6-10 「逆境でこそハイテンション」
ロボットに呼吸はない。そう思ったけどそんなこたないな。呼吸が乱れない、乱せないからこそ確実に間隙を突けるし辛うじてフィジカルだけでも戦える。能力、実在するモンなら頑張れば出せるけど……普段みたいに足場をつくるとかは厳しい。肉体強化は瞬間的に少しだけ。
「どけぇ!」
硬いなオイ!能力使えないし一撃で仕留めれるとは思ってないけど、それにしたって関節部分で弾かれるのは聞いてねぇんだわ……。結晶は怖いから触らない。確か触れるとヤバかったと思うし。肉体強化有りで三発はちょっと効率悪い。
「ここに来て耐久はごめんだぞ……!」
考えろ、どうにかならないか?イメージは時間がかかるが一応出来る、俺の筋力であのロボット破壊するのは接合部分狙っても厳しくて、集中して攻撃ってのもこの密集度じゃ難しい。 俺が今出来る最善は……。
「お前らぶん殴りながら着実に進む……!」
ショートカットが無理なら直線で移動するしかねえよな。実はいっこだけ考えてる作戦はあるけど、あんまりにもリスクというか確率が低すぎるからそこまで期待はしない。
膝落とせば機動力、肘落とせば攻撃力。首落とせるなら落としておきたいけど、流石にあの金属と金属の隙間に剣先捻じ込むのは難しい。ちょっとでも手間取ると他の奴が攻撃してくるんだよな、どうせなら同士討ちとかしてくれよ。
ロボット足蹴にしてどうにか上の方に行きたい。最初に俺を吹っ飛ばしたやつ、明らかに今見えてるやつらとは違ったんだよ。そもそも俺がいた位置結構上だったし。こいつらの中に亜種みたいのが紛れ込んでるのか、それともあれは完全に別個体なのか。意外とそこらへんで脅威度がガラッと変わる。
「くっそやっぱ厳しいか……?」
あっちの轟音一志だろうなぁ!もしかして一志って素で攻撃力高めな感じ?あの傭兵能力は一種の切り札とか言ってたけど……そうか、切り札だからこそ素が強いのか。納得したわ。
「今分かっても意味ねーんだよなー!!!」
叫ばなきゃやってけねーよ!おら隙ありィ!!腕踏んづけて瞬間強化からの大ジャンプ!よし抜けた!
見る限り同じようなやつばっか……いや、何体か毛色が違いそうな奴いるな。一体じゃないし種類ありそー……あ、こっち見―――。
「っ!」
おいあからさまにコイツ俺見て襲ってきたぞ!?いや正直それは良いんだけど、コイツの剣、何で俺にそっくりなんだろうなー!?
「それも学習の結果か……!?」
趣味悪いですよロボットさぁん……!だがしかし準備は整った、もうちょっと個性出していこうぜ!?こんな風になぁ!!!
「悪いが吹っ飛んでもらう!」
方向よーし威力よーし!さっき俺がされた状況の再現だ……!真横に勢いよく剣を振り抜く!遠心力はおまけだ受け取れぃ!
ちゃんと吹っ飛んでったロボットを横目に、ようやく収まった頭の痛みが能力を阻害していた元凶だという確信を深める。まだちょっと痛みはするけど、これならギリギリ戦いにも使える。連続使用はまだ出来そうにないけどな!




