6-9 「アンチ・アビリティ」
『洗脳、催眠、これらを解除するというのは可能です。いわゆるデバフ……弱体なんでね』
『能力で付与されるのは主にこの二種のどちらか、というのが一般的ですね。分かりやすいし、手軽だし』
『だからこそたった一人、自分の体質すら利用してとんでもねぇことした彼が際立つんですよ……。能力はどちらかといえば一般的なんですけどね』
『強いですよ?僕ら弱体に関しては抵抗力強いはずなのに、手も足も出ないんですから』
『彼だから脅威なんです。断言出来ます。それ以外が使ってもただのカモですって』
『いやホント、上位互換っぽいのもいましたし類似系も見ましたよ?その上で言います』
『なんで精神汚染は弱体じゃないんだ、ってね』
思い出した、思い出した?いや良く分かんないけど、今何でか腑に落ちた。そんでもって盛大に吹っ飛んだ。痛い。
「恭也!!」
「無事!」
受け身とかそんな暇なかったもんな……思い出して一瞬思考がパーになったし。穴に落ちなかっただけ運がいい。もうそう思ってないとやってらんねえ。
「おいおいこりゃあ……」
俺の目の前になんかクソでかい……なんだこれ、ロボット?みたいのが立ち塞がる。しかも一体や二体じゃねえ、ひしめきあってガシャンガシャン言ってる。でかい図体が邪魔すぎるぞ。頭もいてーし、視界も悪いし。とにかく距離をとろうと上空に避な……あれっ。
「……?」
今俺イメージしてたよな?能力にムラはあるけどこんな完璧に沈黙することある?テンション……いやちょっと待て、武器とか出せ……ない!
「お前らの妨害か……?」
この頭痛、吹っ飛んで受け身取り損ねたせいだと思ってたけど……あるわ結晶、肩に生えてんじゃん。この結晶受容体の劣化……劣化かどうかは分かんないな。ともかくこの結晶によって、俺のイメージが学習された可能性はある。いや、イメージ……というより能力そのもの?
「学習と無効化って関連性あります……?」
理解の究極系って無効化なのかね。その場合俺も最終的にはあらゆる能力無効化出来るような気がすんだけど。学習だけじゃなくそこから対抗張れるように出来てんのか?
一志がいる方では爆音がひっきりなしに鳴り響いてる。視界確保出来れば状況も分かるんだが……まぁ無理だよな。痛む頭抱えながらどうにか作戦を考える。
イメージが出来ないわけじゃない。完全無効というよりは……イメージと実行の間に川が出来てる、そんな感じ。川の流れと一緒にイメージも流れちゃうんだよなこれが。イメージにジェットつければ実行も出来……いやそのジェットが川を越えるのが難しいんだよな……。
「が、ん、ば、れ、ば…………どうだ!?」
一応剣は作れた!大分きつい……というかイメージするのに結構な時間必要だなコレ。それこそ本当にリソース管理が重要じゃねえか。そうホイホイ足場を作ったり回避も出来ない……つまり真っ向勝負ってことだな。




