないよな、目の色違うし。色違い……ってことは受容体による劣化版と判断してよろしいか?確認は出来ないけど、多分コイツ青の呪い……をもとにしてるっぽいんだよな。おい青の呪いオーバーワークすぎだろ。




