6-3 「考察と現実」
「ん」
「ん?」
通路の先に扉が見えた。開けた先は……また通路、だけどさっきまでのぐにゃぐにゃ感はない。振り返れば扉も消えてたから……少し離れたところに出た、ってことかな。
「どう思う?」
「この先じゃない?……人の気配はしないけど」
そうなんだよな、警備員とかそういうのの気配、一切ないんだよこの辺り。人が出払ってる……というよりは、この空間に人がいること自体がおかしい、みたいな。
別にいるだけで逃げ出したくなる……とかではない。ただちょっとだけ集中力が切れるというか……注意が散漫になる感じ。正直長居したい場所ではないよな。理由は分かんないけど。
「人の気配はないけど……何事もなく終わるとは思えないんだよな。戦闘にはなりそう」
「朱鳥みたいな感じ?」
「いや……いや、朱鳥みたいなって何?」
「え、朱鳥がボスみたいな……」
「朱鳥、ボス張ったんだ……」
そうだよ。ふつーに強かったからね朱鳥。連戦に続く連戦でテンション維持できてなかったら多分勝てなかったよ。予約投稿の下りとか、思いつくこと自体が深夜テンションだからな。
「紫苑、ジョーカーの話を信じるなら精神汚染は効かないはずだから、ボスになることはしないと思うけど」
受容体が精神汚染無効なんだっけ。……傀儡って精神汚染なのかな……あれ食らってた場合が一番怖いまであるぞ。
「一応……一応だぞ?紫苑ってどんな能力なんだ?」
「……聞いてたのは”誘心者”。相手の精神に作用する能力って言ってた、けど……」
「けど?」
「誤魔化してる可能性は、高いよね」
「あー……」
流石に初代と同じだと目を付けられる可能性があるってことか。能力に関するメカニズムはシエルさんに習ったぞ。
似たような能力でも方向性が違えば名前は変わる。能力に名前を付けるのは判別以外にも方向性を定めることで成長を促す。色彩が違っても似たような能力は発現するけど、一部の特殊な能力は再現性がない……とかなんとか。
初代ならまぁ、能力的に二人目とかいないんだろう。なにせ当人、方向性も何も完全一致するわな。ばれないように能力をセーブしてんのかな、一種の縛りプレイじゃん。
「本人精神汚染効かないのに能力は精神汚染系なんだな……」
「精神汚染する側がされるのは違うからされないとか言ってたよ」
「暴論……」
誤魔化し方がちょっと力業過ぎない?もうちょっとこう……いや下手に言い訳するとボロが出るか。実際それで周囲は納得してたんだから……うん、俺もそう説明されたら納得する可能性あるな……。
「俺、紫苑に関しては前に悠人さんがレスバ強いって言ってたことしか知らないからな……」
「え?紫苑も同じ大学だけど」
「うっそぉ!?」
初耳ですけど!?




