6-8 「白昼堂々夢と成る」
「んー…………これ以上は流石に時間がないか」
「あ?」
腕時計をちらっと確認してそんなことを呟いて、そのまま……銃を突き付けてくる。
「っ!」
「及第点だ。加点してやるよ」
この距離で避けるのは無理だ、能力で……いや、コイツは俺が小石を弾いたことを知ってる、だから何かしらの対策をされてるとみるべきか……?
「お前は強い。充分にな」
暗転。
「恭也!」
「え……?」
俺……撃たれたよな?夢か……?一志に揺さぶられて頭は少しぐわんぐわんしてるけど、それ以外におかしい感じはしない。痛みもないし何が起こったのか……は、微妙だな。どのタイミングで俺は気絶した?あの傭兵名乗る不審者との戦闘って現実か??
「俺、どうなってた?」
「俺が負荷かけて元凶が現れたのと入れ違いでぶっ倒れた。で、元凶は倒したけど俺じゃこの結晶壊せなくて恭也を叩き起こしたところ」
結晶……またお前か。どこにでもあるじゃんこれ。ツルハシを出して叩き割る。……夢の中で戦闘してたのか、それともあれも現実だったのか、確認は出来ないけどあの傭兵の言ってたアドバイスは覚えてるんだよな……。
「大丈夫か?叩き起こしたのは俺だけど、体調おかしかったりしない?」
「ああうん。全然大丈夫。何か……変な夢?見てただけだから」
「……負荷かけたときにあてられた?俺も冷静じゃなかったから強めに影響が出たのか……?」
「あんまり気にしなくていいって。それより、この先なんだろ?」
一志が気にしすぎる前に意識を逸らす。結晶で閉ざされていた扉、その意味はもう一つしかないだろうし。俺の言葉に視線を向けた一志もまた頷きと言葉を返す。
「ああ……恐らくは」
互いに目くばせをしてから扉をそっと開ける。ヘレティックの地下並みに広い空間だ、奥の方に……デカい落とし穴っぽいのが見えるくらいで、あとはもう、謎の集団しかない。
「っ紫苑!」
踏み込みから大きく跳躍!一志の声に視線は集中してる、その中でただ一人、明らかに気配からして違うやつがいる!!その服すっげー重そうですね!
厳重な鎖やら手錠やらをつけられてるのは逃がさないためなんだろうか。あんだけじゃらじゃらしてたらそりゃ動きづらいだろうな……。あ、あいつ例の顔面ビーム(仮)で怪異霧散させた奴じゃん。言葉は聞こえなかったけど口の動き的になんで、かどうして、辺りを言ったな。
「イメージは……」
一志が台風と化した時のなんちゃって瞬間移動からの即回収アンド逃亡で行けるか?イメージは出来る、タイミングも……今なら行ける!
「よ――――」
あ。




